NHKスペシャル『ここまで来た!うつ病治療』について、vikingjpnさんのツイートをまとめてみた。

自分用のまとめです。 2012年2月12日放映:http://www.nhk.or.jp/special/onair/120212.html 続きを読む
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@vikingjpn

僕らのような兎角慎重になりがちな基礎研究者とは異なり、臨床の医師たちは色々な方法を経験則に基づいて試すようになった。知ってる範囲では電気けいれん療法より「弱い」刺激を複数回に分けて与えるという方法。これで実際に日常生活が改善したという報告はゴロゴロあるらしい。

2012-02-12 22:53:01
@vikingjpn

ただ、こういうのは結局患者と主治医との信頼関係の中で行える「トライアル&エラー」なわけで、魔法の杖が見当たらない現在においてうつ病治療で最も大事なのはそういう主治医との信頼関係なんじゃないかと思う。後はその主治医が研究熱心であること、ぐらいだろうか。

2012-02-12 22:55:26
@vikingjpn

何にせよ精神疾患とか高次神経機能障害って本当に臨床としては難しいと思う。恐らくだけど、主治医の創意工夫で何とか改善させているというケースが大半なんじゃないだろうか。脳という器官が個人差の塊である以上、治療に個人差があることは否めない。主治医の「寄り添う」姿勢が肝要かと。

2012-02-12 23:08:02
Kazunori Makino @kzmakino

@vikingjpn Nスペは見損ねてしまったのですが、近ごろ名前をよく聞くmECTはどう評価されているのでしょうか?

2012-02-12 23:18:15
@vikingjpn

@tonkosama 日本社会におけるうつ病治療への高い関心+治験→自由診療の微妙なマーケティング、みたいな構図じゃないでしょうか。僕は治験は否定しませんが。

2012-02-12 23:18:51
@vikingjpn

そこで例えば免疫治療や温熱治療、はたまた重粒子線治療みたいなハードだけれどもまだ疫学的な検証は途上というがん治療が出てくるんだけど、それらの中には「治る時は必ず完治する」みたいなものがある。で、治験も活発だったりする。そういうのがうつ病治療でも広まればいいのかな、とふと思った。

2012-02-12 23:22:13
@vikingjpn

そういう「疫学的には海の物とも山の物とも現時点では言い難いけど、将来的に本当に効果のあるものだと確定してくれれば良い」的なものが試験的に、なおかつ治験などの形で患者への不必要な負担を強いることなく広まるのなら、良いことだと思う。その意味ではrTMSも一つの選択肢だろう。

2012-02-12 23:23:42
@vikingjpn

@kzmakino mECTは「臨床の創意工夫で効くこともある」(効かないこともある)という評価、のようです。僕は臨床医ではないので実態はわかりかねますが。。。

2012-02-12 23:25:15
Kazunori Makino @kzmakino

@vikingjpn やはり「脳という機械がまだまだブラックボックス」であることにつきるのでしょうか。。。死に至ってしまった友人がいたこともあり、新しい治療法が!と言われるとどうしても期待してしまいます…

2012-02-12 23:28:33
@vikingjpn

@kzmakino 個人的には(別にツイートしましたが)「効く人と効かない人との差をいち早く見出すこと」が大事だと思ってます。ゲノムや脳構造の個人差かもしれませんし、ただの偶然の差かもしれません。でもそれを突き止めることで本当に効く治療法を見出しやすくなるはずです。

2012-02-12 23:30:19
🌸🇺🇦🎌EAST🎌🇺🇦🌸 @east_JP

@vikingjpn 今日のNスペに関する一連のツイートをお気に入りに入れさせていただきました。私は遷延性うつ病と診断されて12年になります。番組中で双極性障害をうつ病と誤診する例が多いと言われていたのですが、光トポグラフィーの信頼性というのはどうなのでしょうか?

2012-02-12 23:32:10
Kazunori Makino @kzmakino

@vikingjpn おっとTLに追いついていなくてすみませんm(__)m rTMSなどの治療法も新薬と同じアプローチを、ですね。ゲノムはともかく脳の構造差や活動状態をもっと詳細に渡って知ることのできる技術開発が進むといいなぁ。(他力本願が少々もどかしいですが…)

2012-02-12 23:38:50
🌸🇺🇦🎌EAST🎌🇺🇦🌸 @east_JP

@vikingjpn ありがとうございます。昨年病院を変えたのですが、薬が大幅に変更になったので、処方された薬について調べたら「躁状態を抑える」薬が処方されていて、もしかしたら双極性障害なのかと思いまして。ドクターは「鬱の波を抑える作用も有るので処方した」と仰ってるんですが。

2012-02-12 23:41:46
kyohei yamada @yamada_kyohei

@vikingjpn 我々作業療法士も精神疾患、高次脳障害者には日々試行錯誤して介入してます。その介入には科学性はあると思うのですが証明するのは難しい。ご指摘の通りそんな単純ではない、臨床家はそう思ってるはず。テレビの影響力ってすごくて、患者が病院に押し寄せるとかよくあること。

2012-02-12 23:42:26
@vikingjpn

@yamada_kyohei 仰ること同意です。結局、この手の問題の解決には(臨床の)現場のオンデマンドな創意工夫が大きく貢献しているのだろうと思っています。現場で格闘なさっている皆様には心から敬意を表する次第です。。。

2012-02-12 23:44:44
@vikingjpn

@kzmakino そこはまさに我々基礎系の研究者の出番ですね。ある意味僕自身の現在の研究テーマもそこを突いています。臨床への応用ができれば良いな、という希望を持って進めているところです。

2012-02-12 23:49:25
Kazunori Makino @kzmakino

@vikingjpn なるほど、そのあたりの研究者の方なのですね。研究の進展を期待しています。あ、生きてる人間の脳に電極を埋めたいとか、神経細胞一個一個に針を刺したいとかいうご用命がありましたらいつでもどうぞ。笑(でもけっこう本気w)

2012-02-12 23:54:24
kyohei yamada @yamada_kyohei

@vikingjpn 臨床では明らかに個々のスキルに依存してる部分が大きい。ご指摘あったように、熱心な人が関わってくれればよくなる確率が高いと思います。それでいいのかなと。臨床、研究、教育それぞれの専門家が必要で、それを橋渡しするような専門家がさらに必要なのかなと思ったりします。

2012-02-12 23:58:04
@vikingjpn

@kzmakino いえいえこちらこそ。本音を申せばもうヒトに刺したいぐらいなのですが(嘘)

2012-02-13 00:03:11
@vikingjpn

@yamada_kyohei 臨床の現場で形成される「暗黙知」を体系化する努力も必要かな、とは感じています。特に統一的でevidence-basedな治療法がなかなか確立しない現状では尚更重要でしょう。仰るような橋渡しのできる専門家も必須だと思います。

2012-02-13 00:04:12
@vikingjpn

呟き忘れてた。うつ病治療研究の中で、TMSとNIRSが突出しているなんてことは全くない。ヒトならfMRIやPETによる研究も盛んだし、脳波やMEGによる研究も盛ん。モデル動物による分子生物学的研究は今も隆盛を極める。TMSとNIRSは「魔法の杖」ではなく多数ある手法のうちの一つ。

2012-02-13 00:07:12
@vikingjpn

むしろ、うつ病研究を進展させて「本当に効く治療」を実現させるために必要なのは、お恥ずかしながらまず「寄付金」。どこも資金調達に難儀しております。もう一つは「献脳」(特に患者の方の)。病理解析は必ず役立つので、遠い将来天寿を全うされた暁にはどうかご献脳下さい。宜しくお願い致します。

2012-02-13 00:10:31
@vikingjpn

改めて。うつ病治療進歩のために患者の皆様に是非お願いしたいことがあります。それは「遠い将来天寿を全うされたら是非献脳を」と。繊維染色など有益な研究が沢山出来ます。いつか必ずうつ病を治せる日が来ますので、その日まで皆様どうかお元気でいて下さい。我々がその日が来るよう頑張ります。

2012-02-13 00:19:42
@vikingjpn

@greener21 実はそっちの方が問題なんですよね。なので、研究者が作ってもズブの素人が作ってもダメで、「科学もエンターテインメントも分かる人」が科学番組を作らなきゃいけないという無理めゲーになるわけです。

2012-02-13 00:47:19
@vikingjpn

昨夜のNスペ談義、金時だったせいもあってちょっと語り口が過激過ぎたかなと反省。そして、物凄く多くの人がうつ病治療の進歩に関心を持っているのだなと改めて痛感した次第。

2012-02-13 09:33:47