茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第539回「いわゆる一つの、知能指数について」

脳科学者・茂木健一郎さんの3月20日の連続ツイート。 本日は、このところあなたが気になる、あの数字について!
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-03-20 07:09:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」第539回をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています!  本日は、このところあなたが気になっている、あの数字について!

2012-03-20 07:29:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

いち(1)といわけで、先日、名古屋で行われたMENSAの会で話してきた。MENSAは、唯一の入会資格が「知能指数が130以上」という会で、これは全人口の上位2パーセントにあたる。私は、高校のときに試験を受けて入ったのだが、その後幽霊会員となっていた。

2012-03-20 07:30:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

いち(2)それが、会長さんが名簿に私の名前を見つけて、「復活して会員にならないか」「名古屋で話さないか」というので、「わかった」と行ってきた。そもそも高校の時になぜMENSAの会員になったかというと、当時日本語版が発行されていた「リーダーズ・ダイジェスト」の記事がきっかけである。

2012-03-20 07:31:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

いち(3)その記事には、「MENSAは知能指数がある一定値以上であることを唯一の基準としていて、会員にはいろいろな職業の人がいる。弁護士や医者、大学教授もいれば、ダンサーやウェイトレスもいる」と書いてあった。この、「ダンサーやウェイトレスもいる」という点に興味を惹かれた。

2012-03-20 07:32:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

いち(4)というのも、当時の私は、学校のペーパーテストで進路先が「選別」されていくシステムがどうにも嫌いで、MENSAが、「ダンサーやウェイトレスもいる」という多様で自由な会ならば、そこで思う存分話してみたい、という気持ちが強かったのである。それで入会したのだった。大昔にね。

2012-03-20 07:34:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

いち(5)名古屋のMENSAの会に行ったとき、実は興味津々だった。どんな人たちが来ているのだろうと思って。そうしたら、日本の会員は600人で、アメリカやイギリスに比べると圧倒的に少ないんだけど、ある特徴があってそのことがとても面白かった。そのことを書きたいと思う。

2012-03-20 07:35:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

いち(6)一番興味があったのは、知能指数が高かったとして、わざわざMENSAの入会試験を受けようとする人にはどんな傾向があるか、ということである。私は先述のような理由で入ったが、会員を見ていると、むしろ社会への不適応があり、一つの拠り所を求めて入っているということがわかった。

2012-03-20 07:36:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

いち(7)知能が高い人が、かえって社会に不適応になるというのは面白い現象である。というのも、知性とは、環境に適応するためにこそ発達してきたものであるはずだからだ。いずれにせよ、引きこもりやフリーターをやっているという人が案外多くて、ぼくはその点をとても面白いと思った。

2012-03-20 07:37:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

いち(8)GladwellのOutliersによると、知能指数というのはある程度よければ、それ以上よくても意味がなくて、たとえば130の人と170の人が、社会的に成功するかどうかがそんなに違うわけではない。やたらと身長の高いバスケットボール選手が必ずしも成功しないのと同じこと。

2012-03-20 07:38:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

いち(9)知能指数と才能もあまり関係がない。GladwellのOutliersで面白いのは、アメリカの近年のノーベル賞受賞者の出身大学を見ると、ハーバードとかもあるけど、地方の無名大学もまんべんなくある。やっぱり、文一とか理三がアタマがいいという発言は、意味なし芳一だなあ。

2012-03-20 07:42:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第539回、「いわゆる一つの、知能指数について」でした。

2012-03-20 07:43:06