朝日新聞・関根記者によるシリア報告

2013年2月、内戦が続くシリアの政府支配地域を取材した朝日新聞モスクワ支局員・関根記者のツイートをまとめました。 ダマスカスやタルトゥースの情景、そこに暮らす人々、またシリア在住のロシア人について。
114
前へ 1 ・・ 3 4
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア75)「私はこの数日、ロシア人を探したんですが、全く会えませんでした。今でもロシア人はシリアにいるんでしょうか?」と聞くと、「います」と女性が言うので、「どこに?」と聞くと、「大使館職員とシリア人と結婚した人たちと、私のようにナイトクラブで働いている人」と女性。

2013-02-07 22:14:31
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア76)女性が言うには、今シリアに残っているロシア人の多くは、シリア人と結婚し、すでに生活基盤がシリアにある人たちと言うことでした。彼らはロシア国籍も持っているため、ロシア人として大使館にも登録されているとのことでした。

2013-02-07 22:34:49
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア77)内戦については、女性は「最初は怖かった。近くで銃撃戦も見たし。でも今は慣れました」。アサド政権については、「私の周りのシリア人はみんな支持している。私も。私が見た反体制派は一般住宅に向けて銃撃するような人たち。この国に民主主義をと言われても信じられない」。

2013-02-07 22:38:40
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア78)シリアを離れる日の朝、ロシア国籍はないのですが、ソ連時代にはシベリアに住んでいたウクライナ国籍の42歳の女性に会いました。ソ連崩壊後、ウクライナ国籍を選び、仕事を求めてシリアに渡り、そこで結婚したといいます。彼女の知人ロシア人の多くはやはりシリア人と結婚した人とのこと

2013-02-07 22:43:03
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア79)彼女はシリアについて次のように言いました。「シリアはソ連みたいなもの。言論の自由については制限はあるけど、それでも失業はないし、食べるために最低限の保障はある。反体制派が言う民主主義ってなに?それで食べていける?そんなのいらない。私はアサド政権下での改革を望む」

2013-02-07 22:46:34
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア80)ソ連崩壊を体験している彼女の言葉にはある意味、説得力がありました。彼女は内戦が激化してもシリアを離れるつもりはないと言います。「どこに逃げるの?ここはすでに私の生活の場所だから」。最後にシリアに残っている知り合いのロシア人の連絡先を教えてもらいました。

2013-02-07 22:49:34
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア81)モスクワに戻ってから連絡先を教えてもらったロシア人にも電話取材しました。ある人は知人の2割ぐらいしかシリアには残っていないとのこと。そして自分の間もなくシリアを出国するといいました。自宅も別荘も反体制派に破壊されたそうです。シリアに残るという人もいました。

2013-02-07 22:53:51
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア82)消えたロシア人。そこで暮らし続けることを選んだロシア人。皆さん、それぞれの人生を選んでいます。そしてシリアを離れた人たちは皆さん、いつかまた絶対に帰ってきたいと言っていました。

2013-02-07 22:56:44
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア83)以上で報告を終えたいと思います。長々と連続ツイート失礼しました。今回戦場の取材はありませんでした。戦争の悲惨さを伝えるに当たり、戦地の様子を報告すること以外にも必要なことがある気がしていたからです。シリア人はどんな人たちでどんな暮らしをしているのか。

2013-02-07 23:03:18
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア84)アサド政権側を批判する西側メディアにも違和感がありました。日頃のロシア報道でも偏った見方をすることが気になっていて、シリアでも同じようなことがあるのではないかと思っていたからです。少なくとも私の取材の感触ではシリア国民の結構な割合が現政権を支持している印象を受けました

2013-02-07 23:07:35
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア85)私が今回取材できた範囲は時間的にも場所的にもとても限られたものです。でも、取材で得た情報もまた事実か、あるいは信じられるか、というものです。反体制派側の取材をすれば別の心証が形成されるのだと思います。多角的な取材が必要だが、同時に難しくもある。改めて実感しました。

2013-02-07 23:12:55
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア86)今回の件に限らず、いろんな出来事を取材すればするほど、つくづく社会というのは簡単に白黒、善悪で割り切れるものは少なく、むしろたいていは矛盾に満ち満ちていて、それが普通なのではないか。そんな風にすら思ってしまいます。長々となりましたがシリア関連はこれでおしまいにします。

2013-02-07 23:18:18
前へ 1 ・・ 3 4