チャオズラウンジさんが現代アートについて語っていたのをひっそりまとめてみる

現代アート、カオスラウンジとかその辺を語っておられたのをまとめて読みたくなったのでこっそりまとめてみました 「チャオズラウンジさん」へのインタビューはこちらにあります> http://theinterviews.jp/chaoz_lounge #theinterviews
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チャオズラウンジ @chaoz_lounge

これも以前現代アートの先生が言ってたことですが、当然ながら芸術作品は別に鑑賞者に語りかけてはきません。鑑賞される為に飾られた作品に対峙した際、鑑賞者は鑑賞者自身の主観、人生経験に基づいた知識と感性で以てのみそれを味わえるということです。まぁ当たり前ですよね。

2011-08-30 00:22:03
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

そこで問題になってくるのが「一見してなんかよく(モチーフや意図が)がわからん」作品群です。近現代の作品に見られやすい、所謂「やっぱ芸術って理解できん」と思われる類いのものです。これらの作品の在り方を理解するの為には、歴史的文脈とかの下地、知識が必要になるわけです。

2011-08-30 00:25:03
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

ここでの「作品の在り方」とは、その「美術的文脈上での位置づけ」を指します。ある作品に対し、これは○○世紀の△△の××派の流れを汲んでいる、つまりある歴史を背景に特定の表現に至った、という下知識によって、そこに込められた意図をより正確に解釈(推測)できる、ということです。

2011-08-30 00:27:49
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

ただここで忘れてはいけないのが、「鑑賞者の主観的感想は歴史的文脈によって否定されるものではない」ということです。知識などない鑑賞者が「何かわかんないけどこれは好き」「これは嫌い」という感想を持ったとして、その感性に対して文句をつけられる謂れはないということです。

2011-08-30 00:32:55
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

ここで齟齬が生じ易いのが、ある作品を「善し悪しで見ているか」「好悪で見ているか」の差です。知識があるとより多角的に鑑賞を楽しめますが、理論的解釈から「この作品は誰々によっていつに作られ、当時の生活がこうでここがこうだから間違いなく素晴らしい」という結論に至りやすいのです。

2011-08-30 00:37:17
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

つまり知識がある(あるいはそう思っている)人ほど、「自分はこの作品を正確に評価している」という自負から、単純な「好き」「嫌い」での判断を「わかってないな」と軽んずる傾向になりやすいのですね。アカデミズムの弊害とも言えるかもしれません。

2011-08-30 00:40:38
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

ところで、ヒトの知覚について。ご存知の通り、私達人間は日常生活の中で行うあらゆる動作に関して視覚に頼っております。というか、身体機能として視覚があまりにも便利だった為ヒトはこれに合わせて更に便利な生活文化を築き上げてきた訳で、その中で美術=視覚芸術が栄えたのも当然と言えます。

2011-08-30 00:45:34
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

ここで重要なのが、「理解は快楽である」ということです。私達が何か新しいものに出会ったとき、大体の場合まずはよく観察しますね。そしてその裏側まで見た時、私達は「それを理解した」と認識し、それは知識・経験として蓄えられると共にちょっとした満足感、快楽として処理される訳です。

2011-08-30 00:54:43
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

つまり、視覚芸術とは目を楽しませて快楽を得る一種の快楽スイッチなんですね。所持していること自体がまた「目に見える」わかりやすいステータスでもありました。視覚を利用するという点で絵画は最もお手軽ですし、パノラマや騙し絵、トリックアートなんかはまさに視覚で遊ぶものですよね。

2011-08-30 00:59:49
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

そして時代が進むにつれ、最初に述べたような「一見してわからない」美術が登場してくる訳です。美術批評の発展、文化振興…美術が一般市民にも近しいものになると、特権階級はそれを嫌い、より権威のある芸術を求めるようになります。哲学や批評、生理学などによって権威付けされたハイアートです。

2011-08-30 01:07:03
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

これがどんどん続いて、ハイアートも大衆への部分的流出を繰り返し、写真技術も印刷技術も発展していくと、ますます作家達は悩まされることになります。「写実じゃなくてもいいじゃん」という思考錯誤が時空間を超えた構図や、対象の形状・色彩の抽象化、数学的な平面構成を生みました。

2011-08-30 01:11:27
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

「よく言う抽象化って結局何なの?」という方も多いと思いますが、あるモチーフに対して、本質に近付きたいが為の単純化(要素の削ぎ落としや一本化)だと思っていただければいいかと思います。形を極端に単純にしてしまうとか、いっそ形状は無視して色彩だけにしてしまうとか、そういうことです。

2011-08-30 01:14:17
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

ここまで来るともう鑑賞者が見る作品に写実的なモチーフは残らず、結果として最初に述べたような「(文脈を知らないと何故そうなったのか)よくわからん、だが目の前に作品に対しての感想は持てる」という状況になる訳です。

2011-08-30 01:18:18
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

美術に対する考え方は人それぞれですが、少なくとも言えるのは「別に美術は高尚なものではない」ということです。美術は神秘などでなく、視覚の模倣から始まって歴史と共に発展してきたひとつの文化であり、現代美術はその枝葉の末端なわけです。これが枯れる葉なのか太く残る枝かはまだわかりません。

2011-08-30 01:24:50
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

作品自体は言うなればただの物体ですから、それは普通に商品として扱えますし、あるいは神像のように扱ってもいいわけです。どのような意図を持ちどのように制作しどのようなラインに乗せるか、どのような値段を付けるかは制作者や制作者サイドの考えることです。

2011-08-30 01:31:49
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

同様に受け手サイド、鑑賞者や買い手も作品に対してどのような(場合によっては作者の意図に反した)感想を持とうが自由ですし、そもそも見なくたっていい訳です。しばしば芸術を神聖視するあまり「美術鑑賞をしない人」が批判されますが、本人に取って見る価値がないものを見るのは時間の無駄です。

2011-08-30 01:36:23
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

長々と言いましたが、最初に戻って「ヒトの知覚と美術鑑賞について」まとめるなら、「ヒトが美術を楽しめるのは知覚機能に沿ってるから。美術鑑賞は知識があるとより深く楽しめるけど、見るのが好きなら無くてOK」です。現代アート界隈の人は妙な横文字使って難しく考えすぎなんじゃないですかね。

2011-08-30 01:47:09
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

脱字があったので最後のツイートだけ直しました。はずかち!

2011-08-30 01:47:37
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

要するに、アートなんてものは法律の下、公共の福祉の範囲内ならとっても自由だぜ! ってことです。カオスラウンジの偽札問題ホントに不思議なんですが、あんだけ人数いて現代アーティストだって言ってんのに1人もマネーアートに手を出したことなかったんですかね。

2011-08-30 01:51:49
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

昔現代アートについてまとめたメモが古いクロッキー帳にあるはずなんだが、どこにあるどのクロッキー帳なのかわからない。やはり人間は忘れる生き物ですね。

2011-08-30 02:01:13
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

あーあった! 現代美術の現状についてのメモです。

2011-08-30 02:06:49
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

一番見つけたかった図解はなかったのですが、現代美術が大衆化(わかりやすさ主義)と更なる純粋化(わかりにくい)に二極化しているというメモです。

2011-08-30 02:10:36
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

大衆化している方は、所謂おしゃれなサブカル。通俗化や愚劣化と隣り合わせにある、要するにズバリそのまま大衆芸術ですよね。現代美術のポップアート。

2011-08-30 02:12:07
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

対して、更なる純粋化(つまり更なる抽象化)の中にある方は、インテリ、知識教養人向けの芸術。一種のエリート美術、大衆芸術に対してのハイアート。やはり現代でもこの対立構造からは逃れ得ないのですね。

2011-08-30 02:14:38
チャオズラウンジ @chaoz_lounge

このメモを確認した上で考えてもやっぱり妙なのは、カオスラウンジのやってることを見ると思いっきりサブカル崩れの大衆芸術なのにハイアートですみたいな顔してるんですよね。個人的には大衆芸術とハイアートの垣根を崩すには少々力不足な感が否めません。素材が大衆向けなのに大衆にウケてないし。

2011-08-30 02:18:02