本丸サテライトスタジオ#4
もう何回聞いたと思う? 俺も思い出せないんだ。みっちゃんと伽羅の血と雨に濡れた黒い姿。すべてを透過するようなみっつの金の瞳に、俺は何度見つけてもらったっけ。 なあ、みっちゃん、覚えてるか?
2016-10-26 02:49:07俺が握りしめているものは本当に正しいものかな。たいせつを迷うつもりはないけど少しだけ、不安になるときもある。 ……いや、何度目だろうが一世一代だな、手は抜かねぇぜ!
2016-10-26 02:49:28双子の星。なあ、俺が繭の中には入れねぇってことくらいは、知ってるぜ。 おやすみ! 俺の大事な……
2016-10-26 02:50:10今日から貞も出陣だ。粟田口の一振りを探しに深く深く大阪城の地下へ潜る。俺達も貞と同じ部隊だ。大阪城は検非違使が出ないから、練度差があっても一緒に出陣できる。何度潜っても代わり映えのない地下だが、今日は普段よりずっと楽しみだ。
2016-10-26 14:59:35青空の下、本体を振るう楽しさを知るのが先になるのは可哀想だが、共に出陣できる喜びを味わえるのは、嬉しいな。
2016-10-26 15:05:27オリオンの三つ星
(途切れ途切れの、どこかの誰かの、あまりにもよく知る誰かの歌声) 「あおいめだまのこいぬ、ひかりのへびのとぐろ。オリオンはたかくうたい、つゆとしもとをおとす。アンドロメダのくもは、さかなのくちのかたち。」
2016-10-27 01:46:49(((うばたまの夜に浮かぶ、オリオンの三つ星。きんの三つ目。涙と血潮を落とし、魚の口に飲まれた。アンドロメダに飲まれた。シリウスは見ていた。そのそにどりの青の瞳で。)))
2016-10-27 01:49:56(風に紛れるかすかな、懐かしい誰かの声)「……アンドロメダを、探してはいけないよ。あの魚は大食いなんだ。アンドロメダを、見つけてはいけないよ。君の知る未来に、僕らの瞳が消えていても。僕達の貞ちゃん。君だけは、飲まれてはならない。」
2016-10-27 01:54:37星めぐりのうた。なんどでも巡る運命。大丈夫、俺はなにを失くしてもたいせつなことだけは忘れないよ! 絶対に。約束する。
2016-10-27 04:09:48芋煮会だよ
本日も晴天なり。地下にばかり潜っているのは勿体無いから、お昼はみんなで芋煮会だよ。外で煮炊きをするのって楽しいよねえ……。
2016-10-27 11:53:20みっちゃんの仙台風芋煮、懐かしくてうまかった! 伽羅が隠し味にこっそり醤油を入れてたけど効いてたな!! 牛肉醤油の山形風も俺は好きだぜ。この場合は味噌が隠し味になるって伽羅が言ってた。敵対するばかりじゃないんだな。
2016-10-28 02:18:19@sadamune_i_know 貞、隠し味の話は秘密だと言っただろう。はじめて夜戦に出て興奮するのもわかるが、さっさと寝ろ。
2016-10-28 02:28:02@o_o_ku_ri_ka_ra あっちゃー、みっちゃんが早い時間に部屋に戻ったからふたりとも寝てると思ったのにバレた……わりぃ、伽羅も早く寝ろよ!! 俺もカワセミ柄の布団とぬくむねと寝るよ。おやすみ!!
2016-10-28 02:34:28@sadamune_i_know あいにく、気配にはそれなりに聡くなったものでね。ああ、おやすみ、貞。
2016-10-28 02:58:07わざわざ起きていたわけじゃあない。ただ、夢から覚めた時にちょうど、貞の気配がしただけだ。
2016-10-28 03:19:33夢の中で俺は、真っ暗などこかに立っていた。ただ夜であるだけであるならば、空にどんなに厚い雲がかかっていようとも本当の暗闇になるわけはない。俺がいたのは、まるで一面に墨をぶちまけたような、光の一筋も見つけられないような、そんな場所だった。
2016-10-28 03:24:25自分がどこにいるのかも、どうしてそこにいるのかもわからない。ただ、そこに不安はなく、あるのは、そうだな、まるで大きな掛け布団に包まれているかのような、安心感だけだった。孤独も、恐怖も、何もなかった。安心感だけが、その場を満たしていた。
2016-10-28 03:27:40どれくらいの間そこにいたのかもわからない。ある時、誰かが俺を呼ぶ声が聞こえた。――伽羅。大倶利伽羅。伽羅。俺のことをそう呼ぶのは、貞しかいない。貞が俺を、読んでいる。気づいた瞬間、遠くの方に光が見えた。豆粒よりも小さい光だったが、はっきりとわかった。光の向こうに、貞がいた。
2016-10-28 03:38:25伽羅、伽羅。俺を呼ぶ声が大きくなっていくにつれて、光も大きく、そしてだんだんと近づいてくる。はっきりと見えるようになった貞の顔は、ひどく歪んでいた。今にも泣きそうな、痛そうな、苦しそうな顔でこちらに手を伸ばしてくる貞を、どうにかしてやりたいと思った。
2016-10-28 03:45:55引き寄せてやろうと思った。こちらには苦しいものなど何もない。安心感だけが場を満たしている。ここでなら、貞にそんな顔をさせないですむ。光はどんどん近づいてきて、もう少しで向こう側に手が届くだろう、その時だった。貞が、俺の名前以外に何かを言っていることに気がついたのは。
2016-10-28 03:51:40