天秤氏による『不自由セカイ』感想と考察まとめ

コダマナオコ氏の「不自由セカイ」のレビューを検索したところ天秤氏の感想と考察がなかなかに興味深かったのでまとめてみました。
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天秤 @azure19s

コダマナオコさん『不自由セカイ』(百合姫)読了。高瀬さんが救済まんがでちっとも救済されていない件について! 私はああいう理論武装しながらも、し切れていないような感じはよく分かるので、番外編で感情移入しまくりました。彼女のビンタの場面に、いい人っぷりが悲しくも出ている。#百合

2012-11-17 15:55:08
天秤 @azure19s

コダマナオコさん『不自由セカイ』感想①。重要なのは、「奴隷」という言葉で象徴される依存関係からの脱却の難しさだったように思います。お互いにとって普通になっていた軛を外すのには大変な「勇気」が必要で、礼央は高瀬の諫言なくしてできませんでした。語られたのは「自由への勇気」。#百合

2012-11-17 16:02:06
天秤 @azure19s

コダマナオコさん『不自由セカイ』感想②。奴隷と主人という関係は、二人にとって「不自然」なのだけど、同時に鎖のために安定した関係でもあります。ゆえにそれが外れたときに双方が「不安定」に恐怖し逃げてしまう。関係を終える自由を双方が得たからこそ、終えられる前に自分から逃げます。#百合

2012-11-17 16:11:23
天秤 @azure19s

コダマナオコさん『不自由セカイ』感想③。この作品の最大の美点は、二人は奴隷と主人という関係を止めて、自由恋愛で結ばれました、めでたしとしないで、関係が残る以上一定の「不自由」は残るという点をしっかり描いたところだと思います。最期の桜の下での独白が象徴的です。#百合

2012-11-17 16:13:27
天秤 @azure19s

コダマナオコさん『不自由セカイ』感想④。「一緒にいたらまた振りまわされて感情が絡みあったりねじれたりして自分を見失う」。この独白が全てです。奴隷と主人という不自然で不自由な関係から抜け出して、二人は「別の」不自由な関係に至ります。一人で自由にではなく、二人で不自由にを選ぶ。#百合

2012-11-17 16:17:36
天秤 @azure19s

コダマナオコさん『不自由セカイ』感想⑤。つまり、奴隷と主人から抜け出し、それぞれ自由に個々に生きる状態に解放された後、最終的に自分の意志で(=自由に)、「別の」不自由な関係性の中に帰っていくのです。蓋しタイトルの「不自由セカイ」は、奴隷状態だけを指すものではありません。#百合

2012-11-17 16:21:46