ライスのアニメ感想.Ex #3:「トップをねらえ!」シリーズ雑感。

2012年1/28~29にかけて開催された 「新文芸坐×アニメスタイルセレクション」 トップをねらえ!&トップをねらえ2!全話完全上映会の雑感です。 基本的に作品の感想を語っています。 上映会の感想ではないので悪しからず。 続きを読む
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テリー・ライス @terry_rice88

トップをねらえ!(1988年製作、全6話)とトップをねらえ2!(2003年製作、全6話)。先日のオールナイト上映会でのトークショーの内容も若干含みつつ、ざっくり雑感を。

2012-01-30 01:28:26

トップをねらえ!の感想

テリー・ライス @terry_rice88

まず「トップをねらえ!」の方だけど、個人的な全体の印象としては「帯に短し、襷に長し」なんですよね。突出してる部分もある反面、粗がかなり多いシリーズでもある。なので出来としてはアンバランスな魅力を醸し出しているんですよね。ガイナックスとしてもまだまだ「若さ」が溢れている作品。

2012-01-30 01:32:13
テリー・ライス @terry_rice88

当時のガイナックスの若さなりのアツさと勢いの良さが感じられるんですよね。そこが第一点。で、お話的にはタカヤ・ノリコ編、アマノ・カズミ編、完結編と分かれているように見えます。特に後半の話こそがトップをねらえ!という作品の評価を高めているように感じます。

2012-01-30 01:49:22
テリー・ライス @terry_rice88

トークショーでも言っていたように「トップガン×エースをねらえ」というある種のバカバカしさを抱えていた企画ではあるんですが、そもそもそういうネタ的なことは一切考えず、ひたすらノリと勢いでカッコよさを追求していたという発言があって、そういう点でも若さに溢れていたんだなあと思いました。

2012-01-30 01:49:34
テリー・ライス @terry_rice88

それが結果的にいい方向に向かったんでしょうね。「トップをねらえ!」ではおそらく「ヒーローになる事」というのが念頭に置かれていて、普通の女の子であるタカヤ・ノリコがヒーローとして立つまでの物語が4話までの展開で、後の5,6話においては「ヒーロー」なんですよね。

2012-01-30 01:49:44
テリー・ライス @terry_rice88

だからあくまで1~4話はあくまでクライマックスに至るまでの「過程」なんですよね。個人的にはこの1~4話は時代的な古さと話の薄っぺらさも相俟って、退屈な物にしか見えないところが大変。自分の中で話に納得出来るほど入り込めるものではないんですよね。

2012-01-30 01:55:06
テリー・ライス @terry_rice88

あくまで「本編」であろう5,6話に向かうための大雑把な「過程」だと捉えています。基本的にノリコとカズミの物語で彼女達を中心に話が推移するので割りと世界観や他のキャラに話が向いていかないんですよね。設定としてはかなり作りこまれているんですけども、絵的に説明してる所もあって。

2012-01-30 02:01:55
テリー・ライス @terry_rice88

そもそもOVAと言う媒体がマニア向けであるから、製作した側も視聴者がある程度「分かっているもの」だと想定して作られているんですよね。話の広がりの狭さとそういう知識の前提が物語の粗さに繋がっているようにも見えますね。

2012-01-30 02:08:00
テリー・ライス @terry_rice88

その一方で「オタクの証明と承認」が描かれた作品でもあると思います。サブカルチャーにどっぷり浸かった人たちが自分の思うカッコよさを追求された作品であって、社会に承認されるにはここまでやらなければという風にも見えなくもない。

2012-01-30 02:12:38
テリー・ライス @terry_rice88

オタクが社会に認められるには「努力と根性」が必要だと言うようにも取れるかな。後半の本来の時間の流れから取り残されるノリコたちを見ていると社会に貢献しなくてはみたいなものも感じる。

2012-01-30 02:16:15
テリー・ライス @terry_rice88

この作品の「普通」って「ヒーロー(オタク)の普通」ですね。オタクがオタクであるため、ヒーローがヒーローであるための代償こそが社会に貢献すると言う事。だから一般的な「普通」が描かれてない作品でもある。時代的にもまだオタクがキワモノ扱いを受けていた頃だからってのもあるだろうけど。

2012-01-30 02:20:23
テリー・ライス @terry_rice88

5,6話はそういう点でオタクと一般社会が接続した上でオタクがヒーローとして活躍するという構図が見えているから、面白さを出しているような気がするなあ。人間的な営みが十分に描かれていない、作り物クサいって言う粗をリカバーできているような気がします。

2012-01-30 02:24:07
テリー・ライス @terry_rice88

しかし、トークショーで印象的だった発言として「庵野監督はウルトラマンの背中にチャックがないと怒るように、作品的な粗までひっくるめて作品を愛するオタクである」というのを耳にしたとき、やはりそういう粗も含めて、トップをねらえ!が成立しているんだなあと思わずに入られませんでした。

2012-01-30 12:49:52
テリー・ライス @terry_rice88

だから「粗があることを含めての名作」であるんですよね、当たり前ですが。オタクらしいアンバランスさが非常に強い作品でもあるんですが、その存在を強く印象付けた金字塔でもあるのでしょう。

2012-01-30 02:34:26

トップをねらえ2!の感想

テリー・ライス @terry_rice88

一方、トップをねらえ2!はそもそもパロディから始まったトップをねらえ!を上書きするかのようなパロディであるといえます。要はパロディのパロディ。そしてガイナックスの20周年記念作品でもある。「あの」ガイナックが20周年なわけです。そこに成熟さを見る話でもあるのかなあと。

2012-01-30 12:56:00
テリー・ライス @terry_rice88

作品を手がけた鶴巻監督の前作は言わずと知れた「フリクリ」。あれも青春というか思春期の焦燥と挫折を描いたほろ苦い作品ですが、トップ2にもそれが引き継がれています。それゆえに「フリクリ2」だと言う意見もありますね。筆者も最初の印象はそうでした。

2012-01-30 12:59:22
テリー・ライス @terry_rice88

全体的に「青春への望郷」やそこでの「葛藤や挫折」を受け止める話になっているように感じますね。しかし、トップ1と続けてみるとトップ2は前作をかなり意識した作りになっているのがよく分かります。1を観ていればその端々にオマージュを感じれる事でしょう。

2012-01-30 13:02:17
テリー・ライス @terry_rice88

さらに言えば、トップ1では曖昧だった世界観(もちろん1の背景とは違いますが)や1で出来なかった事の落穂拾いもしている。ここら辺がトップ2の抜きん出ている所なんじゃないかなあと思うわけです。ノノとラルクの話だけに留まらずに、他のトップレスの問題にも触れている。

2012-01-30 13:06:18
テリー・ライス @terry_rice88

一番顕著なのはお菓子系と言われる、メガネビュラ内のキャラですかね。ニコラとチコとカシオ。特にチコは3話で大きく出番を割かれました。他のキャラについても、ドラマCDでニャーンとグルカ、さらにはルゥの話が描かれていますので興味のある方は是非。本編のサイドストーリーになってます。

2012-01-30 13:09:49
テリー・ライス @terry_rice88

トップ1は基本的にノリコとカズミの話でサブにコーチとキミコにユング(あとスミス)がいただけでサブの描写には踏み込んでないんですよね。トップ2はそこら辺を結構踏み込んでいる。というかトップ1のキャラが見え隠れする部分があったりします。

2012-01-30 13:19:51
テリー・ライス @terry_rice88

所以、ノノがいう「おねえさま」というは作中ではほとんど意味を成してなくて、「ヒーロー」と同義なんですよね。だからラルクは本人も言っているように「おねえさま」じゃなくて、一人のトップレスなのです。

2012-01-30 13:23:10
テリー・ライス @terry_rice88

おそらく1のトップ≠トップレスと言う構図なのでしょう。この場合の「レス」が「less」かどうかは定かでないですが「トップはいない世界」とすると「トップをねらえ!」という意味が重く掛かってきそうですね。ノノはノノリリに会うために宇宙パイロットを目指し上京してきたわけですし。

2012-01-30 13:25:59
テリー・ライス @terry_rice88

さて話を戻して、トップ2のキャラにトップ1のキャラの影を見ると言う点について。あくまで私見ですが振り分けるとニコラはスミスなんですよね。スミスはキャラの描写そここにあっさり戦死してしまうので関係性が見出しづらいですが、彼もまたトップ部隊に在籍している事から優秀ではあるんですよね。

2012-01-30 13:32:54