サンズ・オブ・ケオス ＃４
-
- いいね！0
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「この破壊は貴様か？」「そうだ」「付近に他のニンジャの存在を感じぬ」ガーランドの声にドスがきいた。「……メイレインを……殺したか。貴様」「殺した」ニンジャスレイヤーはやや腰を落とし、軸足に力を込める。このガーランドはサツガイのニンジャではない。己の負傷も重い。犬死にを避けねば。
2016-11-02 00:34:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「貴様の獲物を奪った形になったか」ニンジャスレイヤーの関節がミシミシと音を立てた。ガーランドは右腿の得物に手をかける。「ベイン・オブ・ソウカイ・シンジケート（ソウカイヤの災い）の伝説」彼は呟いた。「その真偽を確かめるとしよう」殺気が空気に満ちた。「イヤーッ！」二者は同時に動いた。
2016-11-02 00:40:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャスレイヤーはスリケン二枚を連続投擲しながらバック転を打ち、間合いを取った。スリケンはガーランドに到達する前にはじけ飛び、散った。龍の尾めいた得物が宙を裂き、ガーランドの手元でうねった。ニンジャスレイヤーは身をひねって後ろ向きに着地し、脱兎のごとく駆け出した。
2016-11-02 00:42:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャスレイヤーは廊下奥のエレベータへ向かう。ガーランドは躊躇せず、陸上選手じみたスプリントでニンジャスレイヤーを追う。コトブキは首を左右に動かし、二人のニンジャが眼前を通過するさまを見た。淡いオレンジの髪がなびいた。「またしても戦闘です」コトブキは呟いた。
2016-11-02 00:47:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャスレイヤーは躊躇せずエレベータ扉を蹴破り、シャフトのワイヤーに捕まって、真下へ落下した。エレベータは頭上四階付近で引っかかったままだ。降りながらワイヤーを支点にぐるぐると回転して勢いをつけ、一階のエレベータ扉を跳び蹴りで破壊しながら転がり出た。間髪入れず、後方で着地音。
2016-11-02 00:55:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャスレイヤーは速度を上げる。マフラーめいた布がなびき、滴る血が地面に落ちて蒸発した。ガーランドはスプリントで迫って来る。ニンジャスレイヤーは斜めに跳び、「司馬」のネオン看板を蹴って更に跳んだ。「イヤーッ！」「グワーッ！」跳躍が阻まれ、引き戻される。足に巻き付く武器！
2016-11-02 00:57:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャアドレナリンによって時間間隔が泥めいて鈍化するなか、空中のニンジャスレイヤーは足首に巻き付いた恐るべき武器を認識した。それは鞭の一種だった。しかし並の鞭ではなかった。鞭には無数の小型クナイが生えている。その生え方はバイオ松の実を思わせる。刃が足首に食い込み、傷つけている。
2016-11-02 00:59:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「グワーッ！」背中から地面に叩きつけられたニンジャスレイヤーは肺の空気を吐き出して呻いた。凶悪なクナイウィップにチョップを振り下ろし、切断しようとした。ガーランドは手首のスナップだけで鞭の拘束を解き、引き戻すと、確信的足取りでツカツカと接近してきた。「貴様、手負いか」
2016-11-02 01:01:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャスレイヤーは後転して起き上がった。左右に廃家屋。パイプから染み出した汚水が足下に水溜まりを作る。背後には壁めいて廃車が積み上げられていた。跳躍すればガーランドのクナイウィップの餌食となるだろう。ニンジャスレイヤーはイクサの選択肢を吟味し、カラテを構え直す。
2016-11-02 01:06:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「カラテのワザマエは……なかなか油断ならぬ様子」ガーランドの目がギラリと光った。「貴様に用はない。ソウカイ・シンジケート」ニンジャスレイヤーは言った。「だが……」拳が、関節が、強烈な熱を帯びた。赤黒の眼光が強まった。「ハイヤーッ！」そのとき、ガーランドの斜め後ろ。
2016-11-02 01:10:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
いきなり飛び出してきたのは、あろうことかコトブキだった。コトブキは流麗に宙を舞い、空中からの二段回し蹴りでガーランドを襲撃した。ガーランドは瞬時に反応し、連続の蹴りを防いだ。そしてコトブキを蹴り返した。「ンアーッ！」弾き飛ばされ、転がるコトブキ。ニンジャスレイヤーが攻撃をかける。
2016-11-02 01:14:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
クナイウィップは長いリーチを生かして敵の接近を許さず肉と骨を削り取る武器だ。しかしコトブキが思いがけず作り出した隙がニンジャスレイヤーにワン・インチ距離への接近機会を与えていた。ニンジャスレイヤーはチョップを連続で繰り出す。しかしガーランドは激しい打撃を奇妙なカタでしのいだ。
2016-11-02 01:18:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ガーランド自身の身体を這うように鞭が動き、攻撃を無力化させてしまう。神秘的なブドー、ムチ・ドーの熟練のワザマエであった。「トラヒトアシ」ガーランドは低く言い、地面スレスレまで身を沈めた。その背の上をニンジャスレイヤーの暴風めいたカラテ掴みが通過した。「ホーミングウインド！」
2016-11-02 01:22:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「グワーッ！」ニンジャスレイヤーの身体が斜めに弾け飛んだ。ガーランドは捻じりながら伏せた身体を解き放ち、竜巻じみた鞭の螺旋で彼を撥ね飛ばしたのである。ゴウランガ……！しかし当のガーランドは不満げだった。KRAASH！ニンジャスレイヤーは廃家屋の窓を破り、中に叩き込まれた。
2016-11-02 01:24:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「奴め……！できる」ヒュパン！ガーランドは音を立ててクナイウィップで地を打ち、眉をしかめて、粉塵を吐く廃家屋を睨んだ。それから通りへ視線をやった。アンブッシュを仕掛けてきた鼻持ちならないオイランドロイドの姿は既になかった。「しかし……ニンジャスレイヤーだと……？」彼は呟いた。
2016-11-02 01:28:19