電撃文庫のカリスマ編集者・三木一馬氏が語るプロの作家とは。「“苦手な自分との上手いつきあい方”がわかっている、つまり自分の苦手とうまく付き合って結果に昇華させることが、プロなんじゃないかな、と思います」

「出がらしの状態でもネタを考えねばならないときがあります」。「分の苦手とうまく付き合って結果に昇華させることが、プロなんじゃないかな、と思います。」
42
三木一馬 @dengeki_miki

フリスクの『アイディアが生まれる場所』というCMで、「会議室 0%」というジョークがあります。当然誇張されてるので、突っ込むのは野暮なわけですが、会議というのは、どちらかというとたくさんのひとたちと折衷案を生み出すものですから本来の目的が異なります。

2011-05-01 20:34:04
三木一馬 @dengeki_miki

事前にとんがったアイディアを考えておいて、それを吟味するのが会議なので、そのトゲトゲなものを生み出す場所が、トイレの中だったりルームランナーの上だったり、ベッドだったりするということでしょう。

2011-05-01 20:34:10
三木一馬 @dengeki_miki

アイディアが出る源泉、「考える」という作業はもっともお金も労力もかからず、場所も選ばず、資格や免許も必要ない、誰しもができる超お手軽な能動的作業であると思います。創作関連の業種では、大切なこの要素ですが、唯一時間的コストだけが読めません。

2011-05-01 20:34:48
三木一馬 @dengeki_miki

なのでこの業界で次に重要になってくるのが「考えてアイディアを生むまでの過程」です。具体的には、「如何に時間的効率良くアイディアを閃けるようにするか」です。「自分なりに効率良いアイディアの生みだし方」、これは自分の武器となるので覚えておいて損はないです。

2011-05-01 20:35:01
三木一馬 @dengeki_miki

作家になると、もの凄い勢いで締め切りが一杯襲いかかってきます。次から次へとこなしていく上で、アイディアやネタをどんどん出力していくわけですが、同時にインプットをする時間も奪われています。出し切ってしまったあと、出がらしの状態でもネタを考えねばならないときがあります。

2011-05-01 20:35:33
三木一馬 @dengeki_miki

一ヶ月考え続けても生まれないときもあれば、一瞬で閃くこともある。それでもいいのですが、この偶発的な事象を自分なりのコントロール下にある程度おけるようになると、さらなる成長軌道に入ります。

2011-05-01 20:35:51
三木一馬 @dengeki_miki

具体的な方策は、すみません、これだけは個人個人のやり方を見つけるしかないです。 しかし一つ誰しもに言えることは、とにかく、「書いて書いて書きまくる」ことです。

2011-05-01 20:36:00
三木一馬 @dengeki_miki

絵師さんの例でいきますと、上手くなくても(絵自体も、ペイントソフトの知識も)、描いて描いて描きまくっていると、描かないで理屈だけのひとにくらべて、自然と自分の苦手箇所の「いなし方」や「ごまかし方」、「最優先にすべき作業」などが無意識的に分かってきて、結果必ず成長しています。

2011-05-01 20:37:08
三木一馬 @dengeki_miki

ペナント中、プロ野球選手は毎日試合があって、自分の調子が悪くても試合に出ねばなりません。そしてそれ相応の結果を要求されます。調子が悪くても、結果を出さなければならない。そんなとき、慌てずに今できる最大限のパフォーマンスを行う、そのコツを持っているひとと持っていないひとの違いです。

2011-05-01 20:37:18
三木一馬 @dengeki_miki

人間は完璧超人ではないので、成長しても結局苦手なものは苦手だと思います。 しかしその「苦手な自分との上手いつきあい方」がわかっている、つまり自分の苦手とうまく付き合って結果に昇華させることが、プロなんじゃないかな、と思います。

2011-05-01 20:37:23
三木一馬 @dengeki_miki

なにが言いたいかというと、これは自分にも同じことが言えるということで、ようは僕が成長するためには、一生懸命「編集して編集して編集しまくる」しかないのだろうなということでした。頑張ります(笑)!

2011-05-01 20:37:31