投票時間を短縮している武雄市

吉川議員と和光市長

勉強してみた

勉強不足だと罵られるのは御免なので、勉強してみましょう。

武雄市が投票時間を短縮したのは2010年(平成22年)4月の市長選・市議選から。今回の東北がどうであれ、まったく関係ありません。

市議会

武雄市議会 平成21年9月定例会 9月9日 吉川 里已(PDF)

• 吉川議員

当日の有権者数が４万1,174名

期日前投票が、19日から29日まで投票があっておりますけれども、延べ5,255人の方が投票をしていただいております。これは全体の13％

午前中の５時間の中で投票に行っていただいた方が１万4,713名ということで、全体の36％

一番最後の７時以降、この１時間の投票状況が916名ということで、全体からしますと２％

• 武雄市長

最後の１時間が２％、そして最後の６時から８時までが５％強

• 吉川議員

群馬

• 大宅選挙管理委員会事務局長

午後６時から８時までの投票者につきましては、約5.9％

投票日に投票所で投票した人の割合からいいますと、約１割の方が午後６時から８時までに投票

「延べ」については、武雄市では同じ人が何度も期日前投票できるのかという不思議な感想を述べておくことにして、からくりにお気付きでしょうか。検算してみましょう。

期日前 5,255(人) ÷ 41,174(人) × 100 ≒ 12.763(%)
午前中 14,713(人) ÷ 41,174(人) × 100 ≒ 35.734(%)
19時台 916(人) ÷ 41,174(人) × 100 ≒ 2.2247(%)

もうお分かりですね。吉川議員のいうパーセンテージはすべて当日有権者数を母数としています。期日前投票者はおろか、なんと投票しなかった人数まで母数としています。何をしたいのでしょうか。

少しでも低く印象付けようとしてか市長が18時以降の割合を「5%強」と姑息な表現を用いているにも関わらず、事務局長が「約5.9%」とむしろ「6%弱」であることを暴露しています。とりあえずそれは後で考えるとして、当日投票者の約1割を確かめてみましょう。

佐賀県：第45回衆議院議員総選挙及び第21回最高裁判所裁判官国民審査　投・開票結果
衆議院小選挙区選出議員選挙 投票状況速報県計 （確定　00時30分現在）(43KB; PDFファイル)

小選挙区の値をみると、二つの区に分かれている武雄市の投票者数の合計は29,867人です。期日前投票者数とされた5,255人をひくと、24,612人となります。

ここで事務局長の挙げた約5.9%を使って、18時以降の推定投票者数を算出します。

41,174(人) × 5.9(%) ÷ 100 ≒ 2429(人)

そして当日の投票者数と思われる24,612人を母数に割合を求めます。

対当日投票者比 2429(人) ÷ 24,612(人) × 100 ≒ 9.8703(%)

約1割で間違いないようです。ついでに期日前を含む投票者数に対する割合も求めましょう。

対投票者比 2429(人) ÷ 29,867(人) × 100 ≒ 8.1336(%)

それでも8%は超えていました。

群馬

投票所９９％が終了時間繰り上げ、開票最速の県 : ニュース : 衆院選2012 : 衆院選 : 選挙 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

吉川議員が根拠に上げている群馬県の実情です。山間部というもっともな理由とともに、「“日本一”とされる開票の早さ」などという言語道断なわけも書いてあります。一部では見直しも行われているらしいのが何よりです。

それをすてるなんてとんでもない!

1分56秒頃。

非常に分かりづらいかと思いますが、右から二本目の18時台は午後の時間帯ではもっとも投票者が多いことが分かります。

佐賀新聞

武雄市が投票時間短縮　機会確保は民主主義の根幹（１２月２７日付）:佐賀新聞ニュース／The Saga Shimbun :佐賀新聞の論説 2009年12月27日

同市で実施された過去５回の選挙で、当日投票者に占める午後６時から同８時の投票者割合は、最も低いときで０６年４月の武雄市長・市議選の７・１７％。最も高かったのは０７年７月の参院選の１３・２８％だった。

佐賀新聞は吉川議員と武雄市長のインチキに気付いていたようです。

結論

勉強してみたら、これも樋渡市政では恒例の「嘘・大げさ・まぎらわしい」でした。そんな根拠にもなっていない根拠で投票時間を短縮してしまうというのは、とんでもない話です。

武雄市長の嘘