町山智浩さんによるアメリカ2大政党制の歴史解説

アメリカ在住の映画評論家である町山智浩さんによる、アメリカの二大政党政治の歴史の解説です。 (町山さんによる[補足][続き]を追加しました)
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町山智浩 @TomoMachi

(補足2)カリフォルニアやアリゾナなどのアメリカ西部は民主党のポーク大統領が米墨戦争でメキシコから強奪した土地だが、共和党のリンカーン大統領はそれを「侵略戦争だ」と批判した。また民主党による南部連合は南北戦争で北部に勝ってアメリカを支配した後、中南米を侵略する構想を持っていた

2012-11-04 17:50:47
町山智浩 @TomoMachi

(続き)アメリカの政治潮流は個別の大統領や政党よりもCoalition(連合)で見る必要がある。30~60年代のニューディール体制は以下の人々の投票で支えられた。労働組合、農民、南部人、インテリ、民族的または宗教的マイノリティ。これを「ニューディール連合」と呼ぶ。

2012-11-05 00:08:41
町山智浩 @TomoMachi

(続き)レーガン以降、08年まで続いた保守体制を支えた連合は「レーガン連合」と呼ばれる。WASP、キリスト教保守、富裕層・財界、それにそれまで民主党を支持していた南部人、中西部の労働者たち。この連合によっていわゆる「アメリカ保守革命」が続いた。

2012-11-05 00:13:18
町山智浩 @TomoMachi

(続き)ニューディール連合の時期に大統領になったアイゼンハウアーは共和党にもかかわらずリベラルな政策を取った。レーガン連合の時期のクリントンも民主党にもかかわらず新自由主義政策を取った。だから個々の大統領よりも連合がアメリカの行き先を決定すると言われる。

2012-11-05 00:15:37
町山智浩 @TomoMachi

(続き)だが06~08年にかけてブッシュ政権の失政でレーガン連合から労働者やキリスト教保守が抜けた。一枚岩だったキリスト教福音派も分裂し、たとえば福音派の大物ハンター牧師はオバマの宗教顧問だったりする。現在、大きな連合はなく、政治地図の再編成期である

2012-11-05 00:18:35