仲良くなりたいという目標と侵略したいという目標とは地続き

仲良くなりたいという目標と侵略したいという目標とは地続きだし、手続きや考えかたは共通している。自分が持っていない何かを相手に求めると必ず喧嘩になる。仲良しを願望して侵略の研究を怠り、できない何かに代替手段を持たないままに協力を要請すると、戦争の道を突っ走る
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medtoolz @medtoolz

仲良くなりたいという目標と侵略したいという目標とは地続きだし、手続きや考えかたは共通している。自分が持っていない何かを相手に求めると必ず喧嘩になる。仲良しを願望して侵略の研究を怠り、できない何かに代替手段を持たないままに協力を要請すると、戦争の道を突っ走る

2012-12-06 10:33:33
medtoolz @medtoolz

自分が正しい知識を持っていることは、相手の間違いを正す根拠にはなるのだけれど、相手を叩く根拠にはならない。このあたり、科学的に正しい知識を持っている人のほうが、その正しさがなまじっかきちんと検証されている分だけ、かえって叩きの根が深い気がする

2012-12-06 10:36:44
medtoolz @medtoolz

実際どうであったのかは分からないけれど、江戸の喧嘩ルールってよくできてるよなと思う。喧嘩というのは暴力の応酬ではなく、叩いたほうが勝つわけでもなく、観客に笑われた側が負け、というルール。それでも真実を知っている側は圧倒的に有利なわけで。

2012-12-06 10:38:58
medtoolz @medtoolz

石油技術者たちの太平洋戦争という本を読む。石油と戦争のお話。日本が負けた原因の一端は、もちろんこの本が指摘するとおり、石油が絶望的に足りなかった影響は大きいのだけれど、同じようにこの本を読むと、そもそも軍の上のほうに、「勝ちたい」と考える人がいなかったんじゃなかろうかと思えてくる

2012-12-06 12:01:49
medtoolz @medtoolz

目的と手段とが入れ替わることはけっこうある。殺し合いの技術を武道に変換するときなんかはどうしたって実用方面の効果は削らないと危ないし、伝統が長く続いた結果として、工夫よりも型の墨守が尊ばれるようになることもある

2012-12-06 12:03:14
medtoolz @medtoolz

戦争のプロたる将軍は、もちろん勝ちたいがためにいろいろ考え、考えた結果としてあの椅子に座るのだろうけれど、どうもこう、技術者から見た太平洋戦争方面のいろんな本を読むにつけ、そうした本で悪役になる軍人は、そもそも戦争に勝ちたいとは思っていなかったように見えてくる

2012-12-06 12:04:30
medtoolz @medtoolz

旧軍の中にも、悪い意味での「軍人道」みたいなのがあったんじゃないかと思う。軍人かくあるべしみたいな。それは本来、戦争に勝つために身に付ける必要のあった実用的なものであったのに、いつの間にか「勝つ」よりも「型」を守ることが何よりも大切になったように見える

2012-12-06 12:05:52
medtoolz @medtoolz

組織をまとめて戦争に勝つために、ある種の厳しい態度や偉ぶった態度、規律を重んじる姿勢みたいなのが大事になってくるのは部分的に正しいのだと思う。でもその方向を極めることが、勝つことを必ず近づけるかといえばもちろんそんなことはないわけで

2012-12-06 12:06:56
medtoolz @medtoolz

勝つために「型」を知っていると便利、というのはたぶん正しいのだけれど、型を極めると勝てるかといえば、それはぜんぜん違う。石油が不足して、現地に技術者がたくさん派遣され、異なった文化が衝突し、そこで型を守った結果として、生じた不具合は明らかに勝ちを遠ざけた

2012-12-06 12:08:55
椎名明大 @olreia

@medtoolz 「手段のためには目的を選ばない」ことってけっこう多いように思います。予算消化のための仕事とかがその典型ですが、ベンチャー企業が「面白いからやる」みたいなプロジェクトもそれに近い気がします。そこに入る人の感情は真逆なのがまた興味深いですね。

2012-12-06 12:18:28
medtoolz @medtoolz

@olreia 予算消化のために仕事をするのって、まさに型を維持するためのお金ですもんね。。

2012-12-06 12:19:20
medtoolz @medtoolz

論文に載った知見は「検証されている」ことはたいてい間違いないものの、それを「正しい」と称した時点で何かが歪む気がする。科学的に正しいことと、異なった価値を信じる誰かの正しさを「間違っている」と断じていいのとはぜんぜん違う。

2012-12-06 12:10:49
medtoolz @medtoolz

科学のルールってある意味シンプルなんだと思う。同じ精度なら標本数が多いほうが勝つし、数が同じなら精度が高い考察が勝つ。格闘技で言ったらアームレスリングのようなもので。で、腕相撲のチャンピオンがならば柔道とか総合格闘技で絶対勝つかといえば、そうでもない

2012-12-06 12:18:38
medtoolz @medtoolz

腕相撲の名人が柔道家に投げられて、じゃあもっと腕を鍛えるかといえば、普通は柔道を習うと思う。そういう意味で、異分野の説得に失敗、あるいは喧嘩になって、もっとたくさんの論文を持ってこようとする態度は、どこか腕を鍛えて柔道家に勝とうとするのに似ている

2012-12-06 12:21:10
medtoolz @medtoolz

説得って相手の土俵に出ていくことだから、科学的に正しいことが、必ずしも説得の成功を意味しないし、実際問題喧嘩別れに終わるケースって多い。あれは「相手が無知で馬鹿」なんじゃなくて、ルールのすり合わせ工程を省いちゃったからそうなってるんだろうと思う

2012-12-06 12:22:38
medtoolz @medtoolz

http://t.co/v4f9johe ビクトル古賀先生 脚だけで極める腕十字 理詰めの武道も、名人がやると魔法にしか見えない。。

2012-12-06 12:49:34
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medtoolz @medtoolz

合気道の名人もそうだけれど、伝説的な名人の演舞動画は、どこかこう笑えるというか、素人目にはなんだかすごく面白そうに見えるのが不思議。将棋の羽生名人が、たしか「この人になら負けても仕方がない」と相手に思わせてしまうと、その試合はたいてい勝てるんだなんて何かに書いていた

2012-12-06 12:52:37
medtoolz @medtoolz

相手に対して「何クソこのやろう」的な印象を持たせてしまうと、どれだけ自分の武器や技が優れていても、勝つのはたぶん難しい。相手だって意地でも負けを認めないだろうし。武道の名人の動画は、どこかそういう意味で、この人になら負けても仕方がない、むしろ負けてみたいぐらいの空気がある

2012-12-06 12:53:39
medtoolz @medtoolz

ああいう試合前の空気づくりというか、そういうところまで含めて本来は勝負なんだろうと思う。

2012-12-06 12:54:06
medtoolz @medtoolz

自分の正しさにどれだけ強い確信を抱いていたところで、その正しさに基づいて相手を侮辱してしまうと、その時点で少なくとも「勝ち」の目は消える。説得は必ず不毛に終わるから、やらないほうがましになる。侮辱してうっぷんを晴らしたいならそれでもいいけれど、勝ちたいなら選ぶ手段が間違ってる

2012-12-06 12:56:13
金平 恵介 @KKanehira

@medtoolz 初診で対峙する恐ろしいケースを想像してしまいました。

2012-12-06 13:20:50
medtoolz @medtoolz

@KKanehira 最初から「文句をいってやろう」みたいな空気をまとっている人と対峙するのは、ほんとうに大変ですもんね。。

2012-12-06 13:25:38
くま @kumabcdefg

@medtoolz 「投手が顔で抑える」に近いですかね。

2012-12-06 13:23:11
medtoolz @medtoolz

@kumabcdefg プロレスなんかで相手を面罵してみせるのは、あれは「これからどちらかが倒れるまで試合をしますよ」という、観客へのアピールなんだろうなと。。

2012-12-06 13:26:25