新聞労連産業政策研究会2012.5.26例会 #sanseiken0526
ドイツの視点。メディアの集中独占が進んでしまうと、取り返しがつかない、後戻りできない。#sanseiken0526
2012-05-26 15:50:09「国家からの自由」と「国家による自由」。例えば、プレスの独占集中によって世論操作の危険性が高まれば、国家が介入すべきであるとドイツは考えている。国家に「プレス保護義務」があるという考え方。#sanseiken0526
2012-05-26 15:50:13ドイツでは国家は、プレスの意見形成機能を保護する義務がある。プレスの自由は自由な意見形成に奉仕するもの。ただし、国家がプレス保護を口実に、プレスの内容に影響力を行使しないよう中立性を要求される#sanseiken0526
2012-05-26 15:52:50日本にはないプレスの自由に関する制約が、ドイツにおける「反論権掲載義務」。1874年に帝国プレス法に採用された。フランスが意見の表明に対する反論を認めているのに対し、ドイツでは事実の主張に対する反論に限定されている。#sanseiken0526
2012-05-26 15:55:51ドイツは法律で新聞に「反論権」を保障させている。フランスよりは弱い。フランスは意見に意見で反論できる。ドイツは事実関係についての反論。#sanseiken0526
2012-05-26 15:56:08ドイツでは、表現の自由でなく一般的人格権を根拠として反論権が認められている。異なった事実の報道によって自分の人格が歪められたことをただすという考え方。メディアは反論分を掲載する義務を負う。#sanseiken0526
2012-05-26 15:58:27現実は反論権を申し立てても、メディア側がそれが正しいかを精査するため、よほどメディア法に詳しい専門家がいないと反論文の掲載という事態にならない。裁判所に仮処分を申し立てることはできる#sanseiken0526
2012-05-26 16:00:38(今回のキーワード。社会全体とメディアのかかわりが、どうデザインされていくべきか。ドイツと日本の優劣という視点ではなく、デザイン力の在り方と、実効性の問題かな、と…)#sanseiken0526
2012-05-26 16:02:01ドイツを含むEUではヨーロッパ人権条約と基本権憲章において、メディアの多様性・多元性を重視し、意見表明の自由を保障している。ユネスコの文化多様性条約では、加盟国は文化多様性の保護のために、メディアの多様性を高めるための措置を講じることができると明記#sanseiken0526
2012-05-26 16:04:37ドイツでは、ナチズムの反省からメディアの多様性・多元性は民主主義に不可欠という意識が強い。プレスの自由には国家のプレス保護義務が含まれているという考え。#sanseiken0526
2012-05-26 16:06:55これに対し、日本では報道の自由も表現の自由も国家からの自由と考えられている。憲法によってみても、国家からの報道機関保護を法的に導き出すのは難しい#sanseiken0526
2012-05-26 16:08:37また取材源秘匿に関しても、ドイツではジャーナリストの特別扱いが憲法上、認められているが、例えばアメリカでは表現の自由についてプロと素人の区別はないと考えられている。日本はその中間か#sanseiken0526
2012-05-26 16:10:40日本の場合、新聞への軽減税率の適用は、国民の知る権利に奉仕する報道機関の、報道の自由を守るという観点から望ましいとは言えても、そうしなければならないという憲法上の要請であるとは考えづらい#sanseiken0526
2012-05-26 16:12:19ただし、軽減税率は国庫からの直接的な助成ではない点、国家が内容中立的に新聞社を保護できる点で、メディアの多様性を維持するために優れた対策といえる。鈴木先生の講演、以上です#sanseiken0526
2012-05-26 16:14:07社会が違えばメディアの姿も違う。でも今の日本で、ドイツのようにまっすぐに「報道は民主主義に不可欠」と主張できるのか。それを理解してもらえるのか。そういう努力は足りているのか、ですね#sanseiken0526
2012-05-26 16:17:25質疑応答。民主主義のコストとしてのジャーナリズム。日本で新聞がカバーしている「社会の姿」は、半分ぐらいなのでは?ドイツでは、社会の中で新聞がどれぐらい存在感ありますか? A.日本よりは「メディアへの失望論」は少ないような印象です#sanseiken0526
2012-05-26 16:20:04(鈴木)ドイツでは、議論についての考え方やシステム、文化が日本と全然違う。テレビは討論番組が多く、原発政策や移民への対応、社会的な事柄について多くの国民が議論しあい、それを新聞が支えている構図がある#sanseiken0526
2012-05-26 16:24:24(鈴木)ドイツの文化的マナーとして、高所得者や知識階級はアル・ゲマイネなどのクオリティ・ペーパーを2紙購読するという。地方紙や「ビルト」などの日刊紙も読まれる。それでも新聞社の売上は減っている。経営側は新聞部数のデータ調査を政府に求めている#sanseiken0526
2012-05-26 16:28:10(鈴木)ドイツでは新聞購読数として、駅売りが33%、定期購読が20%減少したというデータがある。読者の負担を軽減するための軽減税率だが、メディア法関連ではそういう議論をあまりみない。それよりネットでの2次利用に著作権を主張するようなことの方が多い印象#sanseiken0526
2012-05-26 16:32:09(鈴木)ドイツでは消費税が10~16%と漸増していったが、そのたびに新聞は軽減税率としてその半分程度(5~8%)を適用されてきた。新聞そのものの単価は、昔から変わらないか、安くなっている印象がある。空港ロビーなどでは新聞が無償提供され、誰でも読める#sanseiken0526
2012-05-26 16:39:00(鈴木)若い人の新聞離れは日本もドイツも同じ。列車の乗客はみんな新聞を読んでいたりするが、若年層が読まないのでドイツの新聞も経営難だったりする#sanseiken0526
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