茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第７７７回「幸運は、ランダムではない」

茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ！　ぷれいりーどっぐくん、おはよう！

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連続ツイート第７７７回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、「ラッキーセブン３ならび！」に因んで、「幸運」について！

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こら（１）この連続ツイートも、本日で、７７７回を迎えた。ツイッターというメデイアが存在する限り、また、私がツイッターを使う限り、この連続ツイートは続けていきたいと思っている。極端なことを言えば、他のツイートは何でもよい。この毎朝のツイートだけは、必ず続ける。

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こら（２）「７７７」というと、世間ではいわゆる「ラッキーセブン」が３つそろった状態なので、今朝は「幸運」について考えてみたいと思う。「幸運」というと、人は、宝くじを思い出すかもしれない。宝くじで当たるか当たらないかは純然たる偶然であり、そこに人生の履歴は関係してこない。

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こら（３）逆に言えば、どんな人でも、どんな人生を歩んできた人でも「当たる」かもしれないのが、宝くじの救いなのかもしれない。それまでの経緯は抜きにして、純然たる乱数発生装置の結果によって、巨額の賞金が来る。だからこそ、人は、宝くじに夢を託すこともあるのだろう。

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こら（４）ここで気をつけなければならないことは、人生における「幸運」とは、宝くじのようなものとは少し異なるということである。人生における幸運は、むしろ、あなたがどのような人であるか、ということに関わる。どこで生まれ、どのように育ち、今どう生きているかということの中に幸運がある。

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こら（５）もともと、自分がある存在である、ということ自体は、偶然である。たまたまある国のある場所に、ある資質を持って生まれてしまった。しかし、一度そのような状況で生まれた以上、それはいつしか必然となる。「偶然」が「必然」に跳躍することが人生の「偶有性」であり、その中に幸運がある。

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こら（６）つまり、人生における幸運とは、自分の置かれた状況を受け入れ、そこから出発する時に芽生えるということになる。受け入れると言っても、現状をすべて肯定する必要はない。むしろあがいていい。違うところを目指していい。しかし、あくまでも、「今、ここ」の自分から出発するのだ。

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こら（７）幸運は、ランダムではない。毎日乱数発生装置がカラカラいって、ポンと当たり玉やハズレ玉が出て、一喜一憂する、というのとは、幸運は異なる。むしろ、幸運は、自分の何気ない日常の中から、じわりとしみ出てくるものである。幸運とは、自分自身が発見する、脈絡のようなものである。

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こら（８）自分自身の資質。持っているもの。自分が置かれている状況。周囲の人々。そこに、ぽっかりと空いた穴。これらのものを全体から俯瞰して、結びつきを発見し、偶然を必然とすることの中に、人生の「幸運」がある。その意味では、幸運は偶然ではなく、必然である。いや、必然とするのだ。

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こら（９）だから、幸運をつかむためには、注意深く自分とそのまわりを観察し、認識し、「気づき」に至らなければならない。幸運が、乱数によって結果が決まるランダムなプロセスだと思っていると、幸運を掴むことができない。幸運な人とは、自分と他人に対して、愛のある認識を振り向ける人なのだ。

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以上、連続ツイート第７７７回「幸運は、ランダムではない」でした。