@Mitcharaさんのナワトル語文法書情報 #gengo

@Mitcharaさんによる、ナワトル語の文法書の解説です。さあ、これで今日から君もナワトル語学習者だ!!
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Mitchara @Mitchara

At last! @CSMackay 's translation of Launey's #Nahuatl grammar is coming in November! http://amzn.to/9veTXI

2010-08-16 23:15:29
Mitchara @Mitchara

このロネという人のナワトル語文法書、記述的にも使い勝手的にも世界最高といっていい出来なのですが、いかんせんフランス語なのでちょっとこう敷居が高かったのです(スペ訳もあるらしいけど見たことない)。あと3年早く英訳が出ていれば私の卒論はどんなに楽だったか…。

2010-08-16 23:18:13
Mitchara @Mitchara

とりあえず今日の主な収穫は、ejectiveがちょっと身近になったこと、Launeyの英訳来たるの報を得たこと、"most succinct word in the world" mamihlapinatapai が本当にsuccinctだったこと、の3つです

2010-08-17 00:05:43
Mitchara @Mitchara

Launeyの英訳は本当に嬉しいので、誰得だけどここで一度ナワトル語の文法書情報を垂れ流しておこう。

2010-08-17 00:15:05
Mitchara @Mitchara

まずAndrews (2003) は言語学の枠組みで書かれた理論的文法書。対応問題集もあり。ナワトル語文法の研究書としては一級。ただし理論書なので語学学習には若干不向きかも。 http://amzn.to/ct1SBy

2010-08-17 00:22:55
Mitchara @Mitchara

Andrews (2003) : 「ここのスロットにこの接辞が入って…」とか「この条件でこの接辞はこの異形態をとって…」とかいった抽象的な説明が中心。多少の言語学の素養が必要。それでもナワトル語文法の本質に迫る良書で、英語でこれを超える文法書は長く出なかった。

2010-08-17 00:27:27
Mitchara @Mitchara

今回英訳されるLauney (1979) はバランスがとれていて、参照文法としても学習書としても使える構成になっている。内容はけっこう高度で、伝統文法で明らかになった事実をひととおりまとめてある。ただしフランス語なのよね。 http://amzn.to/cTdNdL

2010-08-17 00:31:26
Mitchara @Mitchara

Launey (1979) には Andrews (2003) がとりこぼした文法事実や言い回しも網羅されているので、両方読まないと色々困ったことになるかもしれない。

2010-08-17 00:33:10
Mitchara @Mitchara

Garibay K. の学習書 Llave del náhuatl はたぶん世界で一番よく読まれてる文法書。スペイン語で書かれているためメキシコ人に人気。ただし伝統文法系の教科書なので言語学的に間違っていることも。 http://amzn.to/dlHUHI

2010-08-17 00:35:25
Mitchara @Mitchara

Carochiの17世紀の記述文法書も英訳なら手に入りやすい。現代の文法書のタネ本のひとつ。声門閉鎖音をはじめて明記した、当時としては画期的な水準の記述なのだけど、実は全部は読んでませんごめんなさい。 http://amzn.to/dDfsg4

2010-08-17 00:39:20
Mitchara @Mitchara

最後にLockhart (2001)。これは文法書というより古文書読解ガイドみたいな感じ。写本独特の略記法、表記のゆれ、文体上のくせなどを網羅した本。 http://amzn.to/aIsVBF

2010-08-17 00:42:09
Mitchara @Mitchara

というわけで、Launeyの文法書の英訳は画期的ですよーという話でした。さて嬉しさをTLにぶつけたところでフクロウ寝ます。みなさんありがとうおやすみなさい。

2010-08-17 00:44:00