サンタスレイヤー：「ウェルカム・トゥ・ゲバルト・ヴィレッジ」

m.tokuoka @goodhuntstalker

「イヤーッ！」「グワーッ！」7.62mmの弾丸71発はことごとくレッドノーズ=サンの全身に命中！ なんというワザマエ！ レッドノーズ=サンはもんどり打って即死！ メリークリスマス！

m.tokuoka @goodhuntstalker

空になったドラムマガジンを捨てたサンタスレイヤーは、マガジンを装填した。と、そのとき彼のサンタ・インカムが着信を示す。「サンタスレイヤーだ。レッドノーズ=サンは殺した」「こちらノーラッド。新しいサンタを補足した」「座標を転送してくれ」「了解」。サンタインカムが切れる。

m.tokuoka @goodhuntstalker

サブマシンガンをサンタ衣装の下に隠したサンタスレイヤーは、もはやただの薄汚れたサンタにしか見えない。だが彼は夜空を見上げると、その卓越したサンタ脚力を発揮して夜の街の空へと飛翔した。HoHoHo！ サンタスレイヤーの殺サンタ意思に満ちた声がこだまする。

m.tokuoka @goodhuntstalker

しばらくして、カルロスは目を覚ました。寒い。空からは雪が舞い降り始めている。なんてこった。今日も早番なのに、雪だなんて、ついてねえ。

m.tokuoka @goodhuntstalker

そのとき、カルロスは重大なことを思い出した。「……サンタ！ トビモリ！」。狼狽しつつも、彼はかたく握りしめた右手を見る。確かに、そこにはプレゼントがあった。「……サンタ」。彼はもう一度そう呟くと、ラッピングペーパーを破って中身を確認しようとする。

m.tokuoka @goodhuntstalker

だが、彼はプレゼントを開封しなかった。これが本当にトビモリのゲバルト・エディションなのか、気にならないといえば嘘になる。

m.tokuoka @goodhuntstalker

「……坊主が起きる前に帰らなきゃな」。カルロスはそう呟くと、家路についた。 （「ウェルカム・トゥ・ゲバルト・ヴィレッジ」終わり）