茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第925回「それを、英語で言えますか?」
- toshihiro36
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そえ(1)「さか上がり」を英語で言えるかどうか、という本が売れているらしく、新聞に載っていた。ぼくは言えない。気づかないところに目を付けた点は秀著と言えるだろうが、日本人のコミュニケーションの盲点がそこにあるわけではない。「それを、英語で言えますか」本質は別のところにある。
2013-04-30 07:10:59そえ(2)猪瀬直樹東京都知事の発言がニューヨークタイムズに掲載され、波紋を呼んでいる。私は、猪瀬さんのオリンピック招致へ向けた努力を強く支持するし、2020年、東京にオリンピックが来るように期待している。私たちが考えるきっかけになるだろう。それを、英語で言えますか?
2013-04-30 07:12:51そえ(3)TBSの記者が、日露首脳会談でプーチン氏に不用意な質問をして逆襲されたというニュースを見た。動画を見たが、確かに的外れな質問だった。しかし、TBS記者の質問は、日本の「国内」の文脈の中では、それなりに流通してしまうし、受容されてしまう切り口だったのではないか。
2013-04-30 07:14:43そえ(4)「それを、英語で言えますか」語学の問題ではなく、文脈、感覚の問題である。新大久保でヘイトスピーチをしている人たちが、国際的な文脈では恥ずかしいことは誰にでもわかるだろう。しかし、そのような極端な事例だけでなく、実は島国根性という話は、日本の社会に満ちている。
2013-04-30 07:16:06そえ(5)おじさんのルサンチマンや、下世話趣味、陰謀史観のような、国際的な文脈に置けば恥ずかしい切り口の記事が、日本を代表する週刊誌に毎週掲載されている。Economistのような、冷静で分析的な記事を載せる雑誌は、日本ではほとんど皆無と言ってよい。
2013-04-30 07:17:19そえ(6)地上波テレビが、きわめてドメスティックな存在であることはいまさら言うまでもない。バラエティはもちろん、ニュースの切り口も、国内のメンタリティむき出しで構成されている。CNNやFOXのような、グローバルな視点でアプローチするニュースは、ほとんど存在しない。
2013-04-30 07:18:39そえ(7)今回の猪瀬さんの発言のニューヨークタイムズ記事は、発言の一部を切り取ったもので、それを冒頭に挙げて強調した紙面構成は、おそらくフェアなものではない。それでも、私たちがふだんいかにガラパゴスな言説空間に浸っているかということを、改めて反省する機会にはなるのではないか。
2013-04-30 07:20:43そえ(8)猪瀬さんの発言問題を「まとめ」た「はちま起稿」の言葉づかい、文脈自体が、徹頭徹尾ガラパゴスなのも笑える。ツイッターのトレンドに出る切り口は、ほとんどガラパゴス。そんな中である気分が醸成され、時には政治さえも動かされてしまう。パンツをはかないで国際社会を歩くようなものだ。
2013-04-30 07:24:38そえ(9)だからこそ、普段から英語の情報を空気のように吸うことをおすすめする。日本のマスメディア、ツイッターの空気は、世界の潮流からかなり離れている。それは、アニメやマンガの独自性には通じるかもしれないが、オリンピック招致の現場では、別の何かが必要。それを、英語で言えますか?
2013-04-30 07:26:16