朝日新聞・関根記者によるシリア報告

関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

シリア５０）アルシャミさんは「反体制派の連中が突然まちに押し寄せてきて、家の中で銃を乱射して金や家財道具を奪っていった。襲撃は何度も続いた。こんなの単なる盗賊行為だ。何が民主主義だ。彼らが言う民主主義なんて信じられない」と話しました。奥様は涙をこぼしておられました。

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シリア５１）タルトゥースを中心とするタルトゥース県内には同様の避難施設が１５カ所、計約４０万人が暮らしているとのこと。ほかにもダマスカスなどが受け入れ先になっており、国内に残る避難民は１５０万人以上。政権は国外難民に帰国を呼びかけていますが、地方当局は収容の限界を懸念しています。

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シリア５２）避難所で暮らす人たちを支えているのが人道支援団体「赤新月社」です。イスラム圏の赤十字のような団体です。毎日、食料や衣類、衣料品などが運び込むなどしています。 http://t.co/DYWXLEz4

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シリア５３）届いたばかりの支援物資に集まる子どもたちです。彼らの表情を見るとうれしさや切なさが同時にこみ上げてきてきました。 http://t.co/uLQADAcR

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シリア５４）今更ですが、国内避難民に関する記事が４日付夕刊に掲載されました。告知が遅くなってすいません。デジタル版にも掲載されると思ったのですが、今のところまだのようで。

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シリア５５）シリアではサッカーが最も人気あるスポーツ。最新のＦＩＦＡランキングでは１３６位ですが、昨年のロンドン五輪の男子アジア最終予選では、同じ組の日本代表に２―１で競り勝って一時首位の座を奪うなど、善戦しました。選手たちは今、どんな思いで練習しているのか。取材を申し込みました

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シリア５６）ところが、運悪く、代表チームは２０１５年にオーストラリアで開かれるアジアカップ予選の初戦に備え、エジプトで合宿中。私がエジプトに戻る頃は対戦国のオマーンに出発という残念な事態に。でもサッカー協会のサラフ・エディン・ラマダン会長は快く取材に応じてくれました。

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シリア５７）この方が今回取材に応じてくれたシリアサッカー協会のサラフ・エディン・ラマダン会長です。 http://t.co/wMIE4d4n

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シリア５８）会長によると、シリアでは各都市ごとに結成されたチームがあり、１４チームからなる１部リーグは大変な人気だとか。海外で活躍する選手も２０人ぐらいいるといいます。

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シリア５９）昨年のロンドン五輪の予選で競り勝った日本戦について、「アジア一の実力を誇る日本に勝ったことは私たちにとってとても貴重な経験だった。日本は終始リードしていた。私たちは挑戦者だったが、失敗のないように堅実にプレーした。それが結果的に勝利につながったと思う」と話しました。

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シリア６０）内戦の影響についてはこう話しました。「シリアで混乱が起きて以来、対外試合を打診しても拒否され続けている。経済制裁も深刻だ。銀行送金が止められているため、ＦＩＦＡやアジアサッカー連盟からの助成金が受け取れなくなっている。政治・外交問題とスポーツは切り離して欲しい」

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シリア６１）そして代表チームは昨日６日、アジアカップの初戦を対戦国オマーンで迎えました。結果を確認したところ、残念ながら０ー１で敗れてしまいました。前半にゴールを決められ、追いつけなかったようです。でもまだ予選は始まったばかり。逆境を跳ね返して頑張って欲しいです。

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シリア６２）取材を終えて協会の事務所が入った建物を出ると、すぐ目の前にサッカーコートがありました。そこでは元気に子どもたちがプレー。時々砲撃が鳴り渡る空の下で。 http://t.co/k6wiQeC8

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シリア６３）子どもたちと少し話をしました。一番人気のチームは、バルセロナ。みんないずれはプロ選手として海外でプレーしたいと言っていました。内戦については「もう慣れた」とのこと。 http://t.co/aZjZGn6W

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シリア６４）日本人選手で知っているのは、中村選手と本田選手。思わずうれしくなって、「おっちゃんはその本田選手がプレーするモスクワから来たんやで～」と言いましたが、反応はあまりありませんでした。日本よりヨーロッパのチームに関心はあるようです（笑）

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シリア６５）さて、話をそもそもに戻してロシア人探しの顚末です。ここまで引っ張ったのには訳があります。ずばり、ロシア人取材はほとんど失敗に終わったからです（泣）。期待されていた方、本当にすいません。

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シリア６６）ロシアはソ連時代から、アサド大統領と父親２代にわたりシリアとは友好関係にあります。ソ連時代から、留学などの交流も盛んで、シリアにはピークで約９千人のロシア人が住んでいたといいます。大使館に未登録の人も含めれば３万人いるのではないかとも言われています。

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シリア６７）それならロシア人は容易に見つかるだろうとたかをくくっていました。そしてロシア人の目から見た、内戦の現状や、アサド政権について聞きたかったのです。シリア人は気さくですが、ひょいと来た日本人記者に対して、一般人が果たして政治の話題について本音を語れるか心配があったからです

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シリア６８）まずダマスカスのロシア大使館に取材を申し込みました。ですが、「担当者多忙につき応じられない」との理由で断られました。その後、シリアに住むロシア人を支援する拠点「ロシア文化センター」を訪ねると、「内戦の影響で春まで一時閉鎖になった」と警備のシリア人兵士。

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シリア６９）次に訪れたのは、ロシア人の軍関係者や通訳士らが多数暮らすという高層マンションでした。しかし、ここももぬけの殻。警備中のシリア人兵士から「反体制派からＲＰＧ（ロケット弾）を撃ち込まれたことがあるなどして、みんな安全のために帰国した」との説明を受けました。

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シリア７０）さらにシリア人の紹介で電話をかけまくるも、ベラルーシ人だったり、ウクライナ人だったり。シリア人にとっては、ソ連時代はみんな同じ国だったわけで、しかもロシア語を話すわけですからロシア人だと思っていたようです。

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シリア７１）滞在最後の夜、うなだれながら入った日本料理店に２組のカップルがいました。それぞれの女性はロシア人の雰囲気を出していました。これはと思い、店の人にちょっと話ができないか、聞いてもらうと、やはりロシア人。ついにロシア人に出会ったのです。

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シリア７２）２人のうち、１人が「１０分だけ」という約束で取材に応じてくれることになりました。女性は２１歳。昨年９月、ロシア南部のチェリャビンスクという都市から来たそうです。「何でまた内戦下のシリアに？」との質問には、「仕事。チェリャビンスクより稼ぎがいいから。ここでは月９００＄」

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シリア７３）「何の仕事をしているんですか？」。私が質問すると、彼女は隣のシリア人男性を見て、「エスコートガールってやつ。ナイトクラブに男性を連れて行って、そこでお酒を一緒に飲むの」。なるほど。今、ここで食事をしているのはいわゆる同伴出勤というやつなのでしょう。

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シリア７４）「エスコート、ですか？」。私が繰り返すと、女性ははっとして、「売春とかじゃないのよ。ただエスコートして、お酒を飲むだけ」と言いました。真偽はわかりません。