鍼灸業界で医療を追求する前に知っておいて欲しいこと

邪悪インコ @pizbird

単刀直入に言えば、鍼灸業界が生き残るのに業界全体として医療をやるのは難しいね。現実の教育水準というか、鍼灸師の臨床能力はさておいて、肩こり腰痛とかはもちろん対応できるけれど、じゃあ、鍼灸と現代医学において治療法がどちらも選べる場合は？そりゃあ、安い方を選ぶよね。

邪悪インコ @pizbird

月経痛についての研究をしていた学生に、忌憚ない意見をうちの医師が述べていたけれど「それ、ロキソニンに対して何が優位なの？」うん…その通りなんだ。鍼灸は一回3000円としても、一回で疾患を治療できるなんてなかなか少ないし、ロキソニンの方がどこでも飲めるし安いから手軽だよね。

邪悪インコ @pizbird

医療としての鍼灸はもちろん、業界としてどこかではやるべき。そうでないと鍼灸が国家資格を持った医療従事者が医業類似行為をやる意味がないわけで。最新のテクノロジーの追究というか。でも研究には採算度外視をしなきゃいけないから（回収見込みのないR&Dだよね、現状として）、

邪悪インコ @pizbird

現状、どっかの大学の医学部と合同とか、おっきい病院とか、うちの大学がやるくらいしか業界全体としてはやりにくい（臨床研究って、大変なことなのよ。症例1つ2つで証明された医療とか噴飯もの）。

邪悪インコ @pizbird

うん、まあなんだ。うちのTLの若い鍼灸師の方々には申し訳ないんだけれど、医療の本質を追究できるのは、修士課程や博士課程で学んだ人の特権のようなものだと思ってる。業界としては、医療の本質的な部分で勝負することでご飯が食べられる鍼灸師がどの程度いることか。

邪悪インコ @pizbird

もちろん、柔道整復の保険で糊口をしのぎつつ…っていうのはナシよ。鍼灸と柔整はその治療法の特性上、一日に診られる患者には病院外来に比べて圧倒的に制約があるから、柔整の保険で糊口をしのいでるってことは、鍼灸はほとんどやってないってことになると思う。例外はあるかもしれないけれど。

邪悪インコ @pizbird

鍼灸の効果を証明しなければ、効果を感じない？本当にそうかな？患者さんは、むしろEBMを持つ現代医学ではなく、なぜ効いたのかよくわからないけれど、効いた！っていうところに魅力を感じてはいないかな？実は鍼灸はEBMを追求するのは医療としては正しいけれど、食べていく上では正しいのかな？

邪悪インコ @pizbird

もちろん、一つの仮説だから、EBMあった方が患者さん喜ぶかもしれないけれど。

邪悪インコ @pizbird

まあ、基礎研究は実はしない方がいいこともあるかもしれない…という見方もある、ということで。84式みかん箱は幅広い仮説と見方をご提案します（逃げ口上

邪悪インコ @pizbird

ええと、なんか1時間以上書き続けているので、そろそろ結語に。まあ、大学や大学院で医師や生粋の研究者の下で医療（と医学）を学んだ方々が、鍼灸が医療としてどうあるべきか、という考え方をするのは自然なこと。それで採算をどう取るか、とか、他の鍼灸臨床家の適当っぷりに憤慨するのも分かる。

邪悪インコ @pizbird

専門学校の方でも、医療従事者としての自負と共に、患者さんの病気を治すことに燃える人は少なくないだろうと予想。ただ、業界全体としては、医療を追求するのは難しいし（ここ注意ね。一部ができてもそれは例外としてか扱えない）、どうしても鍼灸医療技術を流用した方向でやるのが有利になる。

邪悪インコ @pizbird

今回は鍼灸業界の全体としての統一性とか、教育水準とか、そもそも遵法してるの？（消毒行為は法律で規定されています！！）そういった不都合なところは全部うやむやにしてお話したから、現状としてはかなり厳しい（というか、問題の半分はそこだから）ということが分かると思う。

邪悪インコ @pizbird

まあ、鍼灸業界について考えるときに、こういった現実が横たわっているということを踏まえた上で、考えて欲しいなあ、というお話でした。