木野龍逸氏、細野原発担当相の、「原子力の技術をどう残すかについて知恵がない限り、(原発ゼロは)そんな簡単に言えることではない」発言に疑問を呈する

ジャーナリストの木野氏が8月21日の細野原発担当相の発言に対して疑問を呈した。 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120821-OYT1T00744.htm
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リンク YOMIURI ONLINE(読売新聞) 脱原発&目指したい戦略相、簡単に言えぬ原発相 古川国家戦略相は21日の閣議後の記者会見で、原発ゼロの社会を目指すかどうかについて、「私はそれを目指したい」と強調した。
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

細野大臣は、原子力の技術を残すためには脱原発と簡単にいえないというが、技術というのは新しくモノを作るためだけにあるのではない。脱原発と原子力技術開発をリンクさせるのひどいミスリード。→脱原発…目指したい戦略相、簡単に言えぬ原発相 http://t.co/ter2h7pk

2012-08-26 15:05:06
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

承前)原発があるから技術開発ができるなどというのは、なにを根拠にしているのだろうか。そもそも、なんの技術開発ができるというのだろう。原発を推進してきた50年の間に、事故を防ぐ技術開発ができなかったことを忘れたのだろうか。それとも福島の事故は未曾有の天災が原因と言い張るのだろうか。

2012-08-26 15:07:42
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論というか)細野大臣が、脱原発は原子力の技術をどう残すかについて知恵がない限り、簡単にいえることではない、発言したけども、これは問題を見誤っているのではないかと思う。なぜ脱原発になると原子力全体の技術が残らなくなるのか、どういう関連性があるのかがわからない。

2012-08-26 20:55:44
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論というか2)脱原発で原子力技術が残らないというと、まず出てくるのが、原子力に先がなくなるから人が集まらないという話。でも去年の事故時点で、原子力は魅力あるジャンルだったのだろうか。優秀な人達がどんどん集まって、補助金がなくても発展し続けるバラ色の産業だったのだろうか。

2012-08-26 20:58:37
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論というか3)脱原発になると先がないから人が集まらなくて廃炉技術も確立できないというのは、裏を返すと、原発を維持し、作り続けたい人達がいないと廃炉技術ができないということにならないか。これは一面的に過ぎるように思う。

2012-08-26 21:05:45
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論というか4)僕は原子力の専門家ではないけども、巨大技術には様々な分野があることはわかっているつもりだ。多様な分野の技術が有機的に集まって、ひとつの大きな形を作り上げる。原発ほど大きくはないが、例えばクルマは数万点の部品が整地に組み合わさり、ようやく動く。

2012-08-26 21:07:23
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論というか5)その中には排ガスを低公害化する技術もあって、それはちょっと前までは、クルマを売る上ではセールスポイントにならなかったのだけども、極めて重要な部分だった。こういう分野の人達は、クルマを売るための本筋ではないけども、重要性を理解して、必死に開発に取り組んでいた。

2012-08-26 21:14:31
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論というか6)要は、技術者が何を重要視して、どのようなモチベーションで技術開発に取り組むのかが大事なんではないかなと思う。原子力の世界はこれまで、いわゆる原子力ムラの人達が牛耳ってきて、推進拡大につながる研究開発にはカネが流れていた。一方で・・・

2012-08-26 21:16:58
週刊金曜日 @syukan_kinyobi

@kinoryuichi JCO事故後の原子力学会ですでに「優秀な人材が入ってこない」悩みを幹部が語っていました。特に核燃料関係が悩みの種だと当時聞きました(浩)

2012-08-26 21:17:42
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論というか7)・・・一方で、原子力の安全性に疑問を持ち、基礎研究からやろという動きに対しては排除する力が働いた。この事実は、故・高木甚三郎氏の著作を少し読めばすぐにわかるし、熊取六人衆といわれた今中氏、小出氏らの処遇を見ても明らかだろう。

2012-08-26 21:18:50
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論というか8)原発を維持する限り、こうした人達が浮上し本流になる機会は、おそらくこない。一方で、もし脱原発に舵を切ると、どうなるだろう。これまでは冷遇されていた基礎研究を始め、安全確保のための技術開発、安全を重視した放射線防護技術などが進むというのは、考えられないだろうか。

2012-08-26 21:23:16
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論9)そうなれば、これまでとはまったく違った視点で原子力を見ることができるのではないだろうか。新しい視点から見たときに、新しい技術開発が進む可能性は、否定できない。そもそもメルトスルーした原発を無害化した例は過去にないのだから、従前の視点だけでは難しいようにも思える。

2012-08-26 21:27:07
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論10)もちろん時間はかかるが、福島第一の廃炉は気の遠くなる時間軸で考える必要があるから、それもいいのではないか。むしろ、現時点で見えている技術だけで判断しようという手順に無理がある。もひとつ疑問を増やすと、原発を建設し動かす技術と、福島を廃炉にする技術が同じなのかと。

2012-08-26 21:29:14
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論11)これは製品を作る技術開発と廃品して無害化する技術を一緒くたにしてるような感じで、どうも違和感がある。最後にもうひとつ。廃炉技術はこれから世界的に重要視されるもので、決して先が見える世界ではない。確立された廃炉技術など、どこにもないからだ。

2012-08-26 21:35:26
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(技術論12)ここで先行すると、それこそ世界中に技術を拡散することができるかもしれない。コストパフォーマンスが良く被ばく労働を前提としない廃炉技術は、これから廃炉になる世界中の原発が求めているものだ。原発を維持しないと廃炉技術ができないは、新しい可能性を無視した乱暴な言に見える。

2012-08-26 21:38:50
週刊金曜日 @syukan_kinyobi

@kinoryuichi 主要国立大学工学部からはおそらくすべて「原子力学科」の名前は消滅。学生が入ってこないためで、たとえば東京大学は「システム創成学科」に名称変更 http://t.co/Tvu3h7s3 学科紹介を見ても「原子力」の文字はどこにもありません。これが実態(浩)

2012-08-26 21:27:08
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

聞いたことあります。確かにあんな原子力ムラに入るのって、イヤですよ。RT @syukan_kinyobi: @kinoryuichi JCO事故後の原子力学会ですでに「優秀な人材が入ってこない」悩みを幹部が語っていました。特に核燃料関係が悩みの種だと当時聞きました(浩)

2012-08-26 21:40:38
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

もう長いこと人が減り続けているのに、原発を維持しないと人が集まらないなどというのは、何を見て言っているのか。詭弁にもほどがある。そもそも人が減ったのは、原子力ムラの閉鎖性が知れ渡ったことにも原因があるのではないかと。脱原発で、この現状が変わる可能性があるのではないか。

2012-08-26 21:45:22
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

少なくとも、現状を維持する限り、新しい人材は入ってこないと思う。原子力ムラの閉鎖性だけでなく、保安院や安全委、原子力委、電力会社の異様な実態、関係性も表に出てきたから。この文脈の中に志のある人が入ってくるとは、想像ができない。

2012-08-26 21:47:58
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

@syukan_kinyobi ぜんぶって、すごいですね。。。う〜ん、細野さんがこの実態を知ってるとしたら、技術を残す云々は口からでまかせですかねえ。取り込まれちゃったかなあ。。。

2012-08-26 22:03:34
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

(承前)もうひとつ。やっぱり出てくるのが、原発を動かし続けないと技術が確保できないという話。これは環境技術の市場価値を無視してるように思う。単に「やめる技術」と考えるのか、新たな環境技術と考えるのか。このへんの意識転換ができないと、原発を残したところで廃炉技術は進歩しないのでは。

2012-08-27 05:21:30
週刊金曜日 @syukan_kinyobi

@kinoryuichi 木野さんが言われるように、原発全廃のための「廃炉」技術確立など、自らの努力の成果が社会に役立ち、また賞賛されると思えば若い人が集まる可能性があるのではないかと……(少し楽観視かも)___(浩)

2012-08-26 22:20:25

参考:昨年(2011年)11月の発表だが山形浩生氏の論

原発後始末のためにも原発継続を

(『Voice』2011 年 11月 pp.40-1)

山形浩生

要約: 原発は、止めたらそれでおしまいじゃない。ずっと後始末もいる。そのための人材を確保するにも、原発に未来は残しておくべきではないか。もっと新しい安全性も高い技術も出てきているんだし。