南三陸の震災補償をめぐるエピソード by drumonkey1981
うちに働きに来ている、家を流された従兄弟から聞いた話。今は半日労働で半額になったが、南三陸町漁協では、国からの補助で、つい最近まで朝8時に漁協で出欠を確認されれば、漁協で仕事をしても、そこら辺を散歩していても、何もしなくても、1日12000円貰えていたとのこと。
2011-11-20 13:21:33漁師の収入に関しては、おれもほとんど知らなかったけど、稼げるときは月100万以上。稼げない時もあるが、それでも都内のサラリーマンと同等かそれ以上には稼げるらしい。1日の補償として、安いか高いかは分からないが、出欠さえ確認されればブラブラしてても12000円。
2011-11-20 13:24:53おれの従兄弟は35歳で子供が三人、津波からなんとか逃げて、雪の降る中大根ひと欠片で夜を外で過ごして、次の日からは家族の無事も確認できない状況で、食料集めや、他の人達を助けたり、捜索したりしていたそうだ。
2011-11-20 13:27:58ちなみに少し話が反れるけど、陸路が寸断された為に、最初の物資が届いたのは地震から2週間後で、それも日本の自衛隊じゃなかったそうだ。日本の自衛隊は、大きな船で物資を積んできて、肉眼で見えるところまで来ながら、「内湾は危険」との理由で帰ったとのこと。
2011-11-20 13:30:30無線で、「こっちから外湾まで小舟を出すから待っててくれ」と伝えても、帰っていったとのこと。その絶望感は、どれほどだっただろう。よりによって最初の援助が外国なんて、何のために税金を払ったりしてきたんだろうと思った。
2011-11-20 13:32:40で話を戻すが、従兄弟は5月くらいから家に仕事をしにきているのだが、基本的に海の仕事しかしたことがなくて、35歳、家を流され、仮設住宅に入るか入らないかという段階で、先も見えないのに、全く新しい仕事をしにくる。それはかなりの決断だと思う。
2011-11-20 13:35:38それまでの2ヶ月、給料が出るわけでもないのに、地元の為に朝から夕方まで捜索やボランティアを手伝い、食事といえば最初の二週間は米が数粒しか入っていないお粥(これすらも子供にあげていた)を食べ、地元の為に働いていた。
2011-11-20 13:38:04そんな従兄弟が、大して仕事もしないで12000円もらっている奴らが許せないという。ただでさえ色々な人々に救われて感謝しなければならないのに、なにもせずに国のお金を12000円も受け取れる神経が分からないと。
2011-11-20 13:39:58もちろん中には本当に海のために、地元の為に頑張っている人達もいるだろう。しかし、従兄弟は自分よりも若くて、ほぼ何もせずにお金を受け取っているやつに、こう言われたと言う。「丘に稼ぎにいってんだって?こっちは海大変なのに、いいなぁ」と。
2011-11-20 13:42:23ちなみにそいつは、津波のあとにすぐ内陸に避難して、お金がもらえると分かったら海に戻ってきたらしい。そんな奴が、のうのうとお金をもらい、挙げ句そんなセリフを吐いたという。従兄弟はそいつに「じゃあおめえは、新しいところで頭下げながら、おれみてぇに働けんのか!?」
2011-11-20 13:45:20と言ったら、そいつは何も言い返せなかったらしい。おれの家は流されてないし、仕事も失ってないから、そいつの気持ちは分からないが、被災地ということでみんなが支援してくれることに甘えているそんな奴らがいることがショックだった。
2011-11-20 13:47:17冷静に考えれば、大したハンディキャップもないのに知恵を使って生活保護を受けたりしているやつらもいるし、どんな社会、どんな状況でもそういう奴らは一定数はいるんだうが、これから前にも増して頑張っていかなければならない時にでも、人はそうなってしまうのかと思うと、悲しいし、悔しい。
2011-11-20 13:54:25従兄弟はそんな奴がいても、補助よりも稼げないかもしれない仕事をしに、海から一時間弱かけて、うちに仕事にきている。しかも他の誰よりも早く。そんな従兄弟が大好きだし、誇らしい。
2011-11-20 13:58:38おれも従兄弟も決して誉められる学生時代を過ごした訳ではないけど、そういう人の方が、真面目に頑張ろうとして動いている人が多い気がするのは、皮肉だ。きっと性格が能動的か受動的かという違いなのかな。宮城に変えるたび、色々考えてさせられます。
2011-11-20 14:00:31でもその補償の受給システムにしろ、日本の物資が全くこなかったことにしろ、明るみに出るべきことはきっと山ほどある。あまり期待していないが、そういうところも日本は学んで改善されるといいな。おれも自分ができることを頑張ります。って結局それしかないんだけどさ(笑)
2011-11-20 14:03:05@drumonkey1981 悲しいですね…従兄弟さんと話したことで、彼の考えに変化があることを望みます。初リプなのに失礼致しましたm(_ _)m
2011-11-20 13:52:31@Mikaaaaaaaaaa_A いえいえm(__)mきっと従兄弟はそのセリフと共にパンチもお見舞いしてると思うので、おれも変わってくれることを期待してます。
2011-11-20 14:09:29これは完全に余談だが、その従兄弟が高校生のとき、ボンタンを履いたりしていたのをおばさんが嘆いたのを、今回の津波で亡くなった従姉妹が聞いて、駅で待ち伏せしたらしい。「時間ある?」と聞いて、車で連れ去り、おれの地元へ来たらしい。
2011-11-20 14:17:41すると服屋に到着し、「ボンタンなんて穿かないで、普段着でお洒落しなさい!なんでも買ってあげるから」とジーンズを買ってくれたそうだ。従兄弟が大人になってからその思い出話をしたときに、亡くなった従姉妹は「じゃあそのうちジーパン買って!」と言っていたそうだ。
2011-11-20 14:20:09従兄弟はジーンズを買ってあげられなかったことを後悔してると泣きながら言った。おれも泣いた。素敵な従兄弟ばかりだなぁと思った。従兄弟が自慢できるような人間になろうと思った。
2011-11-20 14:22:14