愛国心とは何か

昨今、韓国や中国の悪口を言えば愛国心の証だと思っている人は多い。だが、子育てを例に考えても、我が子のなす事はすべて正しく、愚かで悪いのは他人の子、と考える母親は、子供をダメにしてしまうだろう。自国の批判を許さず、他国の批判ばかりをするのは、愛情ではなく痴情である。真に国を愛するのなら、何に気を付けなければならないのか、まとめてみた。
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shinshinohara @ShinShinohara

愛国心とは「他国の悪口を言うこと」と思っている人が多い。 特に中国や韓国のよいところを指摘すると、まるで愛国心がないかのように批判されるという憂き目に遭う。 「自分の国が一番」と訴えることこそ愛情の証と考えているのだろうか。 だとすれば、愚かな話である。

2012-11-18 09:23:00
shinshinohara @ShinShinohara

愛情深く賢い母親は、我が子をこう評するだろう。 「世間から見ればいろいろ至らないところがあるかもしれませんが、私にはかけがえのない、かわいくてたまらない子なのです。」 ほかの何ものにも代え難い、深い愛情を抱きながら、我が子を客観視する冷静さも併せ持つ。 賢い母親はそういうものだ。

2012-11-18 09:24:29
shinshinohara @ShinShinohara

ところが愛情深いが愚かな母親もある。 我が子が一番、自分の教育方針は絶対正しいと思い込み、批判を一切許さない。 「ウチの子が悪いって言うんですか!よその子だってやってるじゃないですか!」 いわゆる「モンスター・ペアレンツ」にはこうしたタイプが多い。 そして、子どもをダメにする。

2012-11-18 09:27:45
shinshinohara @ShinShinohara

愛情は大きなエネルギーとなる。 愛することは悪いことではない。 けれども、愛情に溺れ、自分の愛するものを他者も一番に愛さなければならないと思い込み、批判すれば噛み付くというのは、愛情とは呼べない。 それは、愛情ではなく痴情である。

2012-11-18 09:28:19
shinshinohara @ShinShinohara

愛情は確かに、深浅がある。 近しく親しいものに深い愛情を覚え、そこから遠くなるほど愛情は薄くなる。 それでよいと思う。 私は、博愛の精神というのを胡散臭いと思う。 すべてを愛する博愛は、神ではない私たちには、実践が難しい。 その現実は認めなければならないと思う。

2012-11-18 09:28:38
shinshinohara @ShinShinohara

だが、自分の好きなものだけを愛し、その他のものには一瞥もくれないという心の狭さは、愚の骨頂である。 たとえ愛情は湧かなくても、他者をないがしろにすればいずれ自分の愛するものさえだめにしてしまうということを冷静に理解する、賢さが必要だ。

2012-11-18 09:29:19
shinshinohara @ShinShinohara

周囲の子どもたちに「ウチの子をよろしくね」といって、配慮する賢さがあれば、周囲の子どもは我が子を大事にしてくれよう。 だがもし、愛情が湧かないからといって、よその子には冷たい態度をとる愚かな行動をとれば、愛する我が子がいじめられることにもなりかねない。

2012-11-18 09:29:47
shinshinohara @ShinShinohara

愛情ではなく、痴情であるというのはそのためだ。 自国を溺愛し、批判には噛み付くという愛国者は、その心の狭さのゆえに国を誤らせ、ダメにする。

2012-11-18 09:30:28
shinshinohara @ShinShinohara

愛国心を訴える人に申し上げたい。 もし本当に国を良くしたいのなら、愛国心だけではダメだ。 愛するものを良くするには、4つが必要である。ひとつは愛情。自分の故郷とそこに住む人々に愛着を持てば、その人たちのために、というエネルギーになる。愛情はエネルギーの源泉として確かに必要だ。

2012-11-18 09:33:03
shinshinohara @ShinShinohara

しかし、あと三つがなければならない。 二つ目に、知識である。いろいろな国の、いろいろな人々の生き方、文化を知り、それぞれの長所を認める客観的な知識である。

2012-11-18 09:33:30
shinshinohara @ShinShinohara

明治維新のころ、政府要人のほとんどが海外に行き、新日本の将来を決めるための知識を貪欲に吸収した。尊皇攘夷を愛の証と考える偏狭さではなしえない英断であったといえよう。このとき持ち帰った知識があったればこそ、日本は西洋列強に飲み込まれずに済んだといえる。

2012-11-18 09:34:02
shinshinohara @ShinShinohara

三つ目に、知識を血肉にする、現場力である。たとえば、子育てはマニュアル通りにいかない。マニュアルの知識を、一人一人違う子供に適したやり方に変える応用力が大切だ。目の前に起きていることから学び取る、現場力で知識と現実とのすりあわせをしなければ、知識は文字の知識で終わってしまう。

2012-11-18 09:36:45
shinshinohara @ShinShinohara

四つ目に、実行する勇気だ。いくら知識があっても、現実に何をしなければならないかが分かっていても、行動しなければ始まらない。実行力がなくては、何もなしえない。 愛情、知識、現場力、実行力。 その4つがそろわなければならない。

2012-11-18 09:37:22
shinshinohara @ShinShinohara

愛情をエネルギーとし、誤った考えに偏らないよう知識を吸収し、その知識が文字だけの知識に終わらないよう現実とのすりあわせをする現場力を備え、その上で実行する。 これらの要素がすべて組み合わさってはじめて、物事はうまく進みだす。

2012-11-18 09:38:15
shinshinohara @ShinShinohara

農業でたとえれば、愛情は水遣りのようなもの。 愛が強すぎ、批判を受け付けないのは、植物を水浸しにし根腐れさせてしまうようなもの。 程よい水量(愛情)を適切に与える、知識が必要だ。 また、天候を見ながら水遣りの量を変える、現場力が必要だ。 そして、実際に水遣りする実行力が必要だ。

2012-11-18 09:40:04
shinshinohara @ShinShinohara

もし自分を愛国者と任ずるのなら、せめてこの4つが必要であることを知らねばならない。 批判を受け付けないのは、愛情ではなく痴情であることを知らねばならない。

2012-11-18 09:40:20