【まとめ】コラム:上田人権人道大使の発言に見る、日本の人権外交の基本姿勢という問題の核心
- tkatsumi06j
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その2年後、故・斎賀氏は国際刑事裁判所の初代日本人判事として指名され当選を果たす。法曹界の人間でも裁判経験者でもない同氏を選出することには、国際市民社会から異論を持って迎えられた。しかし日本には斎賀氏しか人材がいなかった。http://t.co/jwJppTHVQ3
2013-06-05 14:25:02法曹経験の浅い斎賀氏は、国際刑事裁判所の予審裁判部に配属された。http://t.co/cQRLYzQKX5 この部署はローマ規程の定めに基づいて捜査開始の可否について審査・判断したり、捜査の中止を判断する部著。 (参考)http://t.co/wsumKbdcJj
2013-06-05 14:30:19しかし、この部署の仕事は激務だった。次から次に検討案件が舞い込んでくる。そして2009年3月、二度目の当選を果たした斎賀判事は急逝する。私自身、前職時代に斎賀判事とは何度かお会いしたことがあるが実直に仕事に取り組まれる方だった。 http://t.co/dGvCOMSFfA
2013-06-05 14:34:31上田大使の適性と外務省人事の問題
なぜか外務省の日本語版プロフィールがデッドリンクとなっているので公式なプロフィールを紹介できないが、その故・斎賀初代国際刑事裁判所判事の後任となったのが、今回、暴言が問題となった上田秀明人権人道大使である。http://t.co/4NOgXv459l
2013-06-05 14:37:29上田大使のこれまでのプロフィールをざっと見る限り(ざっと見れる程度しか実際ないのだが)、法曹関係者ではない前任者と比べても、大使には人権・人道業務に関する実績が全くない。外務省サイトで検索しても、そうした実績がないことは歴然。 http://t.co/L0oCjesawd
2013-06-05 14:41:10もうおわかりだと思うが、前任者の故・斎賀判事が07年の暮れに選出され08年の1月には判事に就任することになったため、後任者選びがほとんどやっつけで行われたのである。その結果、今回のような国際的失態を犯す人事となったのである。外務省における人権人道問題の位置付けがよくわかるだろう。
2013-06-05 14:46:09斎賀判事の死後、空席となった判事の席もまた日本人判事が埋めることになる。09年11月、判事死亡により補欠選挙が行われ、尾崎久仁子外務省参与が当選し、任期は9年間となった。尾崎判事は、公判を執り行う第一審裁判部に配属された。http://t.co/n0s4pHlikY
2013-06-05 14:49:31この大臣談話を見てのとおり、やっと「刑事法分野及び人権・人道法分野の専門家」といえる人材を日本は国際刑事裁判所判事として任命することができた。それでも、日弁連や国際刑事弁護士会(ICB)などからは依然、不適格として不満の声が挙がった。 http://t.co/3PWdT0NNG8
2013-06-05 14:52:24日本政府の国際人権・人道に対する基本姿勢が問題の核心
本来、国際司法機関に判事を指名するのであれば、それは国内の法曹界で要職を務めた人であるべき。国際司法裁判所については、国際法の基礎知識と判例を読み取る力があれば足りるかもしれないが、国際刑事司法を扱う国際刑事裁判所では全く違う次元の資格や見識が求められる。
2013-06-05 14:54:51国際刑事裁判所判事には刑法や刑事訴訟法に関する知識・経験を有する裁判(リストA)と、国際法に関する知識・経験を有する裁判官(リストB)という判事の知識・経験別の選出の区分けがある。当然ながら、日本は常にリストBでしか輩出していない。http://t.co/U1jKPaLnPb
2013-06-05 14:57:30しかしこれは、日本の法曹界にとってみれば屈辱的なことである。まるで日本には刑法や刑事訴訟法に関する知識と経験を持つ人材がいないみたいではないか。しかし、違う。これは外務省がその人事権を掌握しているために起きている弊害なのである。日弁連には国際刑事弁護士会の理事だっている。
2013-06-05 14:59:25また単に人材を輩出できないことが問題ではない。実効性のある国際刑事裁判所の設立を発展に寄与するという締約国の義務として、提供できる素地がありながら国の最良の人材を提供しないことは、裁判所の設立規程の理念に背く行為なのである。これが、我が国の国際刑事司法への貢献度合いなのだ。
2013-06-05 15:01:34結び。今回の上田人権人道大使の問題の核心は、単に個人の資質の問題ではない。単に人事に問題でもない。日本政府の人権人道問題に対する基本的な姿勢の発露にあったのである。この姿勢が、適材適所でない人事を生み、上田大使のような人間を任命し、今回のような失態に至った最大の要因なのである。了
2013-06-05 15:05:22コメント1への反応とやりとり
@ruiko731 @nyantomah いえ、全くそういう問題ではないです。「黙れ」に類する言葉は、このような場では言ってはなりません。まず、①国連の場でするべき発言ではない。②国連の委員の前でする発言ではない。③外交官としてする発言ではない。他にもできる返しはありました。続く
2013-06-05 15:42:27@ruiko731 @nyantomah 続き。一番無難なのは「委員の具体的なご指摘については持ち帰って検討させていただきます。」ですかね。これに「他方、我が国の司法制度を「中世的」とされた点については誤認があると思われますので追って資料を送付させていただきます」を加えれば完璧。
2013-06-05 15:45:39@tkatsumi06j @nyantomah ええっ外交官だったのですか?私はてっきり民間のなんとか大使みたいな人だと思っていましたそれならば仰る通りの対応が無難ですね、教えてくださいましてどうも有難うございました。
2013-06-05 18:51:31@tkatsumi06j 個別の問題ではなく、国の姿勢と言う大きな流れを示して戴いた点、特に前任者からの繋がりは東京新聞にも触れられていませんでした。ありがとうございます。
2013-06-05 17:31:34@kimaki51 ありがとうございます。恐ろしいのは、これが国際人権人道の分野にかぎった一例。氷山の一角に過ぎないということです。他の分野においても同様の問題があると考えられるでしょう。そこに政治がどう干渉していくか。どう是正するかが問われているのだと思います。
2013-06-05 17:35:16