シマウマ(f_zebra)さんと考える「今まで学ばなかったこと、これから学ぶこと」とは?

同じ轍を踏まないために
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Flying Zebra @f_zebra

古い話で恐縮だが、原子力船「むつ」の話を紹介したい。放射線、放射能に関するメディアの誤解と風評について考えるのに、過去の事例を調べ、その時からどれだけ進歩したか、あるいはしていないかを考察するのは大切だと思う。

2012-12-06 12:48:38
Flying Zebra @f_zebra

日本が建造した最初で最後の原子力船「むつ」は1974年に太平洋上での出力上昇試験の最中に放射「線」が漏れ出した。遮蔽リングの設計ミスが原因で、ガンマ線は遮蔽できても中性子線を十分遮蔽できない構造となっていたのだ。メディアは、放射「能」漏れと大々的に報じた。

2012-12-06 12:49:45
Flying Zebra @f_zebra

今なら、中性子線が遮蔽しきれずに飛び出してくることと放射能、つまり放射性物質が圧力バウンダリを破って漏えいすることの違いを正しく理解できる人も増えているだろう。当時はそれらを区別できる人は少なく、母港では帰港を拒否され、風評被害も起こった。

2012-12-06 12:51:35
Flying Zebra @f_zebra

船内で米を炊いて飯粒で放射能漏れを防いだ、などという与太話がまことしやかに報道されたりもした。きちんと訂正されていないので、今でもそう認識している人も多いかも知れない。当初の報道が混乱するのはある程度仕方ない部分もあるが、後から検証しないのは良くない。

2012-12-06 12:52:49
Flying Zebra @f_zebra

1999年のJCO臨界事故ではやはり放射線が漏れたが、同じようにパニックが起き、同じように無意味な風評被害が起きた。25年前の事例から、メディアも大衆も何も学んでこなかったということだ。ある程度情報が整理された時点で過去の報道を見直して反省しない限り、何度でも同じ過ちを犯す。

2012-12-06 12:55:59
Flying Zebra @f_zebra

福島第一原子力発電所の事故でも、状況がはっきりしていない時点での情報が誤りを含み、混乱するのは仕方ない。情報が整理されてきたら、思い込みに囚われず、改めて考え直してみる努力が必要だろう。メディアにも、そして我々一人一人にも。

2012-12-06 13:00:23