ヨウカイスレイヤー第一話「コウマカン炎上」#2
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YOUKAISLAYER
@YKSLYR
ヨウカイスレイヤーことハクレイ・レイムはいつの間にか自分が湖の上を飛行していることに気が付いた。ほとんど無意識行為によるものではあったが、彼女の勘は異変の主が近いことを告げていた。 1
2012-06-18 23:19:18
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(((感じるかレイムよ……、敵ヨウカイの膨大な力だ。実際近い)))否、レイムの勘ではない！何者かがレイムのニューロンに直接語りかけているのだ！「黙れ、分かっておる……エー…………ゲンジイ」 2
2012-06-18 23:22:12
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(((なんたるブザマか！ワシの名前を忘れるほど空腹を我慢するとは！)))声の主はゲンジイだ。レイムのニューロン内に住む亀である。「湖にはオーガニック・サカナやカエルがいる。それでしのぐ。オヌシの出番は、ない。」(((よいかレイム、生のサカナは……))) 3
2012-06-18 23:29:20
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「イヤーッ！」突然ヨウカイスレイヤーがゲンジイの言葉を遮るように追尾ザ・フートンを4枚射出！ザ・フートンは紅色の霧に飲まれてすぐに見えなくなり、「……グワーッ！」遠くで悲鳴、そして爆発四散の音！ 4
2012-06-18 23:33:35
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何が起こったのか！読者諸氏の中に、ヨウカイ視力の持ち主はおられるだろうか？はるか対岸、奇妙な洋館のすぐそばにいたヒトガタに4枚すべての追尾ザ・フートンが命中したのだ！ 5
2012-06-18 23:39:26
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(((あれはヨウセイだ、レイム。ヨウカイではない)))「……」(((ダイヨウセイだ。ヨウセイだが高いヨウカイ力を持っておる。しかしそれだけだ。実際キンボシとは言えぬ)))「……ヨウセイは食えぬ。今はサカナ、そしてカエルだ」 6
2012-06-18 23:43:34
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(((目的を誤るでない、レイムよ！この霧を何とかするのが先決だ)))「黙れゲンジイ。将来の空腹より今の空腹の方が大事だ」(((いかん、飢えの記憶が正気を失わせておる！落ち着くのだレイムよ！))) 7
2012-06-18 23:46:28
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「スゥーッ！ハァーッ！……スゥーッ！ハァーッ！」レイムはチャドー呼吸で何とか冷静さを取り戻そうとする。その時だ。(((レイム！何たるウカツか！真下だ！))) 8
2012-06-18 23:49:38
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レイムは足元、10メートルほど下方を見やる。そこには青色を基調とした装束を身に纏ったヨウカイあり！(((バカ！ウカツ！これほどまでに接近を許すとは、なんたるブザマな！)))「落ち着くのはオヌシだ、ゲンジイ」(((何？))) 9
2012-06-18 23:57:42
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「あれもヨウセイだ。サンシタ以下の者にかまっているヒマはない。」(((グググ……ヨウカイであれば今ごろ爆発四散させていたものを)))「黙っておれゲンジイ、オヌシがするわけではなかろう」レイムは眼下のヨウセイを観察する。 10
2012-06-19 00:00:34
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そのヨウセイはセンベイを２枚取り出し、カエルを挟んだ。続いて、自らの小便とスピリタスを秘密の割合で混ぜた聖水入りの瓶を取り出し、それを振りかけて凍らせた。「ブッダエイメン！」これは彼女が考えたカエルを蘇らせぬためのモージョーであった。彼女は⑨であった。 11
2012-06-19 00:03:11
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「センベイ！あやつめ、食物を粗末にしおって！」ヨウカイスレイヤーの目に薄紅の光が灯る！そのままヨウセイめがけ垂直落下！(((……レイム！……ム……)))ゲンジイの声が遠ざかる。 12
2012-06-19 00:05:51
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「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーはヨウセイの正面ワン・インチ距離に着地！そのままタタミ針を突き刺しにかかる！「イヤーッ！」ヨウセイはバックステップでこれをかわす！「イヤーッ！」反動を使いツララ弾を射出！ 13
2012-06-19 00:08:46
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「アイシクルフォール改善！イヤーッ！」正面と左右からの一斉射撃だ！「イヤーッ！」左右からの射撃をやり過ごし、ヨウカイスレイヤーもタタミ針を投擲！「イヤーッ！」「イヤーッ！」正面からぶつかり合い消滅！両者は距離を取り合う！ 14
2012-06-19 00:12:04
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「アイサツもなしに、ひきょうだぞ」「ヨウセイごときに名乗りを上げる必要はない」ヨウカイスレイヤーは無慈悲に言い放った。「アタイはチルノ。アンタは……巫女ね？アタイは天才だから分かるんだ」チルノと名乗ったヨウセイが自慢げにアイサツした。 15
2012-06-19 00:16:34
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「…………ドーモ、ヨウカイスレイヤーです。今回は特例だ、ヨウセイであれ殺す。慈悲はない」「……？」「……」「……イヤーッ！」動いたのはチルノだ！「無敵のケルビン・ジツをくらえ！イヤーッ！」 16
2012-06-19 00:20:27
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チルノからダンマクが放たれる！「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーはタタミ針を投擲！相殺し消滅！「イヤーッ！」タタミ針を投擲！相殺消滅！「イヤーッ！」タタミ針を投擲！相殺消滅！「イヤーッ！」タタミ針を投擲！相殺消滅しない！「！！イヤーッ！」 17
2012-06-19 00:23:17
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チルノの放ったダンマクが突如動きを停止したのだ！ダンマクの軌跡を読んで針を投擲していたヨウカイスレイヤーにとっては不意打ちも同然！「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーは寸前のところで側転し回避！アブナイ！ 18
2012-06-19 00:25:24
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「これがケルビン・ジツのしんずい！イヤーッ！」チルノが手を前にやると、おお、いかなる原理であろうか、停止していたダンマクが活動を再開！「イヤーッ！」さらにチルノから2回目のダンマクが放たれる！ 19
2012-06-19 00:27:26
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「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーはタタミ針で相殺しながら接近！「イヤーッ！」相殺、接近！「イヤーッ！」相殺、接近！「イヤーッ！」相殺、接近！「イヤーッ！」ダンマクが再停止！「イヤーッ！」 20
2012-06-19 00:31:44
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ゴウランガ！ダンマクが動きを止めたと同時にヨウカイスレイヤーが跳躍！同時に追尾ザ・フートンを4枚投擲！「イヤーッ！」「グワーッ！」さらに追尾ザ・フートンを4枚投擲！「イヤーッ！」「グワーッ！」全てのザ・フートンがチルノに直撃！ 21
2012-06-19 00:34:02
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@YKSLYR
「アバ……アバッ」「動かぬダンマクなどただのオブジェに等しい。ハイクを読め。もしくはセンベイをよこせ」「待て、センベイはあげる……オモチもある。だから」「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーはチルノをカイシャクしようとした。そのときである！「ゲコーッ！」 22
2012-06-19 00:37:59
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@YKSLYR
赤色をした縄のようなものがチルノの体に巻きつき、彼女を氷の張った水面から引き剥がした！ヨウカイスレイヤーは目で追う。その先にいたのは……体長2メートルはあろう巨大カエル！縄めいたものは実際舌だ！チルノは巨大カエルの腹の中へと飲み込まれてゆく！「アバババーッ！」 23
2012-06-19 00:40:17
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@YKSLYR
チルノを飲み込んだ巨大カエルは、先ほどチルノが凍らせたカエルも舌で拾いあげ、いずこかへ消えていく。「……ふぅ」トドメをさし損ねたヨウカイスレイヤーはため息をついた。そして抜け目なくセンベイとオモチを拾い、食べた。 24
2012-06-19 00:44:44