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ストローク・オブ・フェイト♯3

ニンジャスレイヤーの二次創作です。 前:http://togetter.com/li/1021370 次:http://togetter.com/li/1028951
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ひたちえぼ @EVO_Hitachi

シルバーカラスが制止の声を上げるが、無視した。ソニックブームはダーツの的当てをやるように気軽なフォームで、シグナルロケットの後頭部にクナイを放った。シグナルロケットは痙攣した。「サ、サヨナラ……!」それだけ言うのがやっとの態で爆発四散し、彼の煙は爆風に煽られ霧散した。 19

2016-09-22 20:40:23
ひたちえぼ @EVO_Hitachi

ソニックブームは乱れたリーゼントを櫛で整える。「やり易くなった。あっちの頭さえ潰しゃあ、後はソウカイ・シンジケートで収められる」シルバーカラスがかぶっていたフードを降ろし、苦々しい表情をこちらへ向けた。「何だァ? 文句でもあんのか。エエッ?」「聞きたい事があった」 20

2016-09-22 20:44:02
ひたちえぼ @EVO_Hitachi

シルバーカラスは煙草に火を点けると、オイルライターを放ってきた。ライターを受け取り、火を点ける。「あっち側にそれだけニンジャがいるなら、さっさとチクゼン=サンを狙えば良かった筈だ。なのに、そうしなかった。どうしてだ?」 21

2016-09-22 20:48:16
ひたちえぼ @EVO_Hitachi

確かにそうだった。戦力にニンジャを有する割に、ナワバリ獲得の最短ルートを通っていない。「なぁ旦那。野心があるのか後が無いのか知らんが、逸らんでくれよ」どこか非難がましい言葉に、ソニックブームは舌打ちした。確かに気が逸っているのは認める。 22

2016-09-22 20:52:56
ひたちえぼ @EVO_Hitachi

このヤクザ抗争を収めることは、ソニックブームにとって千載一遇の好機だ。できるだけ迅速に、手抜かり無く片付けること。しかし、それをこの男から指摘されるとどうにも面白くない。そのせいか、鳴りだしたIRC端末の通信要請に応じる声は、八つ当たりじみて尖っていた。 23

2016-09-22 20:56:31
ひたちえぼ @EVO_Hitachi

「モシモシ! ソニックブームです! ……アァ?! ……アー、分かった、すぐ戻る」通話を終了させるや否や、「アッコラー!」腹立ち紛れにパーラーの壁を殴りつけ、コンクリートを抉り取った。訝しげな視線を寄越すシルバーカラスに、通話の内容を伝える。 24

2016-09-22 20:59:39
ひたちえぼ @EVO_Hitachi

「あのニボシ野郎が! あっちのクランと交渉を引き受けたんだとよ!」「ニボシ?」「オヤブンの息子だ! 勝手しやがって!」「……急だな」「ひとまず戻るぞ」感情を押し殺し、ソニックブームは表通りへ歩き出した。ところが、シルバーカラスのついてくる気配がない。 25

2016-09-22 21:02:04
ひたちえぼ @EVO_Hitachi

ソニックブームは振り返り声を荒げる。「何モタついてんだ、行くぞ!」シルバーカラスは、シグナルロケットの犠牲となった男の死体に片合掌していた。ボンズ気取りか。「待たせて済まんね、旦那」「ツジギリ風情がお優しいな」 26

2016-09-22 21:06:35
ひたちえぼ @EVO_Hitachi

シルバーカラスは答えず、空になった煙草のケースを握りつぶした。こいつは、無用な暴力や殺しへの忌避感を露わにするものの、態度をハッキリさせず、本心が分からぬ。その癖こちらを見透かす目は確かで、それがカンに障る。 27

2016-09-22 21:10:23
ひたちえぼ @EVO_Hitachi

ソニックブームは改めてシルバーカラスを評価する。使えるニンジャだが、信用はできない。 28

2016-09-22 21:15:47