茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第533回「日本の国会は、本当に国政のことを議論しているの?」

脳科学者・茂木健一郎さんの3月14日の連続ツイート。 本日は、この2,3日気になっていたことについて。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-03-14 06:46:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」第533回をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています!  本日は、この2、3日気になっていたことについて。

2012-03-14 07:40:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

こほ(1)先日、国会中継を見ていて、その質疑応答の内容や口調についての違和感を抱いた、というツイートをした。与党と野党がそれぞれの立場から、国政について最適な解を探りあてるという「共同作業」というよりは、あら探し、糾弾の場に堕しているということ。意味のある議論には思えなかった。

2012-03-14 07:42:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

こほ(2)そもそも、委員会で、発言する議員が決まっていて、その人が延々と質問をし続けるというフォーマット自体の意味がわからない、とも思った。委員会に出席している他の議員たちは、ただ聴いているだけである。ときどきヤジを飛ばす以外に、彼らの存在意義は何なのか?

2012-03-14 07:43:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

こほ(3)私自身に置き換えて考えてみると、委員会に出席していて、たとえ自分たちの政党の代表だとは言いながら、発言する人が決まっていてその質疑を延々と聴かされるのは苦痛であり、退屈でたまらないだろう。聴いているうちに、自分なりの角度を思いつくかもしれない。しかし、それを表現できぬ。

2012-03-14 07:44:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

こほ(4)グーグルのCEOをしていた時代のエリック・シュミット氏に聞いたけれども、意思決定の前にはできるだけ多くの人の意見を聞くという。多様な角度からの検討ができるからである。国会審議とは、本来そのような場ではないか。多くの声が聞こえないのならば、そもそも審議の意味がない。

2012-03-14 07:45:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

こほ(5)日本というのは不思議な国で、一度フォーマットができると、実質的な意味を考えずに、延々と続ける傾向がある。それで残る古い文化もあるが、国会審議の形式については、完全に形骸化していると思う。政党の代表が一人出て糾弾質問を繰り返すだけでは、複雑な現代に適応できぬ。

2012-03-14 07:47:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

こほ(6)それで、イギリスの国会の審議は確か違っていたはずだ、と思って調べてみたら、house of commonsのこんな審議風景があった。http://t.co/rwCRUzDL 与党、野党に分かれて座って、発言したい議員は立ち上がって、Speakerが指名する。

2012-03-14 07:48:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

こほ(7)様子を見ていて、この方が議論の実質に即しているし、よほど人間の生理にも合っていると感じた。出席している議員がいきいきしているし、多様な意見が反映されている。たくさんの人が発言を求めて立ち上がる風景は、ちょっと感動的だ。必ずしも指名されないけれども。

2012-03-14 07:55:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

こほ(8)英国の議会でも、党首討論のときは一対一でやるけれども(http://t.co/E8kG3LMm )、そのときでも、後ろにいる仲間たちを時々振り返って、個人の顔が見える風景である。そこをいくと、日本の国会のあの形骸化した質疑の時間は、いったいなんなのだろう。

2012-03-14 07:52:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

こほ(9)日本の国会の質疑は、あらかじめ質問が提出され、答弁も官僚たちが書いているのだと聞く。だから揚げ足とり、重箱の隅になるのだろう。日本の国会でも、出席者が自由に発言できる時間を設ければ、事前に答弁も用意できないし、実質的な議論ができるようになるのではないか。

2012-03-14 07:53:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第533回、「日本の国会は、本当に国政のことを議論しているの?」でした。

2012-03-14 07:54:13