先日だらだらと呟いた地元のオカルト話まとめ

八幡@Vtuberサラと配信中 @yahataa

おしまい。

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そういえば、高知の怖い話をば。うちの母方の話。うちの母の実家は、そこそこ古くからの蚕農家でした。蚕、絹織物産業は明治維新後の日本の産業化に貢献したというだけあって、日露戦争から朝鮮戦争ぐらいまでの間、高知の片田舎でも利潤が出るほど大きな産業だったようなのですね。

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もちろん、うちの母方の実家は豪農というものではなく、生業として、少しのたくわえができるぐらいの、細々としたものだったようです。――しかし、そんな中で異変が起きました。飼っている蚕が全滅したんです。

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蚕は新しく購入すればいい。もちろん、大きな出費ではありますが。しかし、蚕農家として内回りを仕切っていた祖母は、どうもおかしいと思ったようです。

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そのとき、母方の実家である農家は運がついていました。祖母が貰った婿養子、つまり私の祖父が、値が上がる農作物を引き当てて、いわば一山当てていたのです。その嬉しさから叩き落されるかのような蚕の全滅――土佐は迷信深い土地柄です。その迷信深さはダテではありません。「いる」のです。本物が。

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祖母はピンときたようです。「あの人」が出てきた、と。私も詳しくは知りませんが、同じ村内に、たいそう嫉妬深い女性がいたそうです。そして彼女に嫉妬された人々は、突然の不幸に見舞われると。――なにせ、犬神を使役する伝説が残る土地柄です。村人は噂しました。「「あの人」は、念を使う」と。

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「あの人」に目をつけられた。慌てて祖母は、彼女に近寄らないようにしたそうです。なるべく自分の家も慶事も隠して。すると蚕が死ぬことはなくなりました。――が、別の家で蚕が全滅したという話は、途切れなく聞こえてきたそうです。

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これを話してくれた母は「犬神なんて派手なものはないけどね。ただの念だって」と言います。「でも、おばあちゃんが「あの人」から逃げたのは、怖かったからじゃないの。

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「――うちの家の女も、念は使えるのよ。私も、あんたも、……あの村の女は、みんなね。おばあちゃんは、念を使って仕返しなんかしたくなかったから逃げたのよ。人を呪わば穴二つって、昔からいうからね…」

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田舎出身の女性は、一度ご実家で、ご自分の能力について、きちんと古老に聞いておいた方がよいのかもしれませんね。知らない間に誰かを呪ってしまわないように。

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ちなみに、特定されないようにお話にはフェイクを混ぜています。師匠シリーズみたいにカッコイイ専門家とかも出てきませんが、それでもよろしければご覧ください～

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ちなみに私は念の飛ばし方とかは知りませんが、母方の家系の女はみんな、よくしてあげると幸せを運ぶそうです。まあほんとかは知りませんが、祖母も母も穏やかな人だったのでそういうこともあるかもしんない！