「未来のエネルギー」パネルディスカッション内容抜粋
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ザッテル氏「原子力は20世紀の夢のエネルギーとして発明されたが、果たして今の時代に合っているのだろうか。21世紀の未来のエネルギーに成り得るのだろうか?それを検証するため、こういった映画を作りました」(『アンダー・コントロール』監督)
2011-10-08 18:56:16チルナー氏「私は東ドイツ出身。あまり知られていませんが、90年代まで東ドイツはウランの採掘が(世界?)第三位。32000個の原発が作れる量が採れた。そのウランは主にソ連に運ばれていました。その点に注目していました。」(『イエロー・ケーキ - クリーンなエネルギーという嘘』監督)
2011-10-08 19:01:24フェヒナー氏「20年前から持続可能性などをテーマにした映像を作ってきました。こういったエネルギー問題は、問題提起の作品は多くあるが、解決策があまり知られていない。そのため、環境活動家ヘルマン氏のリアルなビジョンをもとに、映画を作成した」(『第4の革命』監督)
2011-10-08 19:09:4370年代に緑の党が脱原発に向けて動き出した、これはすばらしいこと。一般的に「石油はあと30年」と言われてる。ライン川付近に原発をつくる動きがあったが、ワイン製造者たちが反対。環境破壊に対するセンシビリティ≠原発に対するセンシビリティ。
反原発運動は環境問題(酸性雨など)とは切り離されて考えられてない。ここが日本とは違う点。欧州では環境保護団体が政治的にある程度の発言権をもっている。ex)グリーンピース
①原発に対する、長い歴史。2004年に政権交代があったときも、原発稼働期間を延長しただけであって、日本のように次々と原発を建て続けてはいない。
②環境保護団体の政治的発言権の高まり。③内政的理由。野党に脱原発を指示する緑の党・社会民主党が多数存在。
再生可能エネルギーのこのような技術進歩は誰も予想できなかったもの。そして人々が電力会社を選ぶなどしてしっかり行動に移して意思表示してきたことも大きい。
メルケル政権だからこそできたのではなく、機が熟しており、たまたま今の諸相がメルケルさんだったというだけ。長期間、脱原発に向けて動いてきた歴史がある。
ザッテル氏「30年間原子力について議論し、殆どの人は問題を認識していた。チェルノブイリの苦い経験もした。それにも関わらずなかなか物事が進まなかったが、最終的な転機となったのが福島での事故だった。そこで初めて、社会を変えるコンセンサスが形成された。」(アンダー・コントロール監督)
2011-10-08 19:28:43「絶対人と同じ意見を言わない」、フランス人の誇り。でもエリート構造は日本と同じ。考えていることを言うには勇気が必要。収入・立場が安定していなければ普通の人はそのような勇気はもてない。不安に駆られることなく誰もが自分の意見を言えるような制度・発言の場所が必要。
チルナー氏「ゲーテの魔法使いの弟子という作品で、弟子が習いたての呪文を成功させるが、それを止める呪文を知らなかった。危機一髪のところで魔法使いが帰ってきて魔法を止めたが、私たちには魔法使いはいない。原発はそういうエネルギーだ」(『イエロー・ケーキ』監督)
2011-10-08 19:52:03専門的な知識がなくても議論はできる。ex)車が運転できれば、事故の危険性があることは分かる。リスク理論。リスクがあるならそれは回避すべきじゃないか、それが分かっていてやるのは取り越し苦労だ、という簡単なもの。日本に批判的な議論に対して、道を外すんじゃないかという不安がある。
チルナー氏「これ以上、原子力エネルギーと共存していくことは考えられない。(拍手)みなさんには専門家を信用しないで、疑いの目を向けてもらいたい。みんな違うことを言って、結局混乱してしまう。それより、みなさんの本能的な、人間としての理性を信用してください!」『イエロー・ケーキ』監督
2011-10-08 19:41:40「専門家には疑いの目を向けろ」。専門家はみなさんを混乱させるだけ。話を聞いても、ガンマ線って何?という疑問しか残らない。自分自身の理性をもっと信用して。日本のすばらしいエンジニアなら、脱原発できるはず。福島の事故があって、これ以上何を待つ?デモに参加して意思表示してほしい。
チルナー氏「日本のエンジニアのみなさんは素晴らしいテクノロジーを持っているので、短期で新しいエネルギへのーシフトは可能だと思います。原発事故を受けて、これ以上何を待てというのでしょうか。」(『イエロー・ケーキ』監督)
2011-10-08 20:43:09「フランスから電力を輸入できるから脱原発に踏み切れるんでしょ?」→そんなことはない。原発を推進してきた60年代、その危険性を知っている人はいた。エネルギーコンセプトが問題だったのではなく、利益をあげることだけが重要だったのだ。
エリートだけ集めて大した議論もしないで法律を決めていく。これはよくない、ほんとの民主主義ではない。1910・20年代、水俣病の反対運動など日本でも大きな国民運動があった。重要なのは1870年代のビスマルクのドイツ統一よりも1748年の三月革命。これを言うとたいていのドイツ人は怒るが。
日本にあった原発に対する「安全神話」。このままいくと全原発は停止される。今後は、再稼働を本当に許可するのかという段階。やめるのならば1・2兆円が新たにかかる。再生可能エネにするなら電気料金が上がる。国民がどのような選択をするのか、政府にはたらきかけていくのか。
この問題の真の主役は、こどもたちなのではないか。ドイツは脱原発に対する子どもへの教育にしっかり取り組んでいる。日本では憲法や日本の自治で大学での教育は保証されているが、それ以外の場所ではどうか。原発に対して無関心な親をもった子どもは、学校教育の場でしかその情報を得る機会はない。
ドイツでは、学校で脱原発教育を行う権限を個々人の先生たちがもっている。でも、小さい頃からデモに連れられて「飽きちゃったよ」っていう子どももいる。
正直、福島の野菜は食べない方がいい。大空襲の時の疎開先として使用していた場所がたくさんある。そこに被災地の子供たちは行けばいい。週末は家族と会えるようにすればいい。その費用は全部東電がもてばなんてことない。もちろん彼らが食べるのは東北産ではなくその土地の野菜。
脱原発推進者が全員専門家を信頼していない、というのではない。むしろ技術・科学の力を信じている人たちばかり。
「生活水準を落とさない」がドイツでは大事。古館さんは「我々の生活を変えなければいけない!」と言っているが。昔の厳しい時代を経験してきた日本だからそういうことが言えるかもしれないが、それは非現実的。生活水準を保って経済活動を活発化させること。