ブンガク少女(@HayasiMiya)さんの法月綸太郎TL
- K_misa_maguro
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さて、いつまでもお姉様に構っていられないですからね!ここからは文学少女になるために普通の呟きをしましょう。
2012-04-14 23:39:44@I_shin 法月綸太郎ですか!兄は「頼子のために」から始まる家族路線が好きらしいですが、私は「誰彼」!「誰彼」が大好きですよ!
2012-04-14 23:52:57ではまず、お気に入りの「密閉教室」は・・・あえて外し、法月綸太郎シリーズから語りましょう。作中の「名探偵」綸太郎自体がクイーンの親子関係を模しているように、この作家の作品には「親子」「家族」というテーマがずっと付きまとっています。っまずは「雪密室」ですね。
2012-04-14 23:58:42さて、「雪密室」ですが正直なお話、森博嗣先生がエッセイで褒めているの以外でこの作品を絶賛しているのをあまり読んだことがありません。兄も「エピローグを二分化する叙述も工夫はされているが、シンプルすぎるのが難点」と評しています。
2012-04-15 00:01:25確かに私もトリックのための小説、といえばそれまでかもしれません。テーマである「親子」という部分があまりにも薄すぎるのは、文庫版作者のあとがきにも表れています。→「この過剰さは不器用さと紙一重だったり、暴走したりと、必ずしも効果的に作品とは結びついていなかった(雪密室あとがき)」
2012-04-15 00:05:59ただ一つ言っておきたいのは「頼子のために」の時のような名探偵があの問題に取り込まれるというのが、法月先生の学生時代からの悩みであったとしても、「雪密室」や「誰彼」の時点ではそれが「遊び心」として表れていたのかなぁ?というところがあります。
2012-04-15 00:08:47ノベルス版の表紙に書いてある「作者の言葉」などにはその「遊び心」が表れていますね。あと「読者への挑戦状」を入れているのも一つの「パズル」としての遊び心でしょう。これ以降の長編にはその「遊び心」を入れる余地さえ無くなってきますから。
2012-04-15 00:10:14さて、「雪密室」でもう一つ語りたいのはなんといっても、月蝕荘の主人、沢渡冬規の前妻にあたる篠塚真棹の存在でしょう。所謂、本格ミステリーに限らず、あるいは犯人、容疑者、または被害者に限らず・・・、何らかのカリスマ性を持っているラスボス的人物というのはいるものです。
2012-04-15 00:15:57この篠塚真棹は正直な話・・・あまりカリスマを感じさせる悪女という感じはしません。 この真棹の人物造形の影響は後に、ある長編作品のある人物へと受け継がれるのですが、ここではどの作品かは黙っておきます。
2012-04-15 00:18:38さて、「雪密室」のことばかりで申し訳ないですが、あと一言。「白い僧院はいかにして改装されたか」という言葉にもあるように、これはカー風密室トリックをクイーン風ロジックによって打ち破っている作品です。
2012-04-15 00:22:48現実的に見れば、警察の法医学捜査にご都合主義的な部分がありますが、「カーミーツクイーン」の立場から見れば、これは成功しています。文庫版あとがきでは「クイーン警視自身の事件」を参考に上げていましたが、私はどちらかというと「ローマ帽子の謎」を想像しました。
2012-04-15 00:25:06