斎藤環氏などのアウトレイジ ビヨンド映画評

北野武のアウトレイジ ビヨンドを評価していた人たちまとめ 斎藤環(精神科医) ni_ka(詩人・アーティスト) 藤田直哉(SF評論家)
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東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

北野は役者らしい芝居を嫌う。だから西田敏行や中尾彬といった“達者な”俳優の起用には驚いた。西田は、北野の好みを知りつつも「演じないように見せる演じ方はできる!」と自ら手を挙げている。その結果、今まで見たこともない西田の“顔”を目撃できたのだから、これもまた「引き算」の勝利かな。

2012-11-17 00:16:13
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

片岡の言葉は、疑心暗鬼と抗争を誘発する「命令」のように機能する。殺人(≒享楽)を命ずるエージェントとして、彼は本作における「超自我」の審級を占める。権威者ではなく、われわれの苛立ちをかいくぐり、殺人の衝動を埋め込んでは逃走を繰り返す、ピンポンダッシュのような“卑しき超自我”。

2012-11-17 00:17:01
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

ヤクザ映画の型を借りて、人間の攻撃性の蒼古的な層にまでさかのぼるような、深読みしがいのある傑作。刑務所で禁煙している武を観て、彼の昔のギャグ「手入れのゆき届いた暴力団事務所」を思い出した。そういうユーモアも健在。まあ必見でしょう。

2012-11-17 00:21:10
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

以下余談。たけしは天才だと思うけれど、ほぼ唯一努力が実らなかったジャンルがある。歌手としての北野武は、声質が変わるほどのトレーニング(例えば「いたいけな夏」以後の明らかなヴォーカル・スタイルの変化)にも関わらず、必ずしも成功しなかった。

2012-11-17 00:21:35