遠藤先生による四号機の再臨界の危険性と解説
…といったような、核分裂出力の振動現象が発生すると私は考えています。この場合、燃料プールは剥き出しで放射線の遮蔽が十分でないため、まずは臨界時に急上昇する中性子線・γ線による線量増加が問題となります。とりわけ現場で作業しておられる方々に対する影響が大きいです
2012-03-30 02:45:05そういった燃料プールでの臨界時に放射生物質の飛散・放出があるかどうかは、注水量が足らず除熱が不十分で、燃料被覆管が破損するかどうかにかかってくるかと思われます。
2012-03-30 02:49:50https://t.co/FO5nYJiw 水素(H)の中性子捕獲反応の微視的断面積の図→http://t.co/yvtkddXE 重水素(D)の場合→ http://t.co/kNOmRUGt 約1keV以下の中性子が衝突した場合、HのほうがDより約600倍中性子を捕獲しやすい
2012-03-31 13:17:29追加考察
ドップラー効果についてなど
https://t.co/r2tEtwRa U235の微視的核分裂断面積の図→http://t.co/7tmmeNzZ U235にぶつかる中性子のエネルギーが低いほど核分裂を起こしやすい。図において横軸のエネルギー、縦軸の断面積(≒確率)が両方とも対数目盛りであることに注意
2012-03-31 13:24:06メモ:東京電力株式会社福島第一原子力発電所第1~4号機に対する「中期的安全確保の考え方」に関する東京電力からの報告書その1-改2→http://t.co/Z75Iy5Jy その2-改2&その3-改1→http://t.co/NbM1m9em
2012-03-31 15:22:15https://t.co/3WNo8Lip メモ:その2-改2の一部補正→http://t.co/S4Blot00
2012-03-31 15:25:35(http://t.co/dQYaPzJR に呟いていた内容、ドップラ反応度による負のフィードバック(臨界未満にしようとする)効果ついて全然言及できていなかったので、追記いたします。)
2012-03-31 22:47:50共鳴断面積のドップラ効果を分かりやすく説明するのはなかなか難しい。救急車のサイレンの音が、近づいてくるときと遠ざかるときで異なるのと原理的には同じなんだけれど
2012-03-31 22:53:20例えば、ウラン238の原子核1個が中性子捕獲反応を起こす確率(微視的捕獲断面積)の図はこのような形→http://t.co/e2Qur923 横軸は衝突する中性子のエネルギー、縦軸は断面積(≒捕獲反応を起こす確率の大きさ)
2012-03-31 22:56:54http://t.co/e2Qur923 で興味深いのは、特定の中性子のエネルギーで捕獲反応が起こりやすくなる、局所的なピークが幾つも存在すること。図でギザギザがある部分をドラッグ&ドロップすると例えばこんな感じで拡大できる→http://t.co/l9sVFIXK
2012-03-31 23:03:54中性子と原子核の反応を考える際に注意すべき点として、反応の起こりやすさは「実験室系における中性子の速度(エネルギー)」ではなく、「標的となる原子核と中性子の"相対速度"(エネルギー)」で決まってくるということ
2012-03-31 23:07:14中性子が衝突する物質の温度が上昇すると、原子核の熱振動も大きくなるので、相対速度には幅が生じます。熱振動で原子核が中性子に近づく向きの時に相対速度は大きく、逆に遠ざかる時に相対速度は小さくなります
2012-03-31 23:17:08http://t.co/l9sVFIXK よって、温度がゼロ℃の静止した原子核の場合には共鳴反応のエネルギー幅は狭いですが、標的となる原子核の温度が上昇すればするほど中性子と原子核の相対速度に幅が生じ、共鳴反応を起こすことができる中性子の(実験室系での)エネルギー範囲が広がります
2012-03-31 23:23:38(異性♂♀に対する好み(ストライクゾーン)が狭かったのが、物質の温度が上がると、ストライクゾーンが広がるイメージか)
2012-03-31 23:26:37万が一燃料プール中の新/照射途中燃料が臨界になった場合、核分裂出力が急上昇しUO2燃料の温度が急上昇します。この時UO2燃料内には約95%程度ウラン238がある為、UO2燃料の温度上昇によりドップラ効果が起こり、ウラン238が中性子を食べやすくなり核分裂を起こす中性子数が減ります
2012-03-31 23:38:49私が知る限り、使用済燃料プール中での臨界事故が発生した事例は、過去に無いかと思われます(参考文献:http://t.co/3Asn8lQZ の表6.1~6.3)
2012-03-31 23:43:54が、敢えて参考にできるとしたら、平成11年に発生した志賀原子力発電所1号機の臨界事故なのではないかと思われます。参考文献:http://t.co/3gteJR39
2012-03-31 23:45:59この臨界事故の概要については、 http://t.co/66jofG6X の資料をご参考にするのも良いかもしれません
2012-03-31 23:48:53http://t.co/3gteJR39 の「4.1.2基本解析の結果」(pdf37~44頁)に記述されているように、燃料温度上昇に伴うドップラ効果の負の反応度(図4.3)により、臨界時に急上昇した核分裂出力はピークを向かえ下がるという解析結果が示されています
2012-04-01 00:03:38http://t.co/dQYaPzJR に呟いていた内容で非常に不十分だったのは、ドップラ反応度に関する記述なしに、臨界後の現象について水密度の観点だけから記述してしまった点にあります。思慮の浅い呟きを致しましたこと、この場を借りて深くお詫び申し上げます
2012-04-01 00:09:57燃料棒で発生した熱が水に伝わり、水温の上昇・沸騰にいたるまでには時間遅れがありますので、http://t.co/3gteJR39 の図4.3(pdf43頁)に示されたように、まずはドップラ効果、次いで水密度減少による負の反応度により出力は抑えられる形になるかと思われます
2012-04-01 00:18:09@hyd3nekosuki 昨日一連のツイットでドップラー効果を説明しようとしていたが、肝心の部分が抜けている。共鳴吸収の幅は広がってもトータルの共鳴吸収は変わらない。不均質炉では中性子吸収量に自己遮蔽効果があることでp因子に効果が出る。均質炉では効果は殆どない。説明は難しいね。
2012-04-01 12:17:08