佐藤りえ ‏@sato_rie × 上田信治 ‏@ueda_shinji

週刊俳句 第300号 上田信治:闘われているらしい http://weekly-haiku.blogspot.jp/2013/01/74.html 第301号 上田信治:続・闘われているらしい 続きを読む
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上田信治 @ueda_shinji

@sato_rie あああ、たくさん書いていただきまして。ゆっくりめのご返信になります。〈コンビニ〉句からは離れてしまうかもしれません。

2013-01-29 00:53:15
佐藤りえ @sato_rie

@ueda_shinji 上司とたわむれてましたらばご返信が。かえってすいません、こちらも踏み外し気味感ありです。お返事いただけるとは思ってなかったのが思わぬきっかけを得てぐるぐる書いてしまいました。お気になさらずゆっくりで。

2013-01-29 00:58:50
上田信治 @ueda_shinji

まず「作家性」なんですけど、作品にくりかえし現れる「その人」ならではのもの、作り手が確かに「作家」であるなあ、と認められるような要素、くらいの定義でいいですか。これは @sato_rie さんも「これがこの人の文法、文体なんだなー」と作品が思わせること」と言われているから→

2013-01-29 22:00:46
上田信治 @ueda_shinji

→同じですよね。じゃあ、作家性(この場合、作品の価値と言ってもいいと思います)が存する「作品の中」とはどこのことか。それが、言語作品である以上、言葉の中にあるはずだ、というのは、そうなんですが、 →

2013-01-29 22:01:21
上田信治 @ueda_shinji

@sato_rie さんはここまでのところ「文法、文体」「措辞」にそれは現れる、という立場で書かれている。自分は、もうすこし広く考えます。同一の措辞でもその「指示内容・イメージ」によって別の作品になるわけですし、それがおかれる「文脈」によっても、作品の価値は決定される。→

2013-01-29 22:01:49
上田信治 @ueda_shinji

→ベートーベン第10交響曲をいま、学生が書いたとしたら、それは悲喜劇でしかないという例の話で。つまり作品は、時代、ジャンル、作家自身等の文脈におかれ、受け手において実現されるものであり、どこまでがその「中」であると定めがたいものではないか。 →

2013-01-29 22:02:05
上田信治 @ueda_shinji

→ 兌換紙幣にとっての「金」、ヒトにとってのタマシイのようなもの、作品にとっての価値等は、紙幣やヒトや作品の「中」に属性としてあるわけじゃない。それらは、その場所に抽象としてあって、受け取り手の構成するマボロシとして現れる、と自分は考えます。 →

2013-01-29 22:03:11
上田信治 @ueda_shinji

→つまりそれは、措辞のような個別の要素から発生するとは限らないのではないでしょうか。だいたい俳句なんて、数百年来、同じ措辞の使い回しですから。「「これがこの人の文体ね」と納得させるまでの強靱さ」なんて、とてもとても →

2013-01-29 22:03:23
上田信治 @ueda_shinji

あと自分は「幼さ」それ自体を擁護してはいませんよ。「馬鹿さ」「非道さ」それ自体は、いいものでもなければ価値でもないのと同じです。えー何と言ったらいいか、非常にナイーブなこと言いますけど、そういう表現された人間の本性とか性格の原石のようなものは→

2013-01-29 22:03:33
上田信治 @ueda_shinji

RT @ueda_shinji: 岩本ナオは「スケルトン イン ザ クローゼット」という短編集で、「人間は/どんなとき 最も感動するか 知ってる?」「人間らしさに出会ったときよ」というセリフを書いていて、それ以来、恩人だと思っている。

2013-01-29 22:04:17
上田信治 @ueda_shinji

→人間の「偉大さ」などと同じく、現実にはめったに出会えない価値なんですよ。高野素十も痴呆的と言われたし、虚子の人間性を論難する議論もありました。でも、その「馬鹿さ」とか「非道さ」は、その作品の価値の根本に近い部分にあると思うのです。→

2013-01-29 22:04:36
上田信治 @ueda_shinji

→神野紗希の「幼さ」については、まだそれがそこまでとは言い切れない、けれど、彼女のその部分に自分はチップを張る。そういうニュアンスをふくめて自分は書いたつもりです。神野紗希のいくつかの句が、「その人」ならではの、たしかに「作家」の作品にちがいないというところまでは言えると思う。→

2013-01-29 22:05:31
上田信治 @ueda_shinji

→ただ、本人が、それ「だけ」を繰り返し実現すべきのと思っているのかどうか、彼女はチップをあちこちに置くタイプなのでね、……と、これ「いいこと」として言ってるように読めました?

2013-01-29 22:05:56
上田信治 @ueda_shinji

@sato_rie だいたい書きたいことは書きました。ご質問にも応えられたと思いますが、どうでしょう。とても有意義だったように思います。ありがとうございました。ではでは。

2013-01-29 22:06:57
佐藤りえ @sato_rie

@ueda_shinji 拝読しました。ありがとうございました。脳がぎゅんぎゅんしました。整理がかなりつきました。以下はひとりごと、自分整理します。

2013-01-29 23:56:30
佐藤りえ @sato_rie

「作家性」のすりあわせというか、持ち寄りの差異について了解しました。私も「作家性」については @ueda_shinji さんと同じ具合に考えています。キーワードとしては文法、文体、措辞しか出てきていませんが、内容やイメージを読まないわけではありません。→

2013-01-30 00:40:15
佐藤りえ @sato_rie

→作家性は措辞の中だけに発見できるのではない、といえばそうですが、それでも措辞を第一の手がかりにしなければ、俳句そのものの話でなくなってしまうんじゃないか、と思う。

2013-01-30 00:41:11
佐藤りえ @sato_rie

→だからこそ「幼さ」という部分に執拗になるのであります。「話は句の話であって「幼さ」の規定ではない」のではなく、その「幼さ」とはどういう幼さか、というところがキモだと思うです。言葉を手がかりに受け手が実現するのはそこで、そうでないと、「印象」を論じあうことになってしまう。

2013-01-30 00:42:06
佐藤りえ @sato_rie

(虚子の「非道さ」なんかはまさに人間性コミの評価であって、作品全体を包括する評価ではないよな…と個人的に思ってしまうんですが。)

2013-01-30 00:42:28
佐藤りえ @sato_rie

それと「幼さ」について私がごじゃごじゃ言い続けるのは、「幼さ」が言語表現にとっては諸刃の剣というか、誤解や幻想を招く価値観であると思うから、です。これについてはもうちょっと考え続けようと思います。いつかどこかで文章化できたらいいな…いやいいのか?

2013-01-30 00:43:08
佐藤りえ @sato_rie

チップ問題については、もっと「傾向と対策」的に(単勝の馬券を買いまくるみたいに)であることを言っているのか、と思ってしまいました。勘違いだったことがわかりました。

2013-01-30 00:43:29
佐藤りえ @sato_rie

で、 @ueda_shinji さんが「幼さ」にチップを張ったということがわかりました。で、私は(サンプル少ない段階で言うのもナンなんですが)張るとしたら、別なところにチップを張るだろう、ということに気づきました。名付けるとすれば「身勝手さ」…かな。

2013-01-30 00:44:23
たじま @tajimaken

@ueda_shinji @sato_rie  おふたりのやりとりを通して、上田さんの感じ方がだいぶわかりました。この話題、コンビニがどうこう、という低次元な議論から、ずいぶんラディカルな方向へ来ましたね。大事なところまできてる。もっと、もっと、です。

2013-01-29 23:25:13
佐藤りえ @sato_rie

数百年来同じ措辞の使い回し、というところは俳句界(って言いたくないけど俳壇でなくそうとしか言いようがないからそう書きますが)の暗黒の呪文(と私は思ってる)なので、私はNOですよ、とだけ意思表示しておきます。

2013-01-30 00:44:43
佐藤りえ @sato_rie

@tajimaken @ueda_shinji 以上です。長々と失礼しました。上田さん、ありがとうございました。田島さん、どうもです。なんかこうならざろう得なかったんだと思います。

2013-01-30 00:50:45