小沢一郎氏はなぜ壊し屋なのか

所属した政党・派閥をことごとく壊しながらもポスト冷戦の日本政治を主導してきた小沢一郎氏。なぜ壊すのか?
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Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

端的に言うと「小沢氏が選挙以外も仕切りたがる選挙参謀」だからである。

2013-07-14 00:08:14
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

さて、政治にはA:選出(代議制では選挙)、B:政策、C:政局の3要素がある。大物と呼ばれる人物はこれらのうち1つ以上に長けている。

2013-07-13 22:52:02
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

例えば選挙で勝つならA、公約を実行するならB、議案を通すならCが長けていることになる。

2013-07-13 22:54:14
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

さて、小沢氏はAに長けた人物である。つまり選挙で自党・自派閥の議員を当選させることに長けているのである。するとBやCを犠牲にする局面が出てくる。

2013-07-13 22:55:56
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

国民が望む政策は日々変わる。従って当選にはその時に望まれる政策を主張する方がいい。また、選挙活動が忙しいと政局に手が回りにくい。どちらも時間がかかるからだ。

2013-07-13 22:59:51
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

さて政治家で一番華やかなのはBである。公約や問題を解決していく、良い政治家のイメージに近い。一方、ドラマ性があるのはCである。つまり国民受けする。

2013-07-13 23:17:21
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

すると小沢氏に従い続けるとBやCは満たされない、という事が起きる。例えば増税を公約にしたかと思えば次には減税を公約にすると言った形で公約を変えてくる。すると有権者や講演会からは「なんで変えたんだ」と言われる。

2013-07-13 23:21:39
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

こういう政策のスイッチングを重ねるとき、ライバル不在の鉄板選挙区にいる議員や比例トップが不動と言った安泰な議員だとそれでもいいか、となる。しかし、安泰だと自分が主導権を取ろうとしだす。つまり政局で自立しようとする。

2013-07-13 23:23:29
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

先ほどABCと分けたがこれに1)理論と2)実務という分け方もある。小沢氏はAについては1,2とも長けた人間なのだがA1、つまり選挙理論では正しいことが政策理論や政局実務では間違いになることがある。

2013-07-13 23:31:43
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

元来小沢氏のようなタイプは指導者の下で選挙参謀として動くパターンが多いのだが、小沢氏は参謀でとどまりたがらないタイプなのである。

2013-07-13 23:37:04
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

小沢氏は政策や政局を犠牲にしていると書いたが、政策論・政局論として不動にしていることがある。それは2大政党制である。 小沢氏は2大政党が交互に政権につく政治を是とし、これに基づいた政策実施や政局展開がなされるべきだとしているのである。

2013-07-13 23:42:08
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

この点は先輩格の金丸氏を引き継いでいるといえよう。ただ、実際の2大政党が国対政治的な駆け引きで運営されているのに比べると小沢氏の持論は対立軸を持って動く、理念的なものに見える。

2013-07-13 23:45:01
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

ある程度民主政治が進むとどの政党も国民政党化しようと政策幅を広げ、似たり寄ったりになる。強烈な対立軸による2大勢力の攻防というのは参政権拡大で革新政党が登場した時期で顕著なのであって元来は普遍的なものではない。

2013-07-13 23:47:53
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

日本でも板垣自由党・大隈改進党が政友会・民政党となった頃には両者の政策的違いは相当低くなっていた。

2013-07-13 23:53:01
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

小沢氏の政党論は選挙の理論や実務では他候補と違いを見せられるので有利に働く反面、政策や政局の実務からはかなり乖離したものになってしまう。

2013-07-13 23:57:16
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

選挙が終わると「選挙だけやってくれ」「いや、俺の言うとおりに動いてくれ」の論争になる。こうなると小沢氏としては政党を壊すほかなくなってしまう。

2013-07-14 00:00:39
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

小沢氏についてくるのは政局や政策にあまり野心のない、議員をやりたいだけの陣笠議員かその場しのぎでたまたまついてきた議員(将来の離反予備軍)になる。

2013-07-14 00:01:52
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

岡田・石井・羽田・渡部・市川・米沢・中井・赤松・横路・細川・鳩山兄弟・石破・小池・田中など一度は小沢氏に期待を寄せた政治家がことごとく離反した理由はこれである。

2013-07-14 00:06:20
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

なお、菅直人・江田五月と松下政経塾・小沢ガールズなどの93年体制での新規議員(これを仮に93タイプとする)については別の理由もある。これは別途述べる。

2013-07-14 00:11:16
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

まず菅・江田について。この二人は社民連出身であり、選挙による革新政権樹立を主張したこともあり、元来は小沢のライバルポジションにいるべき人間である。

2013-07-14 00:30:33
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

政権を取りたいという政局を重視しているところがあり、小沢氏同様政策はぶれているところがあるが、小沢氏と逆に選挙は弱い。

2013-07-14 00:34:06
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

小沢・菅・江田が同じ政権・政党にいたことがあるのは他でもなくどんな政策でも政権を取りたいという点で一致したからである。

2013-07-14 00:35:23
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

しかし、政権を取ると誰が指導者になるかで喧嘩になってしまう。革新陣営の傾向として、内紛が起きると相手を完全服従させるか追放するまでやめない。詳しくは別途書くつもりだが、ここに革新単独政権が日本で成立しなかった一因がある。

2013-07-14 00:38:33
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

社民連系の政治家が小沢氏と喧嘩した最大の理由は「政権獲得しか一致点がなかったから」である。

2013-07-14 00:40:46
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009

93タイプについては一番単純な理由がある。「小沢さんって悪徳政治屋っぽい」。

2013-07-14 00:42:09