東芝降板から考える「サザエさんとは何だったのか」

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ワカ @waka0421

東芝、サザエさん降板へ CM提供48年、合理化で | 2017/11/1 - 共同通信 47NEWS this.kiji.is/29813965807054…

2017-11-01 07:52:12
SOW@ @sow_LIBRA11

東芝がサザエさんのスポンサー撤退した最大の理由は、経済的事情も大きいが、白物家電・・・冷蔵庫や洗濯機、炊飯器などなどといった家庭用電化製品部門を中国企業に売却したため、宣伝効果がなくなったというのもあるようだなぁ。

2017-11-01 15:47:28
SOW@ @sow_LIBRA11

と、いう話を聞くと、「でもサザエさんの家の家電はずっと変わってねぇじゃねぇか」と思うかもしれない。実はちょっとずつ変化はしているものの、テレビは未だにブラウン管で一家に一台、エアコンどころかクーラーもない。一見すれば最新家電とは縁なきものに見えるだろう。 pic.twitter.com/QPEoscIrrl

2017-11-01 15:49:15
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SOW@ @sow_LIBRA11

だがその話を論ずる前に、まず「サザエさん」の時代とはどんな物だったか、振り返る必要がある。サザエさんの連載スタートは1946年、終戦の翌年。ゆえに初期にエピソードには、戦後の混乱期の描写が多い、満州からの引き揚げ、闇市、ヒロポンにGHQなどなど・・・ pic.twitter.com/7lGRuM6nzg

2017-11-01 15:56:48
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SOW@ @sow_LIBRA11

で、この時代における「サザエさん」は、今では「昭和のメモリアルボックス」「古き良き家族の姿」と捉えられているが、連載当時のキャラクターは、「戦後という新時代を生きる、破天荒な新しい女性」であった。 pic.twitter.com/1AiJWijlpu

2017-11-01 15:58:27
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SOW@ @sow_LIBRA11

あの髪型にしても当時流行のもので、あの独特のカールは「前髪を切って額を出す」のがまだ抵抗のある時代だったためのもの。劇中でもサザエさんは積極的に社会に飛び出し、当時の様々な職業を体験し、婦人雑誌を読み、流行の支那そば(ラーメン)を食べ、時に男相手にも棍棒を振りかざす。

2017-11-01 16:01:52
SOW@ @sow_LIBRA11

波平とフネの夫婦はそれと対象的な「昔の夫婦像」で、サザエさんはしょちゅう起こられるというのがパターンだった。そもそもマスオさんという夫像も、当時からすれば意外なキャラクター。「妻の実家に同居」というのも当時はかなり珍しいシチュエーションだっただろう。 pic.twitter.com/AvToql8g5e

2017-11-01 16:05:32
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SOW@ @sow_LIBRA11

つまり「サザエさん」という物語は、終戦後、様々な価値観がぐるっとひっくり返った時代を生きる、それまでいなかった「新しい女性」の物語であり、だからこそその姿が受け、笑いを生み、人気となった。まだ戦後の影響色濃い1948年には早くも映画化。十本以上続く人気シリーズとなる。 pic.twitter.com/wMWr4mf7cI

2017-11-01 16:07:28
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SOW@ @sow_LIBRA11

「サザエさん」の人気は凄まじく、その後ラジオドラマ化する。1955年のことである。放送局はニッポン放送・・・ここでポイントなのは、ニッポン放送の開局は1954年7月、ラジオドラマ「サザエさん」放送は55年1月、開局半年も経っていない時代なのだ。 pic.twitter.com/pNLlSScB8c

2017-11-01 16:10:49
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SOW@ @sow_LIBRA11

さらにサザエさんは、同年10月に後のラジオ東京テレビ(後にTBS)で、漫画に声を当てた「テレビ漫画」として放送される。同局が開局したのは同年1月。開局年にすでに番組としてラインナップされていたのだ。ちなみにこの時代、民放はまだ二局、テレビ放送は一日四時間程度の時代である。

2017-11-01 16:15:51
SOW@ @sow_LIBRA11

そしてさらに1969年に、アニメ「サザエさん」が始まる。この頃にはテレビは東京オリンピックの影響もあり爆発的に不朽したのだが・・・下の画像を見てもらいたい。第一話「75点の天才」である。なにか気づかないだろうか? pic.twitter.com/9KUjcB95n7

2017-11-01 16:20:12
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SOW@ @sow_LIBRA11

そう、カラーなのだ! 放送開始は1969年。カラー放送自体はそれ以前からもあったのだが、まだ番組はわずかだった。だがこの放送開始前年より、各種制度が改まり各局カラー放送を本格的にスタートさせ、各家電メーカーかカラーテレビを争って作り出す。そのさきがけの時代に始まったのだ。 pic.twitter.com/oYJsd8UD92

2017-11-01 16:23:00
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SOW@ @sow_LIBRA11

「サザエさん」は、最初はその新しさが映画やラジオなど、当時最新のメディアに取り上げられ、時期に「サザエさん」が見れるメディアこそが最新という認識に変わった。現在で言えば、アマゾンプライムビデオやNetflix限定番組の位置にあるのが、「サザエさん」だったのだ。 pic.twitter.com/XNMVBqDpfq

2017-11-01 16:27:52
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SOW@ @sow_LIBRA11

「サザエさん」の内容が問題なのではない。「サザエさん」を見ているあなたが最新の状態であり、その提供者こそが「最新のライフスタイルを提案」できている者である・・・これが「サザエさん」のスポンサーの意義だった。意義、だったのだ・・・ pic.twitter.com/1q19sf4kIP

2017-11-01 16:29:49
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SOW@ @sow_LIBRA11

だが、「サザエさん」は伝統化してしまった。やはりそれは、作者である長谷川町子氏の死去(92年没)が大きいだろう。作者の死後も、その良さを守ろうとした結果、サザエさんはあの世界から一歩も動かないことが求められるようになった。 pic.twitter.com/DPMLoeuT9P

2017-11-01 16:33:05
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SOW@ @sow_LIBRA11

そして今では「古き良き家族の姿」と持ち上げられ、逆に「女性を家庭に縛る悪しき象徴」という者さえいる。「サザエさん」は何よりもそこから離れていたものだったのに・・・今回のスポンサー降板はまるで、変わらない「サザエさん時空」と現代との、時空の歪みのようなもの、なのかもしれない・・・ pic.twitter.com/TpvhUbupFt

2017-11-01 16:38:32
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涼 影(すず かげ) @KAGE_dg

@sow_LIBRA11 大変丁寧な説明恐れ入ります。 1点だけ、KRテレビで放送された『サザエさん』は役者が芝居するドラマだったというのが事実らしいです。私も最近知ったのですが。 twitter.com/botacou/status… mandarake.co.jp/information/20…

2017-11-01 17:04:57
小原篤/アニマゲ丼 @botacou

洋泉社「タケダアワーの時代」読書中。TBSプロデューサーだった栫井巍さんインタビューによると1955年スタートの5分の帯番組「サザエさん」は、静止画に声を当てたものではなく「ナマのスタジオドラマでしたよ。2年もディレクターを毎日やった私が言うんだから間違いない」。ほうほう(続く

2017-09-13 12:30:03
SOW@ @sow_LIBRA11

@KAGE_dg なんと・・・こちらは自分のミスですね。「とっとテレビ」などでやっていた、スタジオでの舞台ドラマ的なものだったんですな。

2017-11-01 17:16:20