福島小児甲状腺がんの有病率と罹患率の推定および早期発見・早期治療の必要性

福島県民健康調査の甲状腺に関する報告書に基づき、有病率と罹患率を推定するとともに、検査の継続による早期発見・早期治療の必要性を考察しました。
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今井長兵衛 @medanjin

これは20歳以上の甲状腺がん患者さんのデータなので、小児の場合に何が起こるかは不明。それでも、遠隔転移のある場合の小児の生存率低下を示唆するので、遠隔転移防止のための早期発見が重要で、福島県の小児甲状腺検査も縮小すべきでないだろう。 twitter.com/medanjin/statu…

2016-09-07 16:30:10
今井長兵衛 @medanjin

甲状腺がん5年生存率と10年生存率をまとめて作表した。ソースは「がん情報サービス 4.生存率」 ganjoho.jp/reg_stat/stati… pic.twitter.com/zGGZVnuUmC

2016-09-01 14:43:03
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がんの治療] 福島県立医大の講演要旨「福島県における小児甲状腺癌治療の実際」日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 32(126増刊), S1-170, 2015-04を読んだ。今日、Cinii で検索したら要旨集を読めないようになっていた。何故?

2016-10-11 10:00:01
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がんの治療] 続き 引用「福島県立医大で手術された80例中、術後に良性結節と診断された1例を除いた甲状腺癌79例について検討し、病理結果は76例が乳頭癌、3例が低分化癌。術前診断で腫瘍径が10㎜以下は25例(32%)。

2016-10-11 10:09:39
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がんの治療] 続き 引用「術前、25症例(31%)でリンパ節転陽性と診断し、肺転移疑いの症例を3例(4%)に認めた。術式は、甲状腺全摘6例(8%)、片葉切除73例(92%)。リンパ節郭清は全例に実施し中央領域のみが82%、外側領域までが18%。」

2016-10-11 10:14:29
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がんの治療] 続き 引用「術後の診断では、腫瘍径10㎜以下は17例(22%)、甲状腺外浸潤pEX1を44%、リンパ節転移を75%に認めた。術後合併症(術後後出血、永続的反回神経麻痺、全摘を除く甲状腺機能低下、副甲状腺機能低下症)は認めていない。」

2016-10-11 10:18:03
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がんの治療] 続き 引用「【結語】福島における小児甲状腺癌治療の現状を報告した。小児甲状腺癌の治療についてはコンセンサス形成が必要であり、福島の知見が今後のガイドライン改訂等にも役立つ事を期待する。」

2016-10-11 10:21:57
今井長兵衛 @medanjin

福島県立医大による治療結果から、 1.乳頭がん96%と殆どだが、4%は低分化がん。 2.リンパ節転移と診断されたのは術前31%から術後には75%に増加。 3.肺への遠隔転移(疑い)は4%。 4.甲状腺全摘は8%で、92%を占める片葉切除では、甲状腺・副甲状腺機能は低下せず。

2016-10-11 11:15:43
今井長兵衛 @medanjin

すでに示した生存率の表より、20歳以上の乳頭がんでは、リンパ節転移の有無にかかわらず高い生存率が期待されるが、肺への遠隔転移が生じると、5年生存率、10年生存率が低下する。しかし、医学の進歩を考えると、現時点で手術を受けた人の生存率は表示した値より更に改善されるだろう。

2016-10-11 11:26:06
今井長兵衛 @medanjin

福島小児甲状腺がんでは、がん化部位にもよるのだろうが、9割の手術が片葉切除で行われ、その場合には術後の甲状腺機能低下、副甲状腺機能低下症は認めていないという。 つまり、早期発見・早期適正治療により、子どもの命やQOLを守れるということだ。少なくとも福島県では検査を続けてほしい。

2016-10-11 11:37:30
今井長兵衛 @medanjin

QOLに関しては、定期検診によるQOLの低下という問題が残る。経験者は理解されていると思うが、検査を受けてから結果を宣告されるまでの期間は何とも言えない辛さがある。無罪放免の時は、景色が変わって見える。メンタルケアの必要性とか、軽々に言いたくないが、やはり幼少からの慣れが必要か。

2016-10-11 12:43:09
今井長兵衛 @medanjin

福島県における小児甲状腺がんの多発が福島県(あるいはその周辺)に特異な現象なら、そこだけを詳細に調査すればいいだろう。もし、全国的な現象なら、全国的に詳細な調査が必要だ。いずれにせよ、調査・検査を縮小する理由は微塵もない。

2016-10-11 20:20:53
今井長兵衛 @medanjin

「福島県における小児甲状腺がんは多発していない」という意見もある。多発というのは何かと比較してどうかということになるので、肯けなくも無い。少し検討しておこう。

2016-10-14 11:37:24
今井長兵衛 @medanjin

今回推定した福島小児甲状腺罹患率(10万人・1年あたり)は、二次検査を受けた人だけが発病したという(ありえない)場合が11.0、二次検査を受けなかった人も受けた人と同率で発病した場合が15.8であった。

2016-12-30 23:13:42
今井長兵衛 @medanjin

全国の0~19歳人口は約2224万人。 福島と同等の罹患率で全国の0~19歳の人々が罹患すると仮定すると、罹患者数は2446人(罹患率11.0の場合)から3514人(罹患率15.8の場合)となる。 多発かどうかの議論より、早期発見・早期適正治療の必要性を理解すべきなのでは。

2016-12-30 23:17:16