映画『ホビット』と指輪物語の世界

琴瀬美沙さんによる、映画『ホビット』の詳細緻密な分析です。前作『ロード・オブ・ザ・リング』や原典との比較、照応など、詳細にわたって検討されています。
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琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:ただし、原作設定でもエルフとドワーフは仲が悪いものとされていて、その直接の原因は『ホビットの冒険』第8章、『シルマリルの物語』の「クウェンタ シルマリルリオン」第22章で語られるエルフとドワーフの戦争です。

2013-01-10 02:33:01
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:映画では過去のエルフ対ドワーフ戦争には触れてないのですが、あまりに本編と関係ない話を引っ張るわけにもいかないし、本編の中で完結する形でエルフとドワーフの不仲を説明したのか、あるいは原作通りの展開ならこれから二作目以降で過去の因縁に触れるのか。

2013-01-10 02:37:06
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:映画の感想でも何でもない、原作での設定レベルのお話で指輪とのリンク。映画でははなれ山の王国滅亡の時にドワーフを助けなかったエルフの王、スランドゥイル。この人は『指輪物語』の旅の仲間だったレゴラスの父親です。

2013-01-10 02:45:16
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:ドワーフ13人の中の一人、グローイン。彼はやはり『指輪物語』の旅の仲間、ギムリの父親。

2013-01-10 02:47:14
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

書いても書いても終わらない、感想… そもそもトールキン世界なんて手に負えるわけがないんだ!

2013-01-10 02:48:15
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:トロル。トロルって相手に取り引き持ち掛けられるほど頭良かったか?(笑 それはともかく、大立ち回りが入ったり、登場人物の細かい言動にかなり改変のあったシーンですが、全体の流れを見ると原作通りというイメージ。こういう演出は粋だ。

2013-01-10 03:03:00
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:疑問点。映画におけるオークとゴブリンの関係。原作では『ホビットの冒険』が「ゴブリン」表記、『指輪物語』が「オーク」表記なだけで、両者は同じとされてました。しかし映画ではどうやら使い分けされてます。→

2013-01-10 03:06:41
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→トーリンを狙い、首領アゾグに率いられて魔狼(ワーグ)に跨がって襲って来るのがオーク、山の内部で落ちてきたドワーフ達に襲いかかった、王を戴いているのがゴブリン? ちなみに原作には後者は登場しますが、前者はそもそも存在しません。→

2013-01-10 03:11:10
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→でも、ビルボの持ってるエルフの剣(オークが近付くと青く光る)はオークにもゴブリンにも反応してたから、やっぱりオークもゴブリンも同じ存在なの? キャラクターデザインは少し変えていたようですが…

2013-01-10 03:14:17
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

ゴブリンの王様、原作の挿絵(寺島竜一 画)見たら映画そのままで笑ったよ。映画のデザインは誰かな?(パンフ買ってない)

2013-01-10 03:18:01
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:音楽。LotRの時から思ってたけど、ワーグナーのオペラみたいなライトモチーフの手法を使ってますね。ホビットの曲、裂け谷他エルフ絡みの曲、オーク他敵方の曲、という感じに登場人物のテーマ曲をもうけている。これらはLotRからの使い回しで、今回の新曲はドワーフの曲。

2013-01-10 03:30:45
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→ホビットとホビット庄のテーマ、オークのテーマ、裂け谷のテーマ、ロスロリアンのテーマ(全て仮題)辺りがLotR「旅の仲間」で登場、それらは使い回したままで「二つの塔」ではローハンのテーマ、ゴラムのテーマみたいなのが加わり、「王の帰還」でも更に新曲。→

2013-01-10 03:38:10
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→人物や陣営、種族ごとにテーマ曲があり、前作の曲を使い回しながら新キャラには新曲を加えるのだから、人物や場面と結びついてイメージ喚起力は相当なもんだろう。

2013-01-10 03:42:56
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

LotR三部作に関してはサントラCD持ってるので、曲名確認しようと思えばできないことはないんですけどね…結構原作の章題そのままだったりして面白いですが、ホビット庄のテーマの曲名が「ホビット庄の社会秩序」なのは勘弁してくれ、と思う。原作で本編に入る前の章題ですがな。

2013-01-10 03:47:32
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:まとめ。松ぼっくりとラダガストのウサギ橇の可愛さに全て持ってかれた!

2013-01-10 04:00:27
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

昨日から一日経ちまして。「ホビット」まだまだ気になるところが出てきたので追加で呟きます。

2013-01-10 21:58:09
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:ラダガストの家に大蜘蛛が襲ってくるシーン。蜘蛛についての「ウンゴリアントの末裔」という説明、さらっと流されてましたが『シルマリルの物語』を引いた設定ですね。原作にはないシーンなので、末裔というのは映画オリジナル設定ですが。→

2013-01-10 22:03:02
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→「ウンゴリアント」は『シルマリルの物語』に登場する悪役で、エルフの国に暗闇をもたらした大蜘蛛。ちなみに『指輪物語』にもシェロブという大蜘蛛が登場しましたが(「二つの塔」、映画では「王の帰還」冒頭)、やはりウンゴリアントの末裔ということです。→

2013-01-10 22:08:47
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→そして原作『ホビットの冒険』でも、中盤で悪役として蜘蛛が登場するんですね(ラダガストを襲ったのと同じかは? 映画では二作目にこのシーンが入るはず)『指輪物語』の記述によると、『ホビットの冒険』で登場する蜘蛛はシェロブの子供たちらしい。

2013-01-10 22:16:04
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→結局中つ国の蜘蛛は皆ウンゴリアントの子孫か?って話になってしまうのですが。あと必ず悪役で蜘蛛が登場するのは、トールキンが大の蜘蛛嫌いだったからとか。

2013-01-10 22:20:28
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:もひとつシルマリル繋がり。トロルの洞穴で手に入れたエルフの剣が、かつてエルフの都ゴンドリンで作られたものだ、ってお話ですね。原作でも裂け谷でのエルロンドの台詞の中で何の説明もなく「ゴンドリンの町」と言及されるので、特に問題ではないのですが→

2013-01-10 22:27:54
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→なぜ太古のエルフの剣があんな所にあったのかとか、ゴンドリンはどんな街だったのか、その繁栄と陥落についてなど詳しくは『シルマリルの物語』をご覧あれ、ということになります。

2013-01-10 22:30:25
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:エルフの剣についてもう一つ。ちょっとうろ覚えなんですが、映画では剣の名前の「なぐり丸」「かみつき丸」ってエルロンドが説明してましたっけ? 原作だとこの呼び名はゴブリンから見た時のもので、→

2013-01-10 22:38:19
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「ホビット」:→エルフ側の呼び名は「オルクリスト」で意味は「ゴブリン退治」、同じく「グラムドリング」、意味は「敵くだき」としか原作ではエルロンドからは語られません。ちょっと事実関係がよくわからん。

2013-01-10 22:42:47
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

一つの事物とか人物とか建物とか土地とかに、二つも三つも名前があるのは中つ国のデフォですね。『指輪物語 追補編』の固有名詞便覧が手放せない。

2013-01-10 22:48:05