【コラム】国連安保理決議から読み解くアルジェリア人質事件の深層~マリ攻勢への協力は #容易い道 との分水嶺となるか~
- tkatsumi06j
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#容易い道 マリ攻勢への反応として発生したアルジェリア人質事件はこの事件に関わった各国にテロ戦争への再参画を決意させる形となった。国連決議2085はマリ北部の平定と治安維持のために国際協力に軍事に限らないあらゆる形での支援が可能なよう門戸を開いている。我が国日本はどう出るのか。
2013-01-25 13:12:47国連決議2085が求める広範な協力の形(選択肢)
#容易い道 AFISMAによる武力行使を容認した国連安保理決議2085は、全国連加盟国に対し、軍事経済支援への協力を要請。とくに経済支援については国連事務総長主導でAFISMA運営基金として新たに信託基金が設立される決定となっている。日本政府がまず行うのはこの基金への参加だろう。
2013-01-25 13:17:23#容易い道 しかしマリ攻勢について経済協力だけでは「足りない」とする世論がマスコミを中心に浮上する可能性はある。攻勢に関連する報復テロで邦人9名の命を奪われた紛争の当事者という名目でだ。事実上仏軍中心に展開するAFISMAにテロ掃討作戦という「汚れ仕事」を任せきりでよいのかと。
2013-01-25 13:20:30#容易い道 これでマリ情勢とそれに派生して起きたアルジェリア人質事件と軍事優先の救出作戦により人質の多くが殺害されたことの真の理由が見えてくるだろう。人質事件に関与した各国は最早「紛争当事者」なのである。後は紛争への関わりを深くするか浅くするかを決めるだけとなっている。
2013-01-25 13:23:20「紛争当事者」となった我が国の選択肢
#容易い道 邦人9名の命を失い「紛争当事者」となった我が国日本は、欧米主要国が敷いたこの"容易い道"の乗るか否かの選択肢を突きつけられている。安倍政権は邦人保護の観点から危機管理力の強化のために日本版NSCの創設を目指すと見当違いの方針を表明しているが、いずれ決断を迫られる。
2013-01-25 13:26:07再び用意された"容易い道"
#容易い道 日本はアフリカ地域に主要な陸上軍事拠点を持たない。ソマリア海賊対処行動に関連してジブチに駐留基地を置いたのが精一杯である。日本の関与の薄いアフリカ地域において日本の軍事プレゼンスを高めるにはマリ支援ミッションに民軍両方で積極参加するという"容易い道"が用意されている。
2013-01-25 13:28:31(参考)アフリカ地域における日本の軍事プレゼンス
「対中国」という戦略的視点
#容易い道 もう一つ、アフリカでの軍事プレゼンスの強化が展望するのは同地域で確固たそれを確保している中国への対抗である。中国は資源外交の一環で北ア諸国との関係を強化しており、多大な影響力持つに至った。これを牽制するには、中国の影響力が比較的少ない西ア地域を攻略するほかない。
2013-01-25 13:35:45#容易い道 西アフリカ地域の殆どは仏語圏である。すなわちフランスの影響力が強い。同地域に再進出して仏を表の筆頭として(裏の筆頭は当然米国)マリ攻勢を端緒に欧米諸国の軍事プレゼンス拡大を図るのは権勢を強める中国対策としても有効なのである。この文脈なら尚更、日本は参加せざるを得ない。
2013-01-25 13:38:45(参考)アフリカで拡大する米軍の軍事プレゼンス
#容易い道 知っての通り、マリ攻勢に関する安保理決議2085の採択までには半年近くに及ぶ交渉が国連内で進められてきた。その結果として、中国を含む安保理常任理事国全会一致で、いわば「欧米諸国連合の西アフリカ進出」が容認されたのである。つまり中国は西アにおける仏の権益保護を認めた。
2013-01-25 13:41:46#容易い道 我が国日本が真に中国への対抗心を燃やすのであれば、西アフリカ進出の足かがりとなるマリ攻勢への参加は避けては通れない選択肢となる。が、問題は日本政府(外務・防衛官僚)にそこまでの大局観に基づいた国家戦略があり、それに基づいた国際協力を展開する心積もりがあるかどうかだ。
2013-01-25 13:45:00総括:"容易い道"との分水嶺となる日本の選択
#容易い道 前述のように、マリ情勢が長期化すれば、国連はAFISMAの軍事支援ミッションとして正式にアフガンのISAFのような国際治安維持ミッションの創設を決めるかもしれない。そうすれば軍事作戦は当面継続され軍事経済は回り続けることになる。日本はこの"容易い道”に乗るか、反るか。
2013-01-25 13:47:39まとめ後の展開:日本政府の選択
AFISMAに巨額の拠出を決定
アフリカ主導国際マリ支援ミッション( #AFISMA )支援国会合に出席するためエチオピアに出張中の松山外務副大臣は,29日, #フランス 共和国のファビウス外務大臣と, #マリ 情勢を中心に懇談を行いました。(URLを変更しました。)http://t.co/fIxdrkQR
2013-01-30 11:21:12【マリ情勢】 やはり日本政府はさっそくAFISMA(アフリカ主導マリ国際支援ミッション)支援国会合に出席。安保理決議2085に基づく事務総長の要請として信託基金の設立が討議される筈。日本はまずこれに巨額の拠出を決めプレゼンスを示すか、あるいは基金設置を主導するだろう。 #容易い道
2013-01-30 11:38:51