数学ガールでは救われない

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uroak_miku @Uroak_Miku

1)物理学史、化学史ほかいろいろ独習していく延長で数学史(厳密にはヨーロッパ数学史ですが)もかじっていくと、『数学ガール』シリーズを読んだ時の違和感の正体が見えてくる。数学も科学もヨーロッパでは結局神学論争なんですね。そこを語らないと数学も科学も本当にはわからないのに。

2016-09-25 15:00:26
uroak_miku @Uroak_Miku

2)宮崎駿の先輩アニメーターでその後イラストレイターに転身したおじいちゃまに取材したとき、ルネサンスを理解しないと科学はわからないと力説されたことがあります。東大紛争のときの山本義隆とも親交があって彼の科学史本も熟読されているようでした。

2016-09-25 15:03:35
uroak_miku @Uroak_Miku

3)『無限小——世界を変えた数学の危険思想』を読んだときその話を思い出した。amazon.co.jp/dp/400006049X ガリレオ裁判と同時代に、数学のほうでも『薔薇の名前』みたいな神学対決があって無限小の研究は禁じられた。そのため微積の発展はイギリスやドイツで進んだ。

2016-09-25 15:07:32
uroak_miku @Uroak_Miku

4)無限小を考え出すと既存の数学体系のすべてが崩壊する…その感覚が今はよくわかる(つもり)なり。極小のなかのカオス。ニュートンやラグランジュは実用重視だからいちいち気にしなかったが数学者は気にした。この特異点をとうとう囲い込んだのが19世紀半ば。それがやがて集合論に進化。

2016-09-25 15:22:46
uroak_miku @Uroak_Miku

5)無限小というカオスを神の英知でどう囲い込みねじ伏せるか。これがヨーロッパ数学の真のテーマ(のひとつ)だった。『数学ガール』シリーズはそこを華麗にスルーするので甘菓子的とっつきやすさはあるけれど実は全然数学を語っていない。

2016-09-25 15:25:57
uroak_miku @Uroak_Miku

6)いわゆる大学の数学はかつて苦手でした。すでにすべてが完成していて、建造の過程で組まれた足場の類がすべて取り払われているため、その威容にただ圧倒されるしかなかったから。

2016-09-25 15:28:17
uroak_miku @Uroak_Miku

7)数学史なんてやるのは数学で挫折した連中だという思い込みがありました。今はもうそんなこと思っていない。むしろこれこそが数学の王道とさえ考えているから。

2016-09-25 15:29:31