山田正紀氏と笠井潔氏による「輪るピングドラム」考察

笠井潔 @kiyoshikasai

最後に、「我に返れ」でなく「我に帰れ」について。青臭い夢想に逃避していないで「我に返れ」というのは、どうでもいい大人の世知にすぎない。「帰る」べき「我」とは、「欲しいものは欲しいと　いったほうが勝ち」（松任谷由実）だと思い、リスクを引き受けても、断固そうする私ではないだろうか。

笠井潔 @kiyoshikasai

「生存戦略」や「緊急待避」というキイワードもまた、例外状態（カール・シュミット）を構造化した21世紀社会に対応していると思う。グズグズしている自分に韜晦できた時代は、すでに終わった。とにかく生き延びるために、あがきまわるしかない。それで「後ろ指さされても　逃げちゃっていいよ」。

笠井潔 @kiyoshikasai

@sukiyapotes まったくそうですね。だから「少年よ、我に帰れ」は「我に返って」大人になれとは、意味的に正反対。

笠井潔 @kiyoshikasai

@ya1212 @sukiyapotes 我孫子武丸の指摘にあるように、私を捨てた恋人よ「我に帰れ」が下敷きだとすれば、私から失われた少年性よ「我に帰れ」は、特殊な言い回しとはいえないのでは。生涯一ガキの笠井は、「少年よ、我に帰れ」という呪文を唱える資格がないわけですが（笑）。

笠井潔 @kiyoshikasai

「エヴァ」の庵野監督に関して補足しておくと、「エヴァ破」でシンジを戦わせてしまった時点で、すでに旧「エヴァ」の時代の終焉を自覚していたと思う。

笠井潔 @kiyoshikasai

大衆蜂起の21世紀テーゼを作ろうとかいう話があった。「残酷な天使のテーゼ」とか、カッコいいネーミングにしましょうよといったら、長崎浩氏は「それれいいね、それでいこう」と応じた。「ダメです、著作権がありますから」といわざるをえなかったのは、残念だった。

笠井潔 @kiyoshikasai

庵野さんか武田さん、もしも笠井ツイートを読んでたら、無料使用許可をいただけるように、「残酷な天使のテーゼ」の作詞家に口添えしてくださいね。社会思想の文脈で、「エヴァ破」の思想を裏切らないものにしますから。……もちろん冗談です（笑）。

山田正紀 @anaryusisu

笠井潔氏のピンドラ論は「生き残るためにはなりふりかまっていられない」いう一語に尽きるかもしれない。15年かかって承認願望（サイモス）とか自分探しとかの呪文を振り払った。新たな呪文をどうやって振り払うか。笠井氏はそれを「生涯一ガキ」というアティチュードで突破しようとしているようだが

山田正紀 @anaryusisu

アニメにこだわれば「新たな呪文」の摘出とそれをいかに振り払うかの模索はすでに「魔法少女まどマギ」で暗示されているようにも思う。まだラストまで見ていないのでうかつなことはいえないが。

山田正紀 @anaryusisu

ごめんなさい。あまりこ難しいことばかり書いてて「利口」と誤解されると困るので（これ本音ですよ）いったん打ち止めにしました。それに「りんご」は漢字が面倒で。象徴分析からいえば、「リンゴ」は「智慧」、「桃」は女性のエロス「豊穣」ということのようです