パーソナルサポート(PS。10月31日放送日本テレビ系「NEWS ZERO」で放送)に関する特集についてのツイートまとめ

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大西連 @ohnishiren

昨晩(10月31日)の日本テレビ系「NEWS ZERO」で放映されたPS(パーソナルサポート)に関する特集について、MLやSNSでいくつか意見が出ていた。 僕は放送を見ていないのだが、『生活保護を使わずに「貸付」を利用して就労自立に至った例を「成功例」として紹介していた』らしい。

2012-11-01 12:52:19
大西連 @ohnishiren

もちろん、視聴していないので推測だが、この場合の「貸付」とは社協の貸付であろうか。いわゆる「第二のセーフティネット」と呼ばれる一連の諸施策を活用したと推測はできる→。 http://t.co/wNk9rtXp しかし、「第二のセーフティネット」に問題は多い。

2012-11-01 12:53:10
大西連 @ohnishiren

「住宅手当」は家賃補助を給付で行う制度で、原則6ヶ月間利用できる。 「総合支援資金貸付」は「生活支援費」として単身で月に15万円以下の貸付、「住宅入居費」としてアパートの初期費用など40万円以内の貸付、「一時生活再建費」は必要に応じて60万円以下の貸付を受けることが出来る制度。

2012-11-01 12:53:46
大西連 @ohnishiren

「住宅手当」は「給付」だが、それ以外は「貸付=借金」になってしまう。 例えば半年間、仕事がみつからず「就労自立」できなかった場合、「生活支援費」が15万×6ヶ月で90万円、アパートの初期費用30万円+就職支度費に10万円かかったと仮定すると、総額約130万円の借金になる。

2012-11-01 12:54:32
大西連 @ohnishiren

この施策を使って「就労自立」できなかった場合「借金」だけが残り、最終的には生活保護を利用するしか方法がなくなる。また、「就労自立」できた場合も「借金」を背負うことに変わりはない。もちろん少額ずつの返済が可能だが、就労までに時間がかかると100万円超の借金を抱えることも珍しくない。

2012-11-01 12:55:22
大西連 @ohnishiren

生活保護が「給付」であるのに対し、第二のセーフティネットは「貸付」。 同じ社会保障でもその役割は大きく異なり、一人ひとりの状況・背景・健康状態・能力に応じて適切な提案をしないと、その人のリスクを高めてしまう。先述のPSでは各制度の詳細、特にデメリットについて説明をしたのだろうか。

2012-11-01 12:56:24
大西連 @ohnishiren

そもそも「パーソナル・サポート・サービス」とは、平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」に基づき、様々な生活上の困難に直面している方に対し、個別的・継続的・包括的に支援を実施するものである。 →http://t.co/D9Oa236j

2012-11-01 12:57:06
大西連 @ohnishiren

パーソナル・サポート(PS)は、一人ひとりに寄添う伴走型の支援を行うことで、生活破綻を食い止め、居場所や就業を通じた社会参加を確保し、その人が再び元気に歩き始めるお手伝いをすることが目的。現在、全国29の事業所にてモデル的に実施されている。http://t.co/EPfRTUXg

2012-11-01 12:57:38
大西連 @ohnishiren

僕はPSに関わっていないので推測だが、「相談者の視点」で聞き取り&確認を行い、インテーク→アセスメント→プランニングという流れで、現状の問題点の整理と今後の計画、利用可能な制度の説明と提案を、丁寧に「共同構築」しながら行っているものと思われる。それが「寄り添い型」「伴走型」。

2012-11-01 12:58:35
大西連 @ohnishiren

であるなら当然、「生活保護」の利用も大きな選択肢として入ってくる。 特に先述したように「第二のセーフティネット」の各施策は特定(一部)の条件に合致していれば(早期に確実に就労できる見込みがある等)有効と言えるが、そうでなければ多額の債務を背負わせてしまうリスクのほうが大きい。

2012-11-01 12:59:15
大西連 @ohnishiren

これは、厚生労働省の「生活支援戦略(素案)」についても言えることだが、就労自立前提の制度設計、相談体制の確立はナンセンスである。(このことについてはシノドスに寄稿した拙稿をご参照いただければ→http://t.co/g2fvLMWL

2012-11-01 12:59:38
大西連 @ohnishiren

「就労自立前提」の社会保障は、根本の雇用状況・労働環境への施策とセットでなければ効力がないし、そもそも「働けない(健康状態や年齢、社会インフラの不備により)」ことが認められない社会はおかしい。そのような「ワーキングファースト型」の社会保障を目指していくのは実態とかけ離れている。

2012-11-01 12:59:51
大西連 @ohnishiren

確かに、現状の財政状況では社会保障削減の動きが出てくるのは自然であろう。しかし、本当に必要なことは持続可能な実態に即した社会保障制度について考え、議論していくことである。社会的包摂の概念から誕生したPSは、本来、当事者視点の「寄り添い型」「伴走型」の支援を志しているはずである。

2012-11-01 13:00:15
大西連 @ohnishiren

先日皮肉にも財務省が、財源論の視点から社会保障について提言を行った。 →http://t.co/57sb6yFs この65ページにPSをはじめとする各モデル事業に対する「検証」の必要性について提案がされている。

2012-11-01 13:00:37
大西連 @ohnishiren

僕個人としては、PSのような「寄り添い型」「伴走型」支援の在り方や、そこに国が予算をつけて体系的に、包括的に取り組んでいくことには賛成である。 しかし一方で、どのような人が、どのような体制で、どのようなスタンスでその責を担うのかについては、慎重で丁寧な議論が求められていると思う。

2012-11-01 13:01:21
大西連 @ohnishiren

「委託」という形であっても、行政側の視点や財源論的な発想ではなく、本当に一人ひとりの「困っている」方たちに寄り添って伴走していく、そういったサポートの仕方が必要。それを忘れてしまったら僕たち民間がそれを担う意味がなくなってしまう。また、本当に必要な支援につながらなくなってしまう。

2012-11-01 13:01:52
大西連 @ohnishiren

本当に必要なサポートや、担い手、体制について、僕個人としてどうしたらいいかという「回答」を今は持ち合わせていない。それが歯がゆくもあるけれど。 しかし、自分がそういった界隈に携わっている以上、できることを積み重ねていかなければと思っています。しりすぼみな連投になってごめんなさい…

2012-11-01 13:02:36