「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」#4#5(再放送バージョン)

ニンジャスレイヤー再放送のまとめです。#1 http://togetter.com/li/408634 #2#3 http://togetter.com/li/423038 #4#5 http://togetter.com/li/451419
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NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

(((殺すべし……ニンジャ……憎き敵……)))ニューロンにフジキドの憎悪が木霊する。それはやがて地獄の底から沸き上がるようなもう一つの声と重なり合う。(((殺すべし……ニンジャ……ニンジャ殺すべし……)))フジキドはナラク・ニンジャのうわ言めいた呟きを命綱のように握り締める。23

2013-02-06 19:15:25
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

(((……ニンジャ殺すべし……)))やがて全身に別種のエネルギーが循環し始める。不浄なエネルギーが。枯れた温泉の隣に新たな温泉脈が発見されたように。ブラックドラゴンとのイクサ以後、フジキドは徐々にこのイメージを育ててきた。ナラクの力を引き出すイメージを。ニンジャ殺すべし。24

2013-02-06 19:20:39
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「なんと。まだやれるのか」イグゾーションが驚きの声を上げた。「何者だニンジャスレイヤー=サン?」殺すべし……ニンジャ殺すべし……「ニンジャ殺すべし!」次の瞬間、ニンジャスレイヤーはうつ伏せ姿勢のまま空中へ跳び上がった!「イヤーッ!」 25

2013-02-06 19:22:40
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そのままニンジャスレイヤーはイグゾーションめがけダイブ!空中パンチを繰り出す!「イヤーッ!」速い!「イヤーッ!」イグゾーションは咄嗟に腕をクロスさせ奇襲攻撃をガード!並のニンジャであれば一撃で首から上を吹き飛ばされたであろう打撃!イグゾーションのブレーサーがひしゃげる! 26

2013-02-06 19:23:35
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「できる!」イグゾーションは飛び下がりカラテ姿勢をとった。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは素早く踏み込む。踵が地面と摩擦し煙を噴き上げる。拳を突き出す!ポン・パンチ!「イヤーッ!」イグゾーションは片膝と両腕でガード姿勢!しかしポン・パンチはそれを破った!「グワーッ!?」27

2013-02-06 19:27:16
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

衝撃に負け、イグゾーションのガードが開く!ニンジャスレイヤーは突き進んだ。本来ポン・パンチは繰り出した後の体勢復帰に時間を要するカラテ技だ。しかし、おお、いかなる物理的克服か!?ニンジャスレイヤーは既にイグゾーションのワン・インチ距離でジュー・ジツを構えていた!ハヤイすぎる!28

2013-02-06 19:30:04
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「何と?」「……」ニンジャスレイヤーの片目が不吉に光る。そして、「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「グワァァーッ!?」六!六連打である!一瞬にして六度の拳撃が、イグゾーションの肋骨に叩き込まれた!「ゴボッ!」イグゾーションのメンポから血が零れる!29

2013-02-06 19:34:14
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

体勢を崩したイグゾーションめがけ、ニンジャスレイヤーはチョップを振り上げる。カイシャクだ!「フフフ君は……無理をしているね」イグゾーションが不敵に笑った。「ゴボッ」「……イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは肩口めがけ、無慈悲にカイシャク・チョップを振り下ろす!「イヤーッ!」 30

2013-02-06 19:38:30
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

だが、止まった!ゴウランガ!チョップが!チョップが止まった!なんたることか!イグゾーションはチョップの手首を掴み、止めたのだ!「君は無理をしている。私も頑張ってみようじゃないか」イグゾーションの両眼が白色LEDボンボリめいた光を放つ!ナムアミダブツ!セルフ・バリキ・ジツ! 31

2013-02-06 19:41:02
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「このジツは……加減が難しい!」「ヌウーッ!?」ニンジャスレイヤーはもがいた。だが掴まれた手を振り払えない!「なにしろ自分用ではないのだ。加減を間違えば一瞬でオーバーロードだよ!私とて危険を冒しているのだ。無論、私はここでセプクするつもりは無い……イヤーッ!」「グワーッ!?」32

2013-02-06 19:47:36
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

強烈!強烈なアッパーカットである!顎を拳で突き上げられたニンジャスレイヤーが垂直に吹き飛ぶ!そしてナムアミダブツ!グラウンドの空に張り巡らされた金網に大の字に叩きつけられ、力無く落下!ニンジャスレイヤーは大の字にうつ伏せで倒れ伏す!ALAS!もはやナラクの力も枯れ果てたか!?33

2013-02-06 19:54:15
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「さすがだった!ニンジャスレイヤー=サン!さすがはベイン・オブ・ソウカイ・シンジケート!ハハハハハ!」バリキ・ジツが自らの精神に影響を及ぼしているのか、イグゾーションは大袈裟に拍手して歓喜した。「私の傷は深い!ハッハハハハハハ!誇りに思いたまえ!ハハハハハハ!」 34

2013-02-06 19:56:08
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

ニンジャスレイヤーはぴくりとも動かぬ。無念……無念の気絶!そして恐るべしザイバツ・シャドーギルド!恐るべしグランドマスター位階!なんたる敵!ニンジャスレイヤーのカラテ努力はまだ足らぬのか?このままカイシャクされてしまうのか……?イグゾーションはなにやら思案顔で彼を見下ろす! 35

2013-02-06 19:59:36
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

そのままイグゾーションは四半分ほど思案していただろうか?やおら彼は背後を振り返った。そして、入口に現れたニンジャ存在を睨みつけた。「誰だね?」「おう!こりゃヒデェな!」ニンジャはグラウンドに散乱したヒューマン・ボムの残骸たる無数の手足を見渡す。「嫉妬しちまうよなァー」36

2013-02-06 20:03:34
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

拘束衣めいたニンジャ装束を着たそのニンジャは、少しも怖じる事無く、嘲るようにオジギした。「エート、ドーモ、どっかのニンジャ=サン。デスドレインです」その足下に、じくじくと黒い質量存在が染み出し、わだかまる。「祭りは終わっちまったの?」 37

2013-02-06 20:06:31
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「残念ながらそういう事になるね、デスドレイン=サン」イグゾーションはアイサツを返した。「ドーモ、デスドレイン=サン。ザイバツ・シャドーギルドのグランドマスター、イグゾーションです。君は……ふむ。ザイバツのニンジャではないのか」「いやァ、悪りィなァ」デスドレインは頭を掻いた。38

2013-02-06 20:08:56
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「グランドマスターって偉いんだよな?この前あンたのとこの下っ端をよろしくやっちまったよ。許してくれよな。死ぬ時そいつら、ブザマに泣いてたぜ、へへへへ!」デスドレインはニンジャスレイヤーを見た。「……そいつ、死んでンの?」イグゾーションは無言。デスドレインの足元が黒く沸騰する。39

2013-02-06 20:12:34
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「アー、まァいいや」デスドレインは肩を竦めた。「おれの目当て、そいつじゃねェし、この辺の臭えクズ肉でもねェから。わかるんだ、俺の目当ての奴は、この辺でクソどもに紛れて死ぬようなタマじゃねェってさ。俺はピンと来るのよ。実際あンた殺してる暇は今はねェや!目当てに逃げられちまう」40

2013-02-06 20:15:41
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「私が君を引き留めるかも知れないぞ?」イグゾーションはデスドレインを瞬きせず見据えている。「ああそれは無理だ!」デスドレインは手をひらひらと振った。直後、彼とイグゾーションとの間に間欠泉めいた黒い飛沫が噴き上がった!怒涛を挟み、デスドレインが嘲笑う。「オタッシャデー!」41

2013-02-06 20:19:00
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「開けたり閉めたりする」とレリーフされた呪術的八角形のマンホール蓋がガタガタと揺れた。そして沈黙。……そしてまた音を立てて揺れ始める。路地は狭い。いまだ日は高い時間帯であるが、この区域は薄暗い。 43

2013-02-06 20:22:21
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

ガイオン地表レベルといえど、富裕層ばかりが暮らすわけではない。ゴリラ門付近などは尚更だ。門のただ一枚越えれば、その先にはあちらこちら黒煙を立ち昇らせるゴミの山と、正規市民権IDを持たぬ者たちが築き上げたスラム街が地表にへばりつく。門のこちら側も行儀が良いとは言い難い……。44

2013-02-06 20:26:07
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

路地裏の奥、大通りのネオン看板が幾つか光る。「テキヤ」「礼儀それがキョートです」「良くやっている」「お上品?否カラオケ」。それら看板はガイオン景観法によって厳しくその色調が制限されている。遠くネオサイタマのあの極彩色の喧騒はここには無く、ゆきとどいた美意識と沈黙が支配する。45

2013-02-06 20:27:36
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

ガタガタと揺れていたマンホール蓋がついに下から跳ねあげられ、開いた。「ぶはァ!おい、すげえ!やったぜ!」ベツリキは上半身を穴からのぞかせ、昼なお薄暗い路地裏を見渡した。「マジかよ……自分でも信じられねえ!」「早く出ろ!」ベツリキの下でハシゴにつかまったままのゼンダが促した。46

2013-02-06 20:31:47
NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

「ブッダ!やったぜブッダ!今日は人生最良のアバッ」なにか黒いものが鎌首をもたげてベツリキの上から覆いかぶさり、ひょいと穴から引きずり出した。黒い大蛇?いや……それは粘つく暗黒だ。「……」ベツリキの腰から下が黒い塊の中から突き出し、もがいている。「……」次第に弱まるその動き。 47

2013-02-06 20:34:11
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