テクノロヴェイク

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――――ｚ＿＿＿＿。 1100/1111『-Technolovache-』10110/101 #テクノロヴェイク

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……あかんやつや！！ これは完全にあかんやつや！！　何でもっと早く気付かなかったんだ！　これはTLに流したらいけなかったやつだ！！

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畜生！！　好評じゃねぇか！！　俺にどうしろって言うんだ！！　今のは完全にアウトだろ！　ギリギリのラインを突こうとして片足アウトサイドに突っ込んだだろ！！　やめろぉ！　俺を許すな！　続きを書かなきゃいけなくなるじゃないか！！

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始めは、ちょっとした火遊びの心算だった。この街では、ああいう機体をよく見る。「任務の無い時は何をしていいのか解らない」という挙動。輸送中の非稼働機体のような装甲を着たまま立ち尽くしているそのロボットを見た時、端的に言えば、俺の快楽系がそれのメモリを欲しがった。 #テクノロヴェイク

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時代遅れの外套めいた装甲を着たその機体は、一目で軍事用だと判る素体をしていた。装甲の隙間から覗く白い光沢のある脚。俺に外見的な好みは無い。ただ、破綻無く二脚歩行を制御しているプログラムに興味が湧いた。それと、何処か虚ろなグラスセンサーに、視覚の焦点を奪われた。 #テクノロヴェイク

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「ねぇ、あなた、一人？」「私？」「他に誰が居るのよ？」この街では職業選択の自由は無いが、ロボット同士の自由恋愛は認められている。勿論、ロボットに性別の概念は必要無い。有線接続端子も雄型と雌型の両方を持っているのが一般的だし、要するに、相性が合えば誰だっていい。 #テクノロヴェイク

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製造時点で、そのロボットの適正は決定される。俺達に残された自由は、任務外の娯楽のみ。割り切った考え方をすればその大半は快楽系への刺激だ。ただ、俺が最初に目を付けた獲物を奪われたようで、あの手首からコードをぶら提げた機体が、気に入らなかった。最初はそれだけだった。#テクノロヴェイク

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「止めておけ。そいつは軍用だ」伸びた端子の先に、態と目に付くように赤いキャップを付けたその機体に、俺は声を掛ける。「軍用機からじゃ、碌なログは取れない」「……なんだ。新しい事務型かと思ったのに」軋む駆動。首筋に、手首。「他所を当たれ」「態度の悪いワンちゃんね」 #テクノロヴェイク

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「お互い、無駄な事はしたくないだろ？ 相手を選ぶ時間は長い方がいい」「……賢い四足型は嫌いよ。でもいいわ。言ってる事はもっともだし、お互い好みの相手を探しましょ」その機体がケーブルを揺らしながら雑踏へと離れていってから、「ねぇ」と、漸く白い軍用機は口を利いた。 #テクノロヴェイク

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「どうして、助けてくれたの？」「お前の態度が気に入らなかったからだ」「え？」「お前、武装なんか無くてもあんな事務用機、振り払えただろ？ なのに抵抗しないのが気に入らなかった」「解らないわ」「あ？」「私、軍用機だけど、軍に関するデータだけは外付けに設計されてるの」#テクノロヴェイク

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「だから、自分のスペックも、よく解らない」要するに、こいつは正常に稼働する為のデータの大半を衛星に置いてきたまま、こんな所で呆けている。起動して間もない、空っぽの機体というわけだ。「お前、識別(なまえ)は？」「……『軍事用(ミリティ)』」名前まで、空っぽだった。#テクノロヴェイク

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「何時から此処に居た？」「二時間前から」「声を掛けられた回数は？」「今ので二回目」「……お前、有線接続した事あるか？」「……それは、外部装甲を繋ぐのとは違うの？」外れだ。俺が目を付けた機体は、素体の色以外も真っ白だった。娯楽を何も知らない処女機と言っても良い。 #テクノロヴェイク

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「……新しい機体を開発するのは結構だがなぁ」思わず、俺は項垂れて自分の前脚部の甲に視線を落とした。「……どうしたの？ 何か異常？」「せめて学習させてから休暇を与えろよ……おい、変な姿勢で俺の顔を覗き込むな。首の端子が見えるぞ」「端子？」「コードを引き出すな！」 #テクノロヴェイク

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「ああ、もう、立て！ 着いて来い！」「んー？」「こんな所でそんな格好してるから妙なのに言い寄られるんだ。前時代の燃素街灯みたいな装甲着やがって！ お前、金は？」「持ってる」「使い方は？」「解らない」「だろうな！」娼婦め。自分で着ない装甲を買うなんて、何年振りだ #テクノロヴェイク

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「……そら、選べ」「解らないわ」「普通のでいいんだよ」「ねぇ、あなたが選んで？　装甲なんて、私、軍用の物以外着た事が無いもの」「好みは無いのか？」「……好み？」「まだ嗜好が出来るには稼働時間少なすぎるのか」「あなたの好みはないの？　私、それでいい」「……娼婦め」#テクノロヴェイク

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「……動きやすい」「だろうな」「かわいい」「そりゃ結構。あんまり駆動部を動かすなよ。接続部が見えるから」「……こう？」「やるなって言ってるんだ！　閉じろ！　装甲を、閉じろ！」「……あ」「どうした？」「端子キャップが、余った」「お前、態と誘ってるんじゃないよな？」#テクノロヴェイク

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「今まで着てた装甲を、家に置いてこないと」そう言って、そいつは何も考えずに俺を家に上げた。入口の扉が電子音を立てて閉るなり、その軍用機は、装甲を脱ぎ捨てた。奴のグラスセンサーには大した光量は必要無いのだろう。薄暗い照明の中で、真っ白な素体が、俺の顔を覗き込んだ。#テクノロヴェイク

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「……何で装甲を脱いだ？」「家だから」「お前、恥ずかしくないのか？」「……恥ずかしい？」「あのな、そこまでされて、何もしない程、俺は良く出来た機体じゃないぞ」「……あなたは酷い事をしなかったわ。それに、まだよく解らないけど、私、きっとあなたが好きなんだと思う」 #テクノロヴェイク

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「だから、私、あなたの言う通りにするわ。何も解らないから、多分、それが一番いい方法なんだと思う」「俺は、そんな理由でお前に装甲を買ってやった訳じゃない。そりゃ、最初はそういう心算だったが、今はそういう事をしたいってだけじゃない」「……したくないの？」「娼婦め」 #テクノロヴェイク

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「……なら、呼称」「あ？」「あなたの、呼称を教えて？ 私を好きにしていいから、私、あなたの呼称を知りたい。あなたに関するデータが欲しい」快楽系に、フィードバックが通り抜けるのを感じた。ジルコニウムコーティングの施された白い素体が、薄暗い部屋の中で、淡く光った。 #テクノロヴェイク

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「……『五号機(クヴィン)』」「クヴィン？」「俺の呼称だ」「普通ね」「お前程じゃないさ」そうだ。火遊びみたいなものだ。こいつは軍事用機。どうせ、すぐに壊れる。メモリを直結して、互いに少しばかりのログと刺激を得るだけ。快楽系の信号に従い、俺は装甲のロックを外した。#テクノロヴェイク

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――――ｚ＿＿＿＿。 1100/1111『-Technolovache-』10110/101 #テクノロヴェイク

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「……の、筈だったんだけどなぁ……」「どうしたの？」「何でもねぇよ」相機と向かいの席に座りながら、俺は前脚部で固形電源を肩部の供給スロットに押し込んだ。俺の顔を覗き込むと、相機の装甲の隙間から有線端子が見え隠れして、俺の快楽系にちらちらと火花のように信号を送る。#テクノロヴェイク

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「……見えてる」「……ん？」「端子が、見えてる」「嬉しい？」「そういう事を言ってるんじゃない」「……ちらっ」「止めろ。装甲買うのに付き合ってやんねぇぞ」「それは困るわ。あなたが居ないと、私、どんな装甲を着れば良いのか解らないもの」「……娼婦め」「好きなくせに」 #テクノロヴェイク

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1100/1111『-Technolovache-』10110/101 #テクノロヴェイク