『漫画としてのモンキー・パンチ「ルパン三世」は、ついにメジャーになり得なかった』〜(漫棚通信氏)

マンガは連載されたら「単行本」が出るのが当たり前に思っていた世代なんですが、そうでない時代や出版社もあったのですね。双葉社が単行本まで充実されるのが当時は難しかったことは、立ち上げの物語を描いた吉本浩二さんの「ルーザーズ」を見てもわかります。
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漫棚通信:「遠くから遠くまでを遠くから想う」公開中 @mandanatsusin

モンキー・パンチの絵柄でいちばん好きだったのは、マンガの第二期ルパン=いったん終了してたルパンがTVアニメ化をきっかけに再開されたころ。男も女もかっこよかった。

2019-04-17 07:22:32
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モンキー・パンチ逝去に当たり、マンガ「ルパン三世」の冷遇について少々。「ルパン三世」は、漫画アクション創刊号(1967年)から連載され、それまで見たこともないような作風で人気を得ます。モンキー・パンチはアクションの表紙も描いてました。ところが、単行本という点では冷遇されていたのです。

2019-04-18 20:56:27
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双葉社はアクションを創刊した1967年から「ACTION COMICS」というB6単行本を刊行し始め、「子連れ狼」や「高校生無頼控」を大ヒットさせるのですが、「ルパン三世」がB6単行本で刊行されることはありませんでした。

2019-04-18 20:56:27
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「ルパン三世」がまとめて読めるようになったのは、連載開始の翌1968年、「漫画アクションコミックス」という形で2冊発売されたときです。しかしこれはB5版平綴じ。単行本というより、いわゆる雑誌総集編だったのです。

2019-04-18 20:56:28
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書籍としてはどうか。双葉社が1969年から1970年にかけて刊行したハードカバー全12巻の「現代コミック」という選集があります。その第7巻「棚下照生/モンキー・パンチ集」にルパン三世が7作収録されてます。そのころきちんとした書籍でルパンで読めるものといえば、これくらいだったのです。

2019-04-18 20:56:28
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「ルパン三世」の最初の雑誌連載は、1967年から1969年まで。その後、1971年10月から半年間のTVアニメ放映に合わせる形で、その時期に一致して8ヵ月だけ漫画アクションにも連載が再開されました。でもこの時期も単行本化は、なし。

2019-04-18 20:56:28
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1974年に目黒祐樹主演(田中邦衛が次元で、伊藤四郎が銭形だよ)の映画「ルパン三世 念力珍作戦」の公開に先立って、「漫画アクション増刊ルパン三世総集編」の形で1973年に3冊の総集編が刊行されています。これを持ってるひとは相当なマニアでしょう。

2019-04-18 20:56:28
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そしてやっと1974年9月、双葉社が新書版コミックスとして刊行開始した「パワァ コミックス」で、「ルパン三世」が刊行されることになりました。ついに、という感じでしたね。なんと連載開始から7年もたってから。初期から単行本が刊行されていた「子連れ狼」と比べて、この差はなに。

2019-04-18 20:56:28
漫棚通信:「遠くから遠くまでを遠くから想う」公開中 @mandanatsusin

当時の状況。1974年は「少年サンデーコミックス」が開始された年でもあります。自社のマンガ単行本を持っていなかった小学館がついに自社雑誌連載作品を単行本化したのです。でも双葉社はそうじゃなかった。初期の双葉社パワァコミックスは、「ルパン三世」以外にこんなラインナップでした。

2019-04-18 20:56:29
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・横山光輝/辻真先「戦国獅子伝」 ・かざま鋭二/佐々木守「野球魂」 ・手塚治虫「アラバスター」…は広告だけで、実際に発売されたのは「鬼丸大将」 ・石森章太郎「フラッシュZ」 ・赤塚不二夫「チビ太」 ・あだち充/佐々木守「リトルボーイ」 ・バロン吉元「黒い鷲」

2019-04-18 20:56:29
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この後、双葉社は1975年に少年マンガ雑誌「少年アクション」を創刊。モンキー・パンチも「ルパン小僧」を連載。残念ながら雑誌の刊行はその後1年間しか続きませんでした。

2019-04-18 20:56:29
漫棚通信:「遠くから遠くまでを遠くから想う」公開中 @mandanatsusin

TVアニメのほうのルパン三世は、再放送が繰り返されることで人気が出て、1977年10月から第2期(いわゆる赤ルパン)の放映が始まります。マンガとしては1977年6月から「新ルパン三世」として連載が再開されます。

2019-04-18 20:56:29
漫棚通信:「遠くから遠くまでを遠くから想う」公開中 @mandanatsusin

ただし「マンガ」としてのルパン三世は、現代においてもその全貌をつかむことはなかなか困難な状況が続いています。ルパン三世は、マンガとして、ついにメジャーにはなり得なかったのです。(この項終わり)

2019-04-18 20:56:30
ぶたお@もてラジ @kentlow

そんな単行本で冷遇されてたとは知らんかった…。赤兵衛みたいなもんか…。 twitter.com/mandanatsusin/…

2019-04-18 22:48:58
さけこ @sakeko

思えば我が人生に於いて 「何もしていない(押入れの中で本読んでて出てこない)ならマンガと云うモノもあるから読んでごらん」と駅前の本屋で買い与えられた初めてのマンガが「ルパン三世」だった 小学生低学年に買い与えるマンガではないと思うが心配させたんだろうな すまんかた そしてありがとう twitter.com/mandanatsusin/…

2019-04-18 22:50:13
裕美 HIROMI @HIROMIcocteau

流れは何となく知っていましたが…… 『ルパン三世』って、アニメでは超有名なのに、何故か原作マンガを読んだことが無い人ばかりというマンガだと思っています💨 こういう扱いも原因なのだろうな。 絶対に『ルパン三世』はアニメよりマンガの方が面白いのにな(´・ω・`) twitter.com/mandanatsusin/…

2019-04-19 03:09:19
(……) @pc_unko

「ルパン三世 PART5」そこまで一生懸命見てたワケじゃないんだけど、原作で一番衝撃的だった「みんなが知ってるルパンの猿顔は、実は彼の素顔じゃない」ネタを、凄く素敵な形で最終回に拾ってくれたのは嬉しかった。絶対アニメじゃやらない(やれない)ネタと思ってたよ。 pic.twitter.com/OENsL29uL2

2019-04-18 09:39:40
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からま からま @karamac154

モンキーパンチが… まだルーザーズが連載中なのに… 吉本浩二「ルーザーズ ~日本初の週刊青年漫画誌の誕生~」| 双葉社 futabasha.co.jp/introduction/2… pic.twitter.com/q7eaFnCbbr

2019-04-17 12:27:19
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uminosaru @_uminosaru

吉本浩二さんの描くモンキーパンチさんがとても好きだ。(ルーザーズ日本初の週刊青年漫画誌の誕生) 日本漫画界の重鎮が次々とお亡くなりになるが、若い世代の漫画家もどんどん出てきている。訃報は悲しいけど日本の漫画界はまだまだ明るい。 pic.twitter.com/W0pwAkaHdF

2019-04-18 15:20:45
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大鷹琥珀 @outakakohaku

故モンキー・パンチ氏がデジタル技術を取り入れ、液タブを使っていた、なんて聞いたらドラえもんすら得体の知れない化け物にしちゃうアタイなんぞ、弘法筆を選らばずかって思うけど。 いつの世も古きを重んじるふりして、足を引っ張りたがるゲスはいるんだなぁ。 そこで安部公房さんのお言葉です。 pic.twitter.com/XCuhwKRDZR

2019-04-17 15:35:14
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OOEDO @OOEDO4

ここに一時保存していた「おまけ」はtogetter.com/li/1339708という形に独立させました。/漫棚通信 @mandanatsusin さんのアカウント.. togetter.com/li/1339385#c62… 「『漫画としてのモンキー・パンチ「ルパン三世」は、ついにメジャーになり得なかっ..」togetter.com/li/1339385 にコメントしました。

2019-04-20 09:02:06
まとめ フランス大使館もモンキー・パンチ先生を追悼〜同国で『ルパン三世』は、著作権の関係で『エドガー』という名称? まずは”おじいちゃん”の国から、そんな粋な計らいがあったことも記憶にとどめておきたい。そしてちょっとしたトリビアですね。ルパンなら、そんな「変名」があったほうがらしいかもしれないし、「エドガー」といえば推理小説の祖E・アラン・ポー…。そういえば古典作家から偽名をとった名探偵少年がいて、その子とルパン三世は絡んでるよな…なんて連想にもつながります 16265 pv 47 5 users 140