坂口恭平の世界をレイヤーでとらえイジメを無力化するやり方

坂口恭平氏の根幹をなす世界の見方、生き方。争うのではないずらすのだ。
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坂口恭平 @zhtsss

今から今度の書き下ろし単行本でどんなことを書こうとしているかを書いてみよう。前書きのようなもの。そろそろ執筆開始する。大体一日に20枚ほど書こう。400枚書くとして20日間。おそらく欧州遠征中に書き上げることができると思う。思考都市は完成した。あとはその街を歩くだけだ。それが執筆

2012-08-12 12:40:59
坂口恭平 @zhtsss

誰かが作った幻は本当に解像度が低すぎて、すぐにボロが出てくる。でも、もうすでにあるもんだから、ついみんな楽をしてその幻の中で楽しもうとする。幻の中でリアルを見つけてしまう。その幻は他者との関係性の中だけで存在するので、他者よりも良い環境にいるということが重要になる。だからイジメる

2012-08-12 12:50:58
坂口恭平 @zhtsss

「幻」というと、なんか変な捉えられ方をする。僕はいつも「幻」のことを「遊び」と呼んでいる。「遊び」にも色々ある。タッチすれば「鬼」になる「鬼ごっこ」。風に乗せて飛ばせる「凧」。誰かがプログラミングしたゲームを楽しむ「ファミコン」。白いキャンバスに好きなモノを描く「絵」。全て遊びだ

2012-08-12 12:56:05
坂口恭平 @zhtsss

ファミコンで勇者になったって本当は勇者でもなんでもない。鬼になってしまったって別に自分は鬼でもなんでもない。でも「遊び」の時間ではそれを幻だとは言わずに「鬼」になったら「鬼」として生きる。「警察」にも「泥棒」にもなれる。そうやって子供は劇をするのが得意だ。大人はそれを自覚できない

2012-08-12 12:58:21
坂口恭平 @zhtsss

小学5年生の時に、僕は「こっくりさん」に呪われた笑。放課後、女の子三人組が机の上でジメジメこっくりさんをやっていたので「何やってるの?へーこっくりさんねえ。よくそんなもの信じられるね。幸せな人だね」って言ったら、こっくりさんが怒って呪われたと言う笑。次の日、僕は呪われた人になった

2012-08-12 13:01:11
坂口恭平 @zhtsss

「呪い」などという言葉は、なんとも幻にしか思えないが、子供界ではかなり「リアル」であるらしい。僕は呪われたということで、クラスの中でなんとも変な雰囲気に包まれた。みんなどことなく避ける笑。。ま、いじめられたのかも。。別に何も気にしなかったけど。でも僕は呪われた人になった。面白い。

2012-08-12 13:03:30
坂口恭平 @zhtsss

どれくらい呪われているの?と聞いてもただ「呪われている」と言われるだけ笑。数値で表せるようなものだとそれが「幻」「遊び」だと判明してしまうので、とても抽象的な概念に向う。そんなものが子供界には溢れている。「汚い」と言われれば、みんな避ける。どこにも汚れは見えないのだが。演技の天才

2012-08-12 13:06:38
坂口恭平 @zhtsss

で、僕は一人でつくる「幻」「遊び」には徹底してのめり込む子供だったのだが、どうやらみんなで作る解像度の低い適当な「遊び」には本当に付いていけなかった。だって馬鹿すぎるんだもん。そして、他者の力を使うから幻が甘くてもリアルっぽく見えるので、すぐ人は調子に乗る。それが好きではなかった

2012-08-12 13:08:50
坂口恭平 @zhtsss

しかし、その時に「呪われたとは何事だ。呪いなんか存在しない」などと言うと、野暮なことを言っている人間と認定されてしまう。その時に、なんとなくこれは「遊び」なのだから「ルール」を守れと言われたような気分になる。正攻法で同じレイヤーでは戦っても勝ち目がない。それは多数決の世界だから。

2012-08-12 13:10:36
坂口恭平 @zhtsss

だから怒ったり文句を言ったりしちゃ駄目である。そのような内紛や一揆や抵抗は、その「幻」の強化に繋がる。僕は「いじめ」についての結構天才的なフィールドワーカーだったので、それがよく分かってた。抵抗、反抗、先生という「司法」に言いつけるなどという行動はうまくいかない。全部グルだから笑

2012-08-12 13:14:41
坂口恭平 @zhtsss

「こっくりさん」を「抽象的だ。呪いなんかあるわけない」と怒っても無理。「鬼ごっこ」で「お前が鬼なわけねーだろ」と言っても無視されるだけ。だから同じ「レイヤー」にはいなくてはいけない。これが僕が前著で書いた「学校社会も存在していることは忘れるな」である。ドロップアウトじゃ駄目なのよ

2012-08-12 13:19:43
坂口恭平 @zhtsss

僕はドロップアウトには興味がない。それはただ自分だけの世界である。僕は昔から「こっくりさんに呪われても自分は信じてないから自分だけ無視する」のではなく「こっくりさんは学校社会の中でかなり問題のある、いじめを誘発する起因になりうる」と判断したら「こっくりさんとは何か」を調べちゃう人

2012-08-12 13:23:13
坂口恭平 @zhtsss

そこで坂口恭平は何をしたか?まあ今やっている新政府のアイデアとほぼ相似形です。つまり、僕の今の仕事のほとんどの哲学的思考はすべて幼少期から変化していません。今からそれを説明します。

2012-08-12 13:25:51
坂口恭平 @zhtsss

「こっくりさん」は否定しない。それもその人たちが作った「遊び」なのですから尊重します。しっかりと「呪われ」ます笑。別に鬼になっても凹まないのですから「呪われ」ようが構いません。それを受け入れる。これが学校社会を受け入れると同じこと。それ自体は別に悪いものでもない。没入しなければ

2012-08-12 13:28:52
坂口恭平 @zhtsss

KOKKURISM(こっくりさん主義)に陥らずに、KOKKURiZOOM(こっくりさんとは一体何か?)という哲学的命題に切り替える。彼女達は呪われた僕に踊り場でこっくりさんに謝れと命令するのでしっかりそれに従う。そして確認。「へーこっくりさんって謝れば許してもらえるんだ!」って。

2012-08-12 13:31:59
坂口恭平 @zhtsss

ちゃんと「呪われて」いることは尊重してあげる。「遊び」ですから。でも「鬼ごっこ」と同じテンションで。鬼ごっこで鬼になっても誰も凹まない。ただ鬼として「生きる」だけです。そこで僕も「呪われ人」として生きた。そのこと自体に凹まない。徹底して呪われた人として生きる。呪いも意外と面白い!

2012-08-12 13:35:23
坂口恭平 @zhtsss

三人組の女たちは僕が「こっくりさん」を全く否定せずに、謝るのを見て「なんかあんまり信じ込んでないようだ」と焦ったのでしょうか。しっかりと僕が深々ニコニコしながらこっくりさんに向けて謝っても呪いが解けません。逆にさらにこっくりさんを怒らせたようで、さらに深い呪いにかけられた!笑。

2012-08-12 13:37:43
坂口恭平 @zhtsss

ということで、さらに僕は回りから避けられることに笑。でもみんなからではありませんでした。僕は昔から無類の女好きなのですが笑、そのクラスにもイチャイチャしている女の子がいまして、その子とはウインクしてたわけです。「呪われちゃった♡」と。すると彼女は理解してくれてた。それが幻だって。

2012-08-12 13:40:07
坂口恭平 @zhtsss

こうやって「こっくりさん世界」もちゃんと尊重しつつも、僕は別に「女の子たちといちゃいちゃする愛欲の世界」も持ってました。なので、昼休みなんかドッヂボールで遊んでいる男たちを無視して女の子たちに手作り便箋などを売り暴いたりしてました笑。手作りでなんでもできるイイ男でもあったのです笑

2012-08-12 13:44:07
坂口恭平 @zhtsss

こうやって、僕は当時からどんどん新しい世界を作り出してました。こっくりさん世界に汚染されてもそれでも楽しくいれるように。女の子との愛欲世界。独自の言語を作り海賊「コンティキ」を結成した海賊世界。教科書を丸暗記し常に百点だった勉強世界。野球世界にもいた。漫画世界も。いくつも持ってた

2012-08-12 13:47:04
坂口恭平 @zhtsss

で、それらいくつもの世界が一つのレイヤーにまとめられているという「幻」。これが「学校社会」です。そこで、僕はこの「こっくり世界」をちゃんと「学校社会」の中で捉えようとしました。つまり「学級集会」の議題に出したのです。「こっくりさん」を糾弾するのではなく、認識するために。

2012-08-12 13:51:46
坂口恭平 @zhtsss

僕は手を挙げて、どうやら「こっくりさん」というものが存在していて、自分は「呪われた」状態にあることを伝えました。こっくりさんは通常、学級集会には登場してきません。だからみんなちょっと笑いました。文化祭の準備や係決めと同じレベルで「こっくりさん」を一つの世界として認識してると表明。

2012-08-12 13:57:55
坂口恭平 @zhtsss

もちろん「こっくりさん」の呪いがもう面倒くさいから「呪いを解く」というのが目的なんですよ。でもただ反抗したり馬鹿にしたりせずに、つまり主義に陥らずに哲学的思考を提案する。「こっくりさん」とは何か?を議題として挙げたんです。担任の芋生(いもう)先生も面白い人だった。笑える冷徹な人。

2012-08-12 14:01:05
坂口恭平 @zhtsss

芋生先生はルール変更が得意で僕も一つ提案したことがある。僕は教科書全て暗記してましたからほぼオール5だったムカつく少年だったのですがオール5じゃ周辺が満足いかなくなってきたので、5の上に○をくれ、とお願いしたんです。そしたら漢字と計算大会で全部100点だったらいいよと。結局獲得!

2012-08-12 14:04:50
坂口恭平 @zhtsss

で、議題に「こっくりさん」を上げてどうやら僕は呪われているらしいことを伝えた。みんな笑った。議題に上がるようなものじゃないから。でもこれで「こっくりさん世界」と「学級集会世界」が混ざったので、本題に入れる。こっくりさんは「幻」であると言える。でも彼女たちは「リアルだ」と言い張った

2012-08-12 14:09:03