「発達障害を忘れる」ということ。

白井由佳さん(@siraiyuka)の一連ツイートを本人承諾の上、皆さんに公開致します。 特に大人の発達障害につきましては、本格的な取り組みもまだ始まったばかりではないでしょうか? 今回は、その取り組みの一つとしてお読み頂ければと思います。
69

その日は私も、リアルタイムで下記の一連ツイートを読んでいました。

白井由佳 @siraiyuka

ありがとうございます。よろしくお願いいたします。一応、白井由佳事務所のスタンスでもあります。 RT @loveandpearl: 白井さん、突然の依頼失礼致します。今日の一連の呟きをtogetterに纏めて公開しても宜しいでしょうか?

2012-02-23 19:23:54

それでは、その一連ツイートをご覧下さい…

白井由佳 @siraiyuka

数日前に、「発達障害を忘れることも大事」って書いて、その意味が分からないって、数人からメールいただきました。ちょっと、仕事片付けてからその話しますね。

2012-02-22 10:01:09
白井由佳 @siraiyuka

きのう書く予定だった「発達障害を忘れる」ということです。予め言っておきたいことは、発達障害の診断や障害そのものを否定するつもりはありません。私自身が当事者だし、自分がADHDだと知って人生が激変し毎日が楽になり生きやすくなりました。発達障害を知る事は大切なことだと思います(続く)

2012-02-23 08:52:43
白井由佳 @siraiyuka

私が活動を始めた頃(12年前)とは違い今は認知も支援体制も拡大して、発達障害の勉強がしやすくなっています。周囲との適応能力や二次障害の重篤さに個人差が大きすぎて、すべての発達障害の人とは絶対に言えるわけではありませんが、もう相当に自分自身と向き合い続けた人も多いはず(続く)

2012-02-23 09:09:14
白井由佳 @siraiyuka

発達障害に向き合うと、自分の中の得意不得意が客観的に見えてきて、仕事や生活のやり方が変わる。また周囲の人のこともADHD系?アスペ系?みたいな見方をするようになり、人付き合いの方法が変わり、人間関係に無理な力が抜け、苦手な相手の事でも素直に受け入れたりできるようになります(続く)

2012-02-23 09:16:24
白井由佳 @siraiyuka

このように一見、良い事づくめの様に見えますが、「苦手な事」を「出来ない事」として最初から放棄する事も増える。これは別に悪いことだとは思いません。開き直りも人生をうまく運転するコツだし。でも、あまりにも自分を発達障害の枠にあてはめ過ぎて、自分の能力に限界をつけてしまうのです(続く)

2012-02-23 09:21:51
白井由佳 @siraiyuka

最初から「出来ない!」と決め込んで遠ざける。短絡的で極端な考えを持つのが発達障害ですからね。「自分=発達障害」として、それ以外の自分はあり得なくなるのです。発達障害が全てになってしまう。そして、どんな事でも「発達障害」からの視点でしか問題解決をはかる事ができなくなります(続く)

2012-02-23 09:28:53
白井由佳 @siraiyuka

でも人間界は、「発達障害」か否かで成り立っているわけでは無いでしょう。発達障害はあくまでも自分の側面の一部でしかなく、他の方向から見たら全然違う自分があって、発達障害なんてどうでもよい事だったりするのです。だけど発達障害を自覚してしまった人たちはレッテルを張ってしまう(続く)

2012-02-23 09:36:29
白井由佳 @siraiyuka

「お前は馬鹿だ」「お前は能無しだ」みたいなレッテル張りで苦しんできた当事者自身が 「自分は発達障害」というレッテルを張り、周囲の人をも「あいつは発達障害」「あいつは非発達障害」とかカテゴリー分けをして、 発達障害の診断基準が、人生すべての世界観になるのです。(続く)

2012-02-23 09:41:17
白井由佳 @siraiyuka

だけど「出来ない」事でも、やらなくてはいけない事があるのが現実社会。いつまでも発達障害の枠の中にいては、その「出来なくても、やらなくてはいけない事」を嫌ったり避けたり見ないふりをして過ごしてしまう。その結果、社会から浮いた存在になる。それで生きていけるのならいいと思います(続く)

2012-02-23 09:49:03
白井由佳 @siraiyuka

でも結局、苦しくてモガイテいる人が多い。せっかく発達障害を通じ、自分の特性を理解し生活や仕事の環境ややり方を変え、新しいスタートを始めたのに、なかなか現実の辛さは良くならず、一向に前進しないということです。なんのために発達障害の診断もらったの?発達障害の勉強したの?(続く)

2012-02-23 09:54:20
白井由佳 @siraiyuka

私もこの点で悩んでいました。確かに仕事も生活もクオリティが上がった部分多い。だけどそれに反比例するかのように、極端にダメになった部分もあるのです。なんか両極端になってしまったというか。発達障害を知る前のほうがレベル高かった様な部分もあるのです。結果辛いことは依然としてある(続く)

2012-02-23 10:01:04
白井由佳 @siraiyuka

昔出演したTVや本だけでしか私を知らない人は「白井由佳はADHDで成功した」と思っている方がいるよう。でもそれは大間違い。自由になれて好きな事ができるようになった反面、生活や仕事がどん底に落ちた部分も複数有。まぁ詳しくお知りになりたい方にはサロンなどでお話しますがけどね笑(続く)

2012-02-23 10:07:34
白井由佳 @siraiyuka

で、その原因は結局「発達障害だから出来ないんだ」と決めつけて、やらなくてはいけない事を放棄していたから。「出来ないことでも工夫次第」というのが、発達障害でのお約束の様になっていますが、発達障害でも工夫とかヘルプとかそんな事言わないで正面からやらなくてはいけない事がある。(続く)

2012-02-23 10:11:50
白井由佳 @siraiyuka

「正面からやらなくてはいけない事」は発達障害を知る前だったら当たり前のことだから、嫌でもやっていたりした。でも下手に発達障害を知ってしまい逃げ口上ができ、それをやらない。結果、生活も仕事もレベルが下がる。いくら発達障害の支援体制が出来てきたといても、そう甘いものではない(続く)

2012-02-23 10:17:10
白井由佳 @siraiyuka

とはいえ、「出来ないこと」をそのままにしても良いと思います。無理をしてまた頑張ると凹んで精神に負担かかる人もいる。二次障害が発症する事も。だから全ての当事者に言うつもりはないです。だけど次の段階に行きたいと思うならば、発達障害を抜きに考えて以前のようにやることが必要と思う(続く)

2012-02-23 10:31:08
白井由佳 @siraiyuka

パソコンのバッテリー無くなってきたので、またあとで書きます。

2012-02-23 10:31:48
白井由佳 @siraiyuka

発達障害を忘れて元の世界に戻るとなると、ひどい恐怖心に駆られるかと、思います。又失敗を繰り返して鬱になるんじゃないかとか。でも実はそれって意外と大丈夫なのです。なぜかというと、自分の中の発達障害と、とことん向き合った人は、一皮向けているからです。昔の自分とは違うのです。(続く)

2012-02-23 15:20:07
白井由佳 @siraiyuka

失敗だらけで自尊心が低下して、いつも不安を持っていた人でも、発達障害を通じて自分の問題に取り組んでいた人は、経験値が上がっていますので、以前のようには傷つきません。たとえ仕事や人間関係で失敗して怒られても、凹む時間が短く済むようになっています。打たれ強くなっているのです(続く)

2012-02-23 15:25:46
白井由佳 @siraiyuka

「出来ないこと」は、いぜんとして続きます。それが簡単にクリアになる訳ない。でも、昔ほど、「出来ないこと」に取り組むことが苦痛ではなくなっているのです。それは、発達障害というキーワードで、1つの壁を通り抜けてきたことによる成功経験が、気持ちの余裕になっているのだと思います(続く)

2012-02-23 15:30:51
白井由佳 @siraiyuka

だから発達障害を忘れて、今まで出来なかったことにチャレンジしてもいいのです。で、ここが発達のすごい所だと思うのですが、発達障害は発達していない訳ではない。緩やかにですが、発達しています。意識に余裕を持ち「努力」していると、いつの間にか、出来るようになることも可能なのです(続く)

2012-02-23 15:37:01
白井由佳 @siraiyuka

ただし、あまりにも発達障害に対して、自意識を持ちすぎている人は難しい。世の中は、「発達障害VS非発達障害」で構成されていて、発達障害は虐げられていると、被害者感情を持っている場合が多いからです。ここを脱出していなければ、元の世界に戻ることは、とてつもない困難を伴います。(続く)

2012-02-23 15:43:19
白井由佳 @siraiyuka

障害者枠で就職でもしない限り、世の中は「発達障害か否か」なんて関係ありません。脳の機能とか障害とかそういうことにこだわりすぎているうちは、辛いです。だけど、そういう「発達障害へのこだわり」を経験する時間というものは大切だと思います。そうしないと自分の特性が理解しにくいから(続く)

2012-02-23 15:50:15