わめく9ちゃんとお母さんの話 魔の3歳児の愛しさよ*
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2)よく療育の場面で陥りがちな罠がここにあります。心に深く傷つくほど無理をさせないということと、「かっこいい自分になりたいから多少無理して頑張っている」という全く別のことを混同してる人が多すぎ。大人だってこどもだって、今まで出来なかったことやるためには必死に頑張るのは当然。→
2016-11-22 17:15:243)大事なのは、その子がどこにしんどさを抱えているかというのを見きわめることです。その時注目するのは「いま(またはその日)しんどかったこと」だけではありません。もちろん、9ちゃんはかりんとうが食べたいわけですから、その気持ちに寄り添うのは当然。「9はかりんとう好きじゃもんねぇ」→
2016-11-22 17:15:514)そりゃ帰って空っぽじゃったら悲しいよね」ってのは、こどもと共に暮らす大人として当然の姿勢。でもだからといってお茶の入ったコップを投げるのを許して上げなくてはならぬ道理はありませんってか許しちゃだめ。★ここからちょっと脱線します★この「気持ち」と「行為」を分けて考えるの大事!→
2016-11-22 17:16:365)「行為と感情を分けられるようになる」のは、全ての人に必要なスキル!こどもがお茶の入ったコップ投げて平気なの?それ良いことだから推奨するの?違うよね。でもとにかく頭ごなしに「なんでそんなことするの!どうしてあんたはそうなの!」とか怒鳴ってもね、そこにこどもが学ぶべき内容はない→
2016-11-22 17:17:096)「お茶の入ったコップを投げたい位やるせない気持ちになっている」という感情はしっかり受け止めて、けれど「コップを投げてガラスが割れてそこら中に飛び散って危険を招く」という行為は叱る。「投げないで!本当にイヤなのは分かったけど、それ投げると割れて危ない」と言わなくちゃ。→
2016-11-22 17:17:517)感情的な私はなかなかできないけど、そこで9ちゃんがコップ投げるの思いとどまったら、どんなに修羅場でも「投げないでくれてありがとう。我慢できてえらかった」という気持ちを言葉や行為で示さないといけないと思う。それは相手が1歳の子でも同じ。努力にはちゃんと敬意を払う必要がある。→
2016-11-22 17:18:228)そして、この「行為と感情を分けて考える」のは、日々の実践トレーニングあるのみ。毎日毎日、努めてそう考えようとしているうちに、なんとなく身についてくるものでもあるのです。そしてこれは対こども戦略だけにとどまらず、めんどくさい近所のおばちゃんや、イヤな感じの上司対策としても有功。
2016-11-22 17:19:309)話しを9ちゃんの心に戻しましょう。母さんは必死に気持ちをコントロールして「9ちゃん、かりんとう食べたいのは分かる。今から買い物行きたいの?そうか…困ったな…もう時間7時になりそうでしょ。おでん作ってる途中だしお風呂もまだだし、今から行ったんじゃ8時過ぎちゃうな」と言いました→
2016-11-22 17:20:0310)あは寓話だからこのお母さん立派だな。私と大違いだ。どこが違うかっていうと、私なら「分かった!かりんとう食べたいんじゃね!でも残念!もう時間遅いけん行かれません!まだご飯もお風呂も済んでないんよ。行かれんよ」と言ってしまうところだな。さて、私と9ちゃんの母さんのどこが違う?→
2016-11-22 17:20:3411)自分が9ちゃんになって、二人に言われたときの気持ちを考えてみると分かりますね。人には納得しやすい言い方というものがあるのです。「ダメだよ」とか「残念」とか、否定的な単語はこどもをごねさせる可燃物。取り扱い注意!「そうか…」というように受け止めたと分かる単語を使うのもコツ→
2016-11-22 17:21:1012)これもまた日々精進して身につけていきたいスキルです。まあ人生死ぬまで修行ですからね、すぐに出来なくて当然。焦らずいきましょう。 さあ、目を9ちゃん家の台所に戻しますよ。さきほどのお母さんの必死の返しに、実はこの場を展開する大きなヒントが隠れていました。それはなんでしょう?→
2016-11-22 17:21:3913)「もう時間7時になりそうでしょ。おでん作ってる途中だしお風呂もまだ…」このくだり。3歳2ヶ月の9ちゃん、さっきまで保育園で遊んでいました。もちろん園ではおやつも出ていますが、この時間にはすっかり腹ぺこです。その上家の中にはおでんの良い匂いがしています。空腹はゴネの起爆剤!→
2016-11-22 17:22:1214)保育園から帰り道、いつもごねる子に困ってるあなた!鞄の中に食べられるものを入れておくのです。おむすびを弁当箱にでもいい。パンでもいい。果物でもいい。とにかく腹ぺこあおむしには、まず何か与えるのです。空腹時、こどもは基本不機嫌です。イヤな感情から抜け出せないのは当たり前!→
2016-11-22 17:22:3415)毎日パン食べさせたりしてそんなの癖になりませんか?とよく聞かれるけど、ご飯食べるのって癖っていう?お腹が減ってるんだから、食べたいの当たり前です。お腹がくちたら機嫌がよくなるのも道理。ここは盲点ですよ。ぜひ覚えておいてください(^。^)→
2016-11-22 17:22:5716)ところが、世の強者たちはここで「イヤだ!かりんとう食べる!おでん食べん!」とごねるわけですよ。でもこれ陽動作戦ですから惑わされちゃだめだよ。相手は空腹を認め、尚且つおでんの存在も認めたわけです。こちらが優位に立ってるんですよ。だからおでん鍋の火を消しちゃだめです。→
2016-11-22 17:23:3917)例えば「火事になっちゃ怖いから、ちょっと母さんお鍋かきまわしてくるね」とか言って、おでんの具の中で彼の好きなこんにゃくとが見えるように動かすわけです。そして「あ!お風呂!9ちゃんごめん、ほんとに困ってるところ悪いけど、母さんのこと助けて。お風呂入れるから、お鍋見張ってて」→
2016-11-22 17:24:1318)などと言って、その場を離れます。お母さんがこれをした目的は①その場を離れてお互いにクールダウンする ②生活を回すための準備を進めておく ③火の付いた鍋を見張る(といっても実際はその場に立っておくだけ)という3歳のプライドをくすぐる役目を渡して気分転換を狙う。の3つです。→
2016-11-22 17:24:3719)これら目的達成のためには、ちょっとへりくだった様なお願いの仕方をしますが、これは「私はあなたを1人の人間として対等に扱います」という言下のメッセージにもなります。この「あなたと私は対等」というのが、ごねまくる・困りごとを多発する子と付き合う際の鍵になると私は思います。→
2016-11-22 17:25:0620)母さんのいない台所で、9ちゃんは椅子にのってジッと鍋のなかを見つめます。お腹が空いてるのを実感します。そこに戻ってきた母さんが休戦の提案をするんです。「とにかくかりんとうが食べたいのは分かった。ちょっと袋をゴミ箱からとっておいで。それ冷蔵庫に貼っとこう。」→
2016-11-22 17:25:2921)お母さんの提案という形の駆け引きはつづきます。「冷蔵庫貼ったらさ、袋見ながら、このおでん冷めないうちに5個食べよ」9ちゃん「いやだ!」母「じゃ、4個」9ちゃん「いやだ3個!」と、いわせたらしめたもの。実は母さんは3個食べさせたい。でも初めから3個と言っちゃ後がないから5個→
2016-11-22 17:26:0322)そして、一旦食べ始めたら、何気なく他のおかずもテーブルに並べて、何も言わずに取り分けたりします。完食したら、9ちゃんの機嫌は大分落ち着いてきていることと思いますが、ここで冷蔵庫に磁石で貼った空袋が効いてきます。9ちゃんまた思い出す。そこで「明日、ちょっと早くお迎え行くよ→
2016-11-22 17:26:36