細馬宏通@kaerusanさんのフェスFUKUSHIMA!@四季の里のレポート(音楽解放区に参加)
七尾旅人の『圏内の歌」。子供だけでも、どこか遠くへ。「どこか遠くへ」ということばを、自身の願いではなく、だれかを逃がそうとして歌った歌を、これ以外に知らない。遠くへ行きたい、ではなく、遠くへ逃がしたい。わたしもまた、逃れてきた者の末裔のはず。
2011-08-16 21:42:20ユザーンがハラカミさんの曲を始める前に、少しはにかみながら「いってきまあす」。その声色は、ハラカミさんそのままだった。いってきます、ということばの先に、ただいま、を言う場所のことを想像している。ただいまと言っている月夜。
2011-08-16 21:47:23私も読んでますー!“@usuyama: おっと@kaerusanのFUKUSHIMAツイートがはじまっている〜”
2011-08-16 21:55:14A3の紙を「ミニコミです」と渡す。ティッシュ配りのように、隙を見て突きつける。持てあまされる紙。紙を配るのはおもしろいな。受け取る人がわずかに差し出す手の躊躇。テニスコーツのさやさんは紙をぱたぱたと折って、「こうすれば読めるね」。『ときのうた』のジャケみたい。
2011-08-16 22:02:46午後、ざばざばと降った雨のあと、照りつける陽射し。しばらく経つと、驚いたことに芝生に広げられた大風呂敷は乾き始めていた。これが全部ソーラー発電で、その発電で乾燥機を動かすことができたら。でももう、風呂敷は乾いている。パッチワークがあてられたところだけ濡れている。
2011-08-16 22:09:15ニカさんが、トランペットの声を出すときの、うぎゃって顔。昨日はうぎゃって顔が泣き顔に近づいて、歌わなきゃ泣くのかと思うほどだった。泣く、に割り当てられているはずの情けが歌になり、ギターが跳ね回る。エンケンが、今年は紅白に出る、って言ってた。ほんとかな。これが紅白じゃないのかな。
2011-08-16 22:37:163日間、RSR、福島薮内ビル、四季の里と、無我夢中で、演ったけども、精神状態もよくなくて、まだ自分なりの感想を持てずにいる。でも@kaerusanさんのツイートを目にして、フェスティバルFUKUSHIMAを静かに追体験できた気がした。
2011-08-16 23:57:38和合亮一、大友良英、坂本龍一のセット。大友さん、坂本さんの置いていく、これ以上割ることができない塊のような音。これ以上割ることができないところまで壊れた後の、これ以上割ることができないものがぶつかるような音。
2011-08-17 02:11:37坂本さんがピアノに投げ入れているのはコインだろうか。コインが当たる音だと思うのだが、響いているのはグランドピアノ。小さなものと巨大なものとが、一つの音で一度に明らかになる。
2011-08-17 02:17:23@paper_hunter いやあ、あの会場でお互いを見つけるのは至難の業だったかも。紙・・・二度めの雨でぐじゃぐじゃに。すんません。
2011-08-17 02:48:39オーケストラFUKUSHIMA!の演奏終了後、大友さんがミュージシャンの紹介をしていき、坂本龍一、と言ったとたんに客も演奏者も、え、どこどこ、とのびるように立ち上がる。大友さんが「ちょっと君たち、態度ちがいすぎ!」と笑いながら突っ込む。ライブには、客の反応への反応がある。
2011-08-17 09:35:56木村真三さんの壇上での講演を見ていて、これは大変な場所に立たれたなと、背筋が固まる思いだった。学会発表でも、千人もの一般聴衆が自分の発表に聞き入るという事態はなかなか体験できない。しかも、その中の数百人はずっと立ち尽くしており、雨がぱらつきだしても去ろうとはしない。
2011-08-17 09:52:35住んでよいか。食べてよいか。千人を前にイエスノーを高らかに言うことはできない。そこで必要とされているのは、ただの結論ではなく、考えるための材料は何か、それはいまどれだけあるか、ということ。木村さんは、そういうことをずっと応答してこられたのだなと、断言への躊躇を見て思った。
2011-08-17 10:04:18会場の放射線量に話が及んだとき、正確なことばは忘れたけれど、木村さんはあえて、ここにいてよい、という結論を強く言われたと記憶している。それは科学的結論というより、相手がそこにいることを承認する態度だと受け取った。
2011-08-17 10:08:29昨日から続いている、かえるさん(@kaerusan)のフェスティバルFUKUSHIMA!についてのツイートを繰り返し読んでいる。エンケン豪雨ライブに息を呑んだ時にも感じた、音が激しく鳴るほどに張り詰めていくようなあの場の峻厳とした空気を感じる。
2011-08-17 10:28:36プロジェクトFUKUSHIMA!で広げられた大風呂敷の中に、うちで長いこと使っていた無地のシーツがあって、その狭い一角から妙にアットホームな空気が漂っていておかしかった。送った人がそれぞれのシーツの上に立ったらどうなるか、なんて図を想像した。
2011-08-17 11:07:43