ジョジョ4部 140字ssまとめ@苺庵

とりあえずざっくりまとめてみました。
0
苺庵🐾 @nyanmame310

自分の下で喘ぐ億泰を見る度、「何でコイツなんだろう?」と思う。面は良くない。頭も悪い。俺程の美男子ならもっと良い選択肢があるはずだ。―そんな事を考えてたら、億泰に首を噛まれた。「…腰…止めてんなよぉ…ッ」色気のない誘い文句に、俺の身体がじんわり熱を帯びた。 【これだから、/裕億】

2016-09-06 23:06:00
苺庵🐾 @nyanmame310

お袋が死んだ後、親父は1度だけ料理をした。そのスープは驚く程に美味で、俺は未だあれを越える味を知らない。―兄貴の死んだ後、俺は初めて台所に立って何を作るか悩んだ。何となく、兄貴の「残り物」を煮込んでみた。…驚いたぜ、まさかあれと同じ味が出来るなんてよぉ。【虹村さん家の××スープ】

2016-09-08 19:30:08
苺庵🐾 @nyanmame310

自分が嫌いだった。こんな性格では生涯孤独だと思っていた。―そんな俺が、自分の「分身」相手に恋をした。奴は俺を嫌わない。俺から離れない。病める時も健やかなる時も、絶対側に居てくれる。最初で最後の恋を、俺は大嫌いな「自分自身に」捧ぐのだ。【素晴らしく、救われないだけの恋愛話/間サー】

2016-09-11 12:17:48
苺庵🐾 @nyanmame310

【願いが間違いを繰り返す】弟の口から紡がれる、どこの誰だか知らない女へ向けられた想いに形兆は危機感を抱いた。他人を想う弟はまるで他人のようで、気付けば形兆は弟を床にねじ伏せていた。「俺にはお前しかいない。俺を置いていかないでくれ」声を上げようとした億泰の唇を、形兆が力任せに塞ぐ。

2016-09-14 08:04:59
苺庵🐾 @nyanmame310

虹村邸へ泊まりに来た仗助は億泰と夜中まで馬鹿騒ぎ。ふと、目を覚ますと億泰がいなくなっていた。深夜1時。仗助は、「ある場所」へ向かう。床で寝ている虹村父の横を抜け、梯子をかけて開かれた天窓をくぐる。月明かりに照らされた億泰が、遠くの電線を眺めて静かに泣いていた。【午前一時の亡霊】

2016-09-14 18:19:38
苺庵🐾 @nyanmame310

ガラス一枚隔てて、億泰と音石はジトリと睨み合った。互いに、もう二度と会う事は無い、会いたくもないと思っていた相手。「…オメェ、俺の『幸せ』どこやったんだ?」―幸せを奪った、張本人を前に億泰は淡々と言葉を紡いだ。どう足掻いても戻らない『幸せ』を、未だ探しているようだ。【本当の幸い】

2016-09-14 19:31:59
苺庵🐾 @nyanmame310

【硝子の光】形兆の死後、億泰は突然邸をリフォームすると言い出す。単なる掃除かと思いきや、本当の目的は『窓に打ち付けられた数多の木の板を剥がす事』らしい。「もう隠す事ねーからよぉ」せーの、の声で億泰は、仗助と力を合わせ板を剥がす。西日に照らされた億泰の顔は、泣いたみたいに赤かった。

2016-09-15 20:53:11
苺庵🐾 @nyanmame310

兄貴の部屋は車通りも人通りも少ない道に面していて普段から静かだ。まして夜になると、世界から音が消えたみたいに静かになる。―ただ、そのせいで兄貴と「してる」俺の声が部屋中に響いて、その度に兄貴が「うるせぇ」と怒鳴る。…少しだけ、満足そうな表情を浮かべながら。【声の満ちる部屋/形億】

2016-09-28 19:30:53
苺庵🐾 @nyanmame310

直接話した事は無いし、目すら合ってない。全ては偶然で、道端ですれ違っただけの出会いだった。物憂げな目、引き結ばれた唇。その急くような歩調とすれ違う刹那、残り香が何とも寂しげで思わず振り返った。―彼とは、もう二度と会えないような気がした。【それは恋と呼ぶにはあまりに不確定な/裕形】

2016-09-28 19:59:54
苺庵🐾 @nyanmame310

俺が兄貴と恋人になる時、兄貴は条件を出した。この事を誰かに話してはいけないとか、いつか必ず関係を終わりにするとか、どちらかが先に死んだら全部忘れて生きろとか。…俺は、最後のそれだけは無理だと思った。恋人を忘れて生きるぐらいなら、恋人のまま死にてぇなって思うだろ?【最期まで/形億】

2016-09-28 20:07:23
苺庵🐾 @nyanmame310

罪の意識と愛情への飢餓で、俺は億泰に手を出した。肌を重ねて組み敷くのは、間抜けな弟を支配下に置く為。唇を重ねるのも、弟から反抗の言葉を奪う為―そんな身勝手な理由を重ねて、俺は億泰を抱き続ける。億泰は言った。「…兄貴は、言い訳ばっかりだ」【その目はまるで臆病者でも見るように/形億】

2016-10-03 18:43:16
苺庵🐾 @nyanmame310

「―お前、最近毎日来てるよなァ」音が止み、奴が声を掛けてきた。「…煩い、黙って弾け」交わった目線をすぐに逸らすと、奴が不満げに鼻を鳴らす。「オメーのリクエストがバラードばっかで飽きんだよ」そう言いながら、奴は再び音を奏でる。音色は、今日も美しかった。【深夜、駅前にて、2人/音形】

2016-10-13 22:17:12
苺庵🐾 @nyanmame310

兎が寂しさで死ぬと聞いた時は衝撃だった。寂しさが命を奪う、それが心底恐ろしかった。そんな事を思い返しながら、ふっと兄貴を見る。刹那、肌がぞわりと粟立った。俺は慌てて兄貴に駆け寄ると、力一杯抱きしめた。なぁ兄貴、俺はずっと傍にいるぜ。だから、頼むよ。【寂しいなんて思わないで/形億】

2016-10-14 20:26:43
苺庵🐾 @nyanmame310

部屋のドアが開くのは、いつも決まって午前2時。近付いてくる足音に、俺はまたか、と尋ねた。勿論、返事はない。布団が捲られ、億泰が俺の上へ跨る。下着の上からでも分かる、張り詰めた主張。「兄貴、しようぜぇ」鳴りかけた喉を抑え、擦り寄る弟の腰を黙って引き寄せた。【幾度目の夜を共に/形億】

2016-10-15 00:31:43
苺庵🐾 @nyanmame310

罪悪感に襲われるのは、事が終わった後。吐き気と目眩で、横たわった億泰に覆い被さるように倒れ込む。汗ばんだ肌も血が上った頭も、氷水に浸したみたいだ。「兄貴…」億泰が、目を開く。「俺は…大丈夫…だからよ…」力無いその言葉に、俺は縋り付くしか出来なかった。【そして今日も赦されて/形億】

2016-10-19 18:33:44
苺庵🐾 @nyanmame310

純白に身を包んだ億泰は、到底言葉では言い表せない程美しかった。控えめなレース、花の装飾、薄化粧。それが億泰の愛らしさをより一層引き立てる。「兄貴見て」俺は微笑む億泰の手を取り、冷たい床へ押し倒す。見開かれたその目に映る獣が、億泰のドレスを力任せに引き裂いた。【刹那の花嫁/形億♀】

2016-10-21 14:48:37
苺庵🐾 @nyanmame310

同じクラスの女子に、彼氏が出来たらしい。ついこの間も、隣のクラスで誰かと誰かが付き合ったと聞いた。高校生にもなれば交際なんて当たり前だと兄貴は言う。「…じゃあ、兄貴も彼女いるのか?」震える声で尋ねる俺に、兄貴は小さく笑った。「俺にもお前にも、縁のない話だよ」【縁のない話/形億♀】

2016-10-23 20:39:19
苺庵🐾 @nyanmame310

買い出しを忘れた時は、夕飯に誘われた。体操着を忘れた時は、嫌な顔一つせず貸してくれた。髪が伸びたと呟いた時は、切ってやるよと言われた。他所の不良に絡まれた話をした翌日に、そいつらが入院したと聞いた。「億泰、俺の事もっと頼っていいんだぜ?俺達親友なんだからよ!」【善意の裏側/仗億】

2016-10-23 21:55:29
苺庵🐾 @nyanmame310

確かに、やりたいと言ったのは俺だ。でもそれは、今この瞬間の話じゃない。心の準備も出来てない。兄貴には、絶対するなと言われていたのに。「億泰、暴れたら痛ぇぞ」―耳元で仗助が囁く。「大丈夫、すぐ終わるから…」吐息混じりの甘い声に、力が抜ける。小さな痛みと共に涙が零れた。【喪失/仗億】

2016-10-23 22:37:52
苺庵🐾 @nyanmame310

今日1日ろくな事が無かった。朝は目覚ましが鳴らなくて、昼は予報外れの雨が降り、夕方の買い出しじゃ目当ての品が売り切れだった。胸糞悪い。最悪だ。「そりゃ災難だったなァ。兄貴、お疲れ様ッス」柔らかくない弟の太股に頭を乗せ、頭を撫でる優しい手つきに俺は静かに目を閉じた。【慰めて/形億】

2016-10-27 18:09:49
苺庵🐾 @nyanmame310

億泰と身体を繋げる度に、多幸感に襲われる。快楽に溺れ、熱を吐き出す。ただ、心の奥ではいつも何かが「こんな事は赦されない、止めろ」と喚くのだ。「兄貴…止めないで…っ」俺に絡まる、熱を帯びた腕や脚。挙句舌まで差し出す、この馬鹿を見てると―心底どうでも良くなった。【愛すべき馬鹿/形億】

2016-10-27 18:29:10
苺庵🐾 @nyanmame310

ぐい、と引っ張れば小さな体は腕中にすっぽり収まった。逃げないように抑え込み、顎にそっと指を這わす。重なり合う柔らかな唇。頑なな割間をこじ開け吸い上げた舌はねっとりと熱い。眩むような甘ったるさが心地良くて、くたりと崩れる妹の体を一層強く抱きしめた。【溶ける程甘いキスをして/形億♀】

2016-10-31 22:01:07
苺庵🐾 @nyanmame310

―背筋が凍った。億泰が公園で、悪ガキを叱った。悪ガキは泣きだして、素直に謝った。そこまでは良かったんだ。「…。」ガキを見下ろす億泰の表情は、ひたすらな『虚無』。底の見えない、闇みてぇな瞳。余計怖がって泣き喚くガキに向けられた億泰の視線は、ゾッとするほど冷たかった。【泣くのは嫌い】

2016-11-01 18:41:24
苺庵🐾 @nyanmame310

兄貴のセックスには言葉がない。優しくて激しくて、訳わかんねぇぐらいグチャグチャに乱される。俺が何度達しても兄貴の熱は全然冷めなくて、あにき、すき、きもちいい、って繰り返したら兄貴は嬉しそうに笑うんだ。…こんなの、言って欲しけりゃ何百回でも言ってやるのによぉ。【素直じゃない/形億】

2016-11-02 22:02:10
苺庵🐾 @nyanmame310

気持ち良いの好きなくせに、ちょっと飛ばすとすぐに機嫌を悪くする。先にイクのが嫌とか、恥ずかしいから嫌とか言うけど―でも、俺は知ってる。唇を塞いで、わざと激しく奥を突くと兄貴は悲鳴を上げる。その声が、兄貴が『最高にイイ時』の声だってのも、俺は全部知ってるんだ。【全部知ってる/億形】

2016-11-07 21:22:47