旧軍が近距離戦志向にならざるを得なかった理由、ある軍の敵方への評価

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錆猫 @Nyar_Horten

近距離での交戦は”比較的”相手と其の状況を確認し易く、又近距離故に攻撃が到達する時間が短い為、攻撃が対象に損害を与える可能性は遠距離での交戦と比較すると高くなります

2011-05-29 03:29:17
錆猫 @Nyar_Horten

攻撃による被害は地形や気象条件、或は重厚な防御を有する機材の利用によって軽減する事は可能ですが、其れを利用するには充分な教育と訓練、そして現場に於ける準備期間が必要になるでしょう(そして其の時間を作り出す為に又高い練度が要求される、と)

2011-05-29 03:33:34
錆猫 @Nyar_Horten

又、近距離での交戦は開始を決意する時点から重度の精神的圧迫が参加者に降り掛かるものと思われます。遠距離での交戦と違い、恐怖が目に見えて分るからです

2011-05-29 03:38:05
錆猫 @Nyar_Horten

以上から、近距離での交戦を指向する場合、遠距離での交戦と比較して短い時間と少ない資源消費で決着がつく可能性がある反面、其れへの参加者には高い練度と精神的重圧に耐えうる精神的な支え乃至任務遂行への脅迫観念が要求される事になるでしょう

2011-05-29 03:44:57
錆猫 @Nyar_Horten

旧陸軍は精神主義で非合理的と評される事がありますが、以上を前提にした上で旧陸軍が明確な意図の元に近距離での交戦を指向したのであれば、其れは寧ろ適切で合理的な判断の結果なのではないかと個人的には思います

2011-05-29 03:51:13
錆猫 @Nyar_Horten

では旧陸軍が、少なくとも陸戦機材に於いては遠距離戦でなく、後に精神主義的と揶揄されるほどに近距離での交戦を指向するに至ったのは何故でしょう

2011-05-29 03:52:53
錆猫 @Nyar_Horten

「1917年4月に於ける各国の”日産”砲弾製造量は、ロシア11万発、オーストリア16万発、イギリス29万発、フランス31万発、ドイツ44万発であったが、当時の日本では”月産”10万発が可能であろうと推定されているに過ぎなかった。」

2011-05-29 03:57:22
錆猫 @Nyar_Horten

・・・言葉がおかしいかも

2011-05-29 04:03:13
錆猫 @Nyar_Horten

「より正確にいえば、日本にとって、欧米諸国との生産力格差が改めて明らかになったという事である(「軍備拡張の近代史」52頁より抜粋。前文は戦史叢書「陸軍軍需動員(1)」24頁参照との事)」

2011-05-29 04:06:38
錆猫 @Nyar_Horten

要するに、仮想敵に対し物量に依る正面からの戦いを仕掛けても勝てる国力が無い、という実情が近距離戦を指向せざるを得ないとの判断に繋がったと思われます(日露戦争を境に旧陸軍は火力主義から白兵主義に転換したと言われますが、第一次大戦の戦訓は其れを一層強固にしたという事なのかと)

2011-05-29 04:13:21
錆猫 @Nyar_Horten

(とはいえ旧陸軍が遠距離戦を全く諦めた訳ではないのは、地上部隊襲撃を明確に打ち出した昭和13年航空本部研究方針辺りから何となく憶測しなくもなく。少ない資源を高価値目標に確実に発見誘導(偵察機)、迅速に叩き込む手段(爆撃機)としての航空兵力=高精度長距離砲の代用、てな感じで)

2011-05-29 04:20:15
錆猫 @Nyar_Horten

以上、憶測に憶測を重ねた悪手的戯言でした。ついでに悪手を追加するなら、ネックになったのはひょっとして兵器生産や輸送力云々以前に火薬の製造能力なんじゃね?と個人的雑感(あとは仮想敵国の限定を失敗した辺り?)

2011-05-29 04:24:06
錆猫 @Nyar_Horten

敵軍の優れる点1.物資と装備の充実、諸兵科連合能力。2.教育良好、部隊の機動性と指揮官の指揮能力優越。3.軍隊組織、特に通信と救護の完備。4.諜報能力の優越。5.後方能力の充実と迅速なる戦場清掃。7.野戦築城迅速。8.兵の質の均質化。9.攻撃失敗後の立直しが迅速である

2011-05-29 14:04:11
錆猫 @Nyar_Horten

敵軍の劣る点1.攻撃精神不良、将兵は死を恐れる。2.勇気並びに自己犠牲の精神欠如、我軍の猛攻で多少の損害で退却する。3.実戦経験の不足。4.夜襲と側面攻撃を恐れる。5.市街戦に不慣れである

2011-05-29 14:09:11
錆猫 @Nyar_Horten

以上、何気に押入れから発掘された中華民国軍「作戦所得之経験興教訓」の第四章「敵我優劣之比較(163~164頁)」をぐーぐる先生で翻訳したもの。当然ここで言われる敵軍とは日本軍の事です。立脚する点が変れば評価も変るといういい例ですね(米軍と日本軍の比較と思った人は座布団一枚没収)

2011-05-29 14:19:25